仕事の飲み会の断り方を教えて!角を立てずにうまく断りたい!

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 「今日の飲み会、マストだから」「仕様書の変更、明日の朝イチで頼む」「もっと値下げしてくださいよ」…仕事をしていると、こちらの都合も考えず、勝手な要求を出してくる人が必ずいるものです。基本的には応じることが多いわけですが、そのすべてに応えていては身も心もいつかパンクします。実は仕事ができる人ほど、断り方もうまいもの。ぜひ「角が立たないスマートな断り方」を身につけてください。

気が進まないことを上司に誘われた時の断り方

 直属の上司からの指示や命令は、最も身近な「断りにくい状況」でしょう。よくある事例をもとに、うまい断り方を紹介します。

早く帰りたいのに飲みに誘われた

 いくら面倒な飲み会の誘いでも、セクハラ的なものを除けば、相手からすると「親交を深めたい」という好意の表れである場合がほとんどです。上司とはいえ、誘いを断られることで多少なりともショックを受けるわけですから、断る際にはそうした点への配慮が必要です。

ポイントは3つ。

  1. 断ることを謝罪する
  2. 参加できない理由を説明する
  3. 参加自体は嫌でないことを伝える

 例えば、こういうふうに言ってみましょう。

「申し訳ありません(謝罪)」
「今日は先約があって参加できません(理由)」
「また誘ってください(参加意思)」

 注意すべきは「理由」の部分。それ自体はウソでも構いませんが、「英会話スクールへ行く」「田舎から母が出てきて」などとあまり具体的にすると、ウソを貫くためにさらにウソを重ねなければなりませんし、ウソがバレた時は両者の関係が大きく崩れてしまいます。

 「体調不良」の言い訳も考えものです。その時は大丈夫かもしれませんが、あまり続けてしまうと「アイツは身体が弱い」と仕事上でのマイナス査定につながる恐れがあります。

 そのため理由としては「所用があって」などと、なるべく曖昧なものにしておくのが無難です。「所用って何?」と聞かれるかもしれませんが、その時は「どうしても外せないものでして…」などと曖昧な言葉を重ねた上で、「参加意思」を伝えることが大切です。「次の機会には必ず参加します」「今度はこちらから声を掛けます」と言われれば、相手もそれほど強引にはなれないものですし、自分自身も断ることへの罪悪感をそれほど覚えずに済みます。

 厄介なのは、自分に好意を持っているであろう異性上司からの飲みの誘いです。ここで下手に断ると、相手が逆恨みし、翌日から態度が一変、仕事上のことでさまざまな嫌がらせをしてくる可能性があります。

 しかし、最近ではセクハラに関するガイドラインが厳しくなってきました。1回、2回は誘いに応じるのも仕方ないかもしれませんが、そこで相手の様子が明らかにおかしいと感じたら、「私には交際している人がいますので、これ以上、お誘いには応じることはできません」とはっきり伝えましょう。それでもしつこく誘ってきたり、嫌がらせをしてきたら、「こうしたことが今後も続くようでしたら、セクハラとして会社に報告させていただきます」「私もそれは望んでいないので、これ以上は控えていただけませんか?」と相手に逃げ道を残しながら、強い姿勢を見せることが効果的です。

残業を命じられた

 残業は「業務・職務命令」の一種ですから、断るにはそれなりに明確な理由が必要です。しかし、命じられてから急に「実はおなかの具合が…」と体調不良を言い出せば、ほぼ確実に“サボリ”を疑われるでしょう。それでも断るためには、残業を命じた上司に受け入れられやすい理由を事前から用意しておくことです。普段から健康に気を使っている上司には「医者の予約を入れている」、家庭を大事にする上司なら「家族の病気」、仕事一筋の上司なら「取引先の接待」といった具合です。

 ただしこれらの理由は何度も繰り返し使えるものではありません。いざというときに断るためにも、取り立てて用事のない場合には、むしろ進んで残業を引き受けておくのが仕事上の知恵といえます。

土日出勤を命じられた

 休日出勤も残業と同様、命ずる側にも相当の理由はあるわけですから下手な断り方はできません。とはいえ、すでに外せない予定が入っている場合には先約相手との関係があるため、率直にその旨を伝えて断るほうが後々の問題は少ないでしょう。

 ただし、その理由が「家族旅行」「交際相手とのデート」などでは、いくら自分にとって重要なことでも、それを聞かされる相手はあまり気分の良いものではありません。そういう時は「親戚の法事」や「故郷の友人の結婚式」などの理由に言い換えるのがベターです。

 なお冠婚葬祭を理由とするときには、「仏滅に結婚式」「友引に葬式」などはウソとバレやすいので、カレンダーに気を付けておく必要があります。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

取引先に無理な要求をされた時の断り方

 取引先との関係を壊さずに、相手の要求を断るにはテクニックがいります。具体的に見てみましょう。

値下げしたばかりなのに、また値下げを要求された

 取引先との打ち合わせ時に再度の値下げを要求された時は、その場で即答したり、「大丈夫とは思うのですが…」などと言質をとられそうなことを言うのは絶対NGです。必ず「いったん持ち帰って、上司と相談します」と答えましょう。

 その上で、次回の打ち合わせ時に「御社には最低限の価格でご提示させていただいております。これ以上、値下げしますと、弊社は赤字になってしまいますので、申し訳ございませんが、ご希望にお応えすることは難しい状況です」などと答えるのがいいでしょう。

 ただ、これだけですと、その後の契約を打ち切られる可能性もあります。そこで「その代わり、新たに○○のサービスを同じ料金のまま追加させていただきます」と商品価値を上げることを提案すると、相手の納得が得られやすくなります。

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 どうしても値下げ要求が強い場合は、「代わりに弊社の○○につきまして、新規契約のご検討をお願いできないでしょうか?」「代わりに、リニューアルいたしました○○のほうの価格を上げていただくことは可能でしょうか?」と交換条件を出すのがひとつの方法です。

 一方的な要求を飲み続ける関係は、決して長く続きません。あくまでも「Win-Win」を目指すことが、良い関係を長く続ける秘訣です。

どう考えても無理な納期を要求された

 単に「それはさすがに無理です」と言ったり、「何とかやってみます」と引き受けてしまうのは避けるべきです。

 コツは、「相手のことを思って」という理由を付けて断ること。たとえば、「その納期ですと、弊社がチェックをする時間が十分に担保できず、御社のサービスや品質に悪い影響を与えてしまうおそれがあります」という言い方です。

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シチュエーション別「断り方」あるある

最後に「もしも、こんな状況に遭遇したら」というシチュエーション別の断り方を紹介します。

上司や同僚からSNSで友達申請をされた

 面倒ですよね。でも、完全スルーは気が引けるもの。
 相手の気持ちを損ねずに断るには、「プライベートの友達だけしか承認していないんです」「プライベートな内容が多くて恥ずかしくて」「ほとんどチェックしないので申し訳なくて」など、あくまでも自分が悪いという形を取るのが良いでしょう。

仲のいい同僚から「次の選挙では、○○候補に入れてほしい」と言われた

 投票結果が相手には分からないからといって、気軽に「YES」と答えると、その同僚が「彼も○○党の支持者だ」と言いふらしたり、さらに「○○候補の後援会に入りましょう」「演説会に行きましょう」と追い打ちをかけてくる可能性があります。

 そんな時は親や親戚、地縁などを持ち出して、「親の代から(別の)△△候補を応援している」「親戚が△△党員なので」「町内会が△△候補の世話になっているので」などとあくまでも自分以外の誰かのせいにしておけば、角が立たずに済みます。

 また、宗教やネットワークビジネスに誘われた場合でもやはり、「先祖代々××教」「親戚が同様のビジネスを手掛けているので、自分はそこの会員になっている」など自分以外の他の要因を持ち出し、「断るのは本意ではないが」という姿勢を見せておきましょう。

「一生のお願いだから、50万円貸して!」と同期に土下座された

 数千円程度ならともかく、多額の借金については相手も引け目を感じているケースがほとんど。断っても反発されたり、関係が悪化する可能性は低いでしょう。

 それでは気が引けるというなら、まずは「その50万円が何のために必要なのか」「本当に返す気があるのか」「いつ返せるのか」「返すあてはあるのか」といったことを確認してみましょう。曖昧なことしか言えないようなら貸す必要はありません。逆に、しっかりした返済プランがあるのであれば、自分がお金を貸すのではなく、銀行系のカードローンを勧めてみてはどうでしょうか?

「断り」には、自己保身と思いやりとの兼ね合いを

 他者からの要求を無制限に受け入れていたのでは自分が潰れてしまいます。相手も最初は「申し訳ない」と思っていても、あなたがうまい断り方ができないと、「頼めば無理を聞いてくれる人だ」と勘違いされてしまうかもしれません。仕事を続けていく中で、自分の精神と肉体を守るためには「断ることも大切だ」と心得ましょう。その時、相手の立場を尊重する思いやりさえ持っていれば、角を立てずに断ることができますし、人間関係が壊れることをそれほど心配する必要もないのです。

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