「アジェンダ」が“仕事の質”を決める――アジェンダの意味と作り方を徹底解説

ビジネスシーンや政策関連のニュースでよく耳にする「アジェンダ」という言葉。前後の文脈でなんとなく意味は分かったような気でいても、きちんと説明できる人は意外に少ないのではないでしょうか?

「アジェンダ」という言葉の意味と使い方について、今回はわかりやすく解説していきます。

「アジェンダ」とは?

そもそも「アジェンダ」という言葉はどういう意味なのでしょうか?

「アジェンダ」の語源は英語です。スペルでは「Agenda」と表記します。直訳すると、「議題」「協議事項」「予定表」といった意味になります。同じような意味でつかわれる言葉として<議題>や<協議事項>という意味では「レジュメ」、<予定表>という意味では「スケジュール」があります。アジェンダという言葉は、様々な意味を持っており用途によって変わります。

例えば政治の分野では、「取り組むべき検討課題」といった意味合いや「行動計画」をといった意味合いで使われることがよくあります。良く耳にするのが2014年の国際五輪委員会(IOC)の臨時総会で採択された「アジェンダ2020」でしょう。ここでの「アジェンダ」の意味は、五輪の中長期改革計画のことです。開催都市のコスト軽減や実施競技選定の見直しなどが主で、2016年に就任した小池百合子東京都知事も頻繁に「アジェンダ」という言葉を使っていました。五輪憲章の改定を伴う40項目の改革案からなり、2020年の東京五輪・パラリンピックから一部実施される予定です。

「アジェンダ」という言葉が使われたきっかけ

アジェンダという言葉が使われるようになったのは、1992年にブラジルで開催された地球サミットだといわれています。このサミットで、環境保全のための規範「アジェンダ21」という文章が作成されました。アジェンダ21は様々な分野で、21世紀に持続可能な開発の実現を目指しています。日本では「京のアジェンダ21」「アジェンダ桂川・相模川」「とっとりアジェンダ」など、多くのプロジェクトが実行されています。

ビジネスシーンで使うアジェンダ

ビジネスシーンでも「アジェンダ」という言葉はよく使われています。ビジネスシーンでは主に「会議の議題」や「議事日程」といった意味で使われることが多いです。

例えば、会議における「アジェンダ」は、会議を円滑に行うために、検討内容を予め整理しておく、つまり<議事、会議のテーマ>などという意味で使われます。会議の進行役から「今日のアジェンダはこちらです」と会議前(会議開始時)に連絡をされたという方も多いかもしれません。

アジェンダを作るメリット

会議用のアジェンダを作るメリットは、検討すべき内容を事前に示すことで、論点を明確にし、参加者の目線が合った状態で会議をスタートできることにあります。限られた時間の中で行われるのが会議ですから、もしも論点がバラバラの状態で議論がスタートすると、時間だけが過ぎていき、結局重要なことが何も決まらないということが起こります。事前に良質なアジェンダが用意されていれば、効率よく議題を進めることができ、有意義な会議にすることができるでしょう。

良質なアジェンダの作り方

会議の質を左右するほど重要なアジェンダ。良質なアジェンダを作るには、いくつかのポイントがあります。

【ポイント1】会議の目的を明確にする

まずは、会議の目的を明確にする必要があります。「そもそもこの会議は何のために行われるものか?」を明確にするということです。

例えば、情報共有のための会議なのか、何かを決めるため(決裁をもらうため)の会議なのか、アイディア出し(ブレインストーミング)のための会議なのか…それによって、召集すべきメンバーも変わるでしょうし、会議時間も変わるかもしれません。

情報共有であれば本当にこの情報を知っておいてほしい人だけ召集し、ポイントを絞って短時間で会議を行う、というのがいいかもしれませんね。一方アイディア出しを行うときには、様々な部署の方を巻き込んで、ある程度時間をとって行うのが最善という場合もあるかもしれません。目的によって会議の仕方も変わってきます。アジェンダを設定する前段階ですが、目的を明確にして会議を行うことを心がけましょう。

【ポイント2】議題を整理、検討すべき項目や時間配分を見積もる

会議の目的が明確になったなら、次に議題を整理します。議題、つまりその会議で決めるべき案件を整理し、参加者に伝えることが必要です。より伝わりやすくするために「議題1」「議題2」といったように、議題に連番を振るなど工夫するとよいでしょう。会議前に議題ごとに議論する時間を事前に割り振って決めておき、目のつくところに書いておくのも円滑に議論を進行するのに有効です。

例えば、決裁をもらうための会議を設定した場合。

1.決裁をもらう対象者(上司など)が、今回のプロジェクトについてどの程度理解しているのか?

2.決裁をもらう対象者が最も気にするポイント(判断基準)はどこか?

3.今後の進め方・スケジュールはどうしていくか?

などといった項目について、ある程度見積もっておき、必要な項目や議論の時間を考えます。

決裁をもらう対象者(上司)が、今回のプロジェクトに対して全く理解していない場合には、プロジェクトの目的やこれまでの経緯についてもしっかりと共有する必要があるかもしれません。その場合、情報共有に長めに時間を取って、そのうえで判断を必要とする内容をインプットする…といった工夫が必要になるでしょう。

「1回の会議で全部進めるのではなく、何回かに分けてインプットする必要がある」といった判断も、議題を整理することで、できるようになるわけです。

【ポイント3】余裕をもって参加者に示す

会議の目的を明確にし、議題が整理され、ある程度時間配分が決まったら、余裕をもって参加者に伝えておきましょう。

アジェンダの目的が会議を円滑に進めることですから、事前に示すことで、参加者の役割分担や議題を確認してもらう必要があります。当日に必要な持参資料の準備の時間も考慮して事前にアナウンスすることが重要です。遅くとも会議の前日くらいまでにはアジェンダを作成し、参加者で共有しましょう。心の余裕が良質な会議を生みます。

例えば、アジェンダは以下のような項目について連絡するとよいでしょう。もちろん、定例会議の場合には都度すべての項目を連絡する必要はありません。必要な項目に絞って事前に共有しましょう。

・会議名
・会議時間
・会議参加者
・会議目的
・議題(複数ある場合には連番を振るとよい)
・議題ごとの時間
・参加者の役割分担
・会議に準備すべき資料
など

また、例えば定例会議の時には、前回の会議の残課題や参加者の宿題等についても、事前に共有することで、円滑に会議を進めることができるでしょう。

アジェンダで会議の質が、仕事の質が決まる

ビジネスシーンでのアジェンダは、大切な会議を円滑に進めるために非常に重要な役割を果たします。しかしその重要性に気づいている人はもしかするとあまり多くないかもしれません。

多くの仕事は誰かと一緒にするものです。人を巻き込んで、協力し合いながら進めていくものです。また、上司など決裁をする人に納得してもらい、仕事を前に進めていく、という場合も多いでしょう。人を巻き込んだり、上司に納得してもらうには「会議」という場を活用する必要があります。その会議がうまく進むかどうか、鍵を握っているのがアジェンダの設定です。その意味で、仕事がうまくいくか」はアジェンダの設定が大きく影響しているといっても過言ではないのです

最後に、先にあげたポイントとは別に、アジェンダを設定する上で大切にしたい心構えを紹介したいと思います。

【心構え1】基本事項を明確に

アジェンダで最も大切なのは、基本事項の共有です。会議の「日付」や「時間」「場所」を明確に示しましょう。曜日も書いてあげるとなお親切です。時間も、午前や午後と明確に記載し、勘違いを生まないように注意しましょう。会議の場所も、階数や会議室名、部屋番号などを明記することが必要です。参加者に不要な誤解を与えないことが重要です。

【心構え2】会議のゴールを意識する

会議の目的と照らし合わせながら議題を設定する重要性については説明しましたが、そのときに心がけたいのは、「この会議のゴールを意識する」ということです。何を持って「この会議は成功した」とするかという基準を明確に設けておくことが必要です。

例えばアイディア出しの会議を設定した場合に、「アイディアがたくさん出る(アイディアを拡散させ、1人では思いつきもしないようなアイディアの種を得る)」ことをゴールにするのか、「アイディアの中でベストな案を1つに絞る」ことをゴールにするのかによって、会議の進め方や時間配分は大きく違ってきます。目的をゴールというわかりやすい基準に置き直してから、議題の整理を進めるとアジェンダは作りやすくなります。

【心構え3】ヒントはすぐ近くに

初めから良質なアジェンダを作るのは簡単ではありません。まだ慣れていないという方は、自分が参加してよい会議だと感じた会議のアジェンダを見て、議題の設定の仕方や書き方を参考にするのがおススメです。実際にアジェンダを作った方にコツを伺うのもよいかもしれません。

プレッシャーを感じる役割ではありますが、一皮むけるチャンスです。ぜひ頑張って取り組んでみてください。

監修:リクナビNEXTジャーナル編集部

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