じわじわきてる!進化を遂げる「西武新宿線」「東武野田線」

通勤路線には、山手線や東海道線など誰もが知る“メジャー路線”もあれば、短距離エリアを運行するあまり知られていない路線もあります。今回クローズアップしたいのは「それなりに大きな通勤輸送を担っているけど、ちょっと地味。だけど最近かなり“進化”している路線」です。

西武の主力路線「新宿線」が今後、大きく生まれ変わる!

大手私鉄の一角を占める西武鉄道には、2つの主力路線があります。

ひとつは「池袋線」。

「池袋駅」と埼玉県飯能市にある「吾野駅」を結ぶ約58キロの路線です。近年では「練馬駅」~「石神井公園駅」間が高架&複々線化(※西武線ではこの区間のみ複々線)されたり、東京メトロ副都心線の開通に伴い、東急東横線・みなとみらい線への相互乗り入れが始まったりと、メジャー路線として進化しています。

また、昨年からは有料座席指定列車「S-TRAIN」が運行スタート。西武秩父へ向かう特急「レッドアロー」も、西武を代表する看板列車として有名です。

そしてもう一つの主力路線である「新宿線」。

「西武新宿駅」と「本川越駅」を結ぶ約48キロの路線ですが、池袋線と比べてこれまで大きな「進化」が見られず、路線の高架化などもごく一部に限られたり、他路線への乗り入れがなかったりと、正直「地味」な存在でした。

ターミナル駅である「西武新宿駅」が、JRや小田急・京王などの新宿駅から離れていたり、もう一つのターミナル駅である「本川越駅」も、JR/東武が乗り入れる「川越駅」から若干離れており、街の中心は「川越駅」周辺という地理的条件も「主力路線なのにマイナー」といった印象を与えているのかもしれません。

しかし今春、新宿線にもいよいよ有料座席指定列車「拝島ライナー」が運行スタート。
最新車両(40000系)が導入されることによって、快適な通勤が実現します。

また遅れていた高架化(地下化)も、現在「中井駅~野方間」「東村山駅付近」で工事中。「野方駅~井荻駅」「井荻駅~東伏見駅」も事業準備区間となっていたり、「東京メトロ東西線」との相互乗り入れ運転の構想も。

このように、新宿線は大きな進化を遂げようとしているのです。

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東武野田線改め「東武アーバンパークライン」も着々と進化中!

私鉄では全国で近畿日本鉄道に次ぐ路線規模を持つ東武鉄道。大きく「伊勢崎線」「東上線」の2つの主力路線があります。

この2つの路線は、急激に増加する通勤客の需要に合わせて進化し、都心の地下鉄への乗り入れや最新車両の投入、また伊勢崎線の「北千住駅~北越谷駅(18.9キロ)」は、JRを除く日本最長複々線としても有名。また伊勢崎線は日光方面への特急電車も多数運行されているなど、話題に事欠きません。

一方、今回クローズアップする野田線は、大宮駅~柏駅~船橋駅を半環状型で結ぶ、約63キロの路線。都心と郊外を結んでいる伊勢崎線をはじめ、JR常磐線や総武線などを「縦串」で結ぶ貴重な路線として、古くから多くのビジネスパーソンに利用されています。

伊勢崎線や東上線に比べて、やや「地味」な印象の野田線ですが、長年のイメージを大きく変える出来事が、2013年に起こりました。それが、野田線専用の新型車両(60000系電車)が導入されたことと、その翌年に「東武アーバンパークライン」という新名称が与えられたこと

それまで運行されていた車両の多くは、他の路線で運行されていた“おさがり車両”を流用していたケースがほとんどでしたが、この新型車両は最初から野田線導入のために作られたものです。その後も柏駅にホームドアが設置されたり、野田線初の定期特急「アーバンパークライナー」運行開始によって、野田線沿線と伊勢崎線経由で浅草方面に乗り換えなしで快適に移動できるようになるなど、ますます便利で快適な通勤路線に進化しています。

現在は野田市駅周辺の高架化や「逆井駅~六実駅間」の複線化などの工事が進行中。伊勢崎線との乗換駅である春日部駅の連続立体交差事業もこれから本格化するなど、今後ますます進化する「東武アーバンパークライン」から目が離せません。

――以上、進化を続ける西武新宿線と東武野田線をご紹介しました。今後の動きは要チェックです!

WRITING:山田モーキン イラスト:海月あいる
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