簡単に乗り換えられる駅、乗り換えが大変な駅

毎日の通勤はもちろん、電車の移動には「乗り換え」が大きな課題となります。特に複数路線が乗り入れるターミナル駅は規模が大きいため、乗り換えにかかる所要時間や移動距離は長くなりがちです。

そこで今回、簡単に乗り換えられる駅について考えてみました。

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乗り換えにくいターミナル駅といえば…

乗り換えやすい駅の条件を考える時は、逆に「乗り換えにくい駅の条件」を考えてみるとわかりやすいかもしれません。挙げられるのは

  • 乗り換えの際に移動時間を要する
  • 地下から地上など、上下動が伴う
  • 駅構内の配線・経路が複雑

といったところでしょうか。

複数の路線が乗り入れるターミナル駅の場合、当然駅の構内が複雑になり、規模も大きくなるのでその分、移動距離も増えてしまいます。また、地下鉄の乗り入れによって、上下動の移動も増えるため、移動の負担は増えます。

中でも近年、悪い意味で注目されたのが「渋谷駅」。

2013年、東京メトロ副都心線と東急東横線の相互乗り入れ運転開始に伴い、東横線渋谷駅がそれまで地上2階のホームから、地下5階相当のホームに移転しました。

それまでも渋谷駅は、山手線と埼京線のホームが200m程度離れていたり、東京メトロ銀座線と半蔵門線の駅が、同じ鉄道会社にも関わらずホームの位置がまったく異なる(銀座線は地上3階相当・半蔵門線は地下3階相当)など、乗り換えにくいターミナル駅として注目されていました。

こんな状況から「渋谷ダンジョン」などと呼ばれ、スマホアプリなどでゲーム化されるほど悪名高い存在に。

また現在、2027年を目標に渋谷駅周辺の再開発事業が推進されているため、駅内外のあちこちで工事が行われ、より一層道が分かりにくくなっていることもネガティブなイメージを増長する要因になっています。

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乗り換えやすいターミナル駅 その1:「品川」

というわけで、改めて「乗り換えやすいターミナル駅」を東京都心エリアで探してみると、「品川駅」と「池袋駅」が浮かび上がってきます。

まず品川駅の「乗り換えやすい特徴」としては、「地下ホームが一切ない」という点。

現在、JR各線(山手線・京浜東北線・東海道線・横須賀線)と京急線、それに東海道新幹線に加えて2014年の「上野東京ライン」開通に伴い、常磐線の電車も乗り入れるようになりました。

しかしこれらのホームはすべて地上駅(JR各線&新幹線)または高架駅(京急)。ホームの配置もほぼ横並びの構造になっているため、負担を伴う「上下動」が少なく、移動距離も「京急と新幹線」等をのぞけば、おおむね短距離移動で済みます。

さらに今後、京急線ホームが現在の高架から地上に移される予定なので、より乗り換えやすくなることが期待されます。

一方、2027年開業予定の中央リニア新幹線のホームは、地下深くに設置されるため、近い将来「リニア新幹線から他の各線への乗り換え」という点において、それなりの移動時間がかかると予想されます。

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乗り換えやすいターミナル駅 その2:「池袋」

もう一つ取り上げた池袋駅に関しては、「ホームの配置バランスが絶妙」という点。

池袋駅にはJR各線(山手線・埼京線・湘南新宿ライン)・東武東上線・西武池袋線に加え、東京メトロ各線(丸ノ内線・有楽町線・副都心線)が乗り入れる、新宿駅や渋谷駅と並ぶ副都心ターミナル駅。

これだけ多くの路線が乗り入れているにもかかわらず、駅の配置図を見ると西口の東武線・JR各線・東口の西武線の各ホームが、南北方向にずれることなく、コンパクトに横並びしています。また、全ホームが地上にあるため、上下動も少ないのも利点。

一方、東京メトロ各線のホームは当然、地下にあるものの、その位置はほぼ地上にあるJR他各線の「真下」に位置しています。さらに副都心線と丸ノ内線に関しては、ホームが車でいうところの「縦列駐車」の位置関係にあるため、多少の上下動は発生するものの、両ホームの乗り換えもかなりスムーズに行うことができます。

――いかがでしたでしょうか?

このように乗り換えやすい駅を有効活用することによって、他のターミナル駅よりも「時短&低負担」で乗り換えられる可能性が広がるかもしれません。

WRITING:山田モーキン イラスト:海月あいる

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