帰納法、演繹法【今更聞けない問題解決のための推論】

物事の傾向や対策を探る場合、さまざまな可能性や事実をもとに推論を重ねることがありますよね。この推論ですが、論理展開のタイプによって大きく2つの種類に分けることができます。それが帰納法(きのうほう)と演繹法(えんえきほう)です。

さて、今更ですが、帰納法と演繹法の違いを説明できますか?この2つには明確な違いがあり、使用に適したシーンも異なるのです。さっそく見ていきましょう。

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帰納法とは

帰納法とは、さまざまな事実や事例から導き出される傾向をまとめあげて結論につなげる論理的推論方法を指します。別名を「帰納的推論」ともいいます。帰納法で重要視されるのは、多くの事例に共通することをまとめることで、聞く者に「納得感」を与えることでしょう。

例えば、「今朝テレビでハチミツの効能について報道していた。また、同僚のA君も毎朝ハチミツを摂取していて体調がよくなったとのこと。他にも、定期購読している雑誌の中でハチミツが体に良いと紹介されている。よってハチミツは体調の改善に効果がありそうだ。」という考え方の場合、「テレビでの報道」「同僚の体験談」「雑誌の記載」といった事象を総合して「ハチミツが体に良い」という結論を導き出しています。

このように、複数の具体的事実から同一の傾向を抽出して、結論(推論)に持っていくのが帰納法です。さらに、テレビ、同僚の話、雑誌と3通りの経路から情報を入手していることで、偏った情報ではないという印象が深まるため、聞く者に納得感を与えやすいこともポイント。一方、これが「テレビで盛んに報道されている」や「雑誌に毎号掲載されている」というように、情報の入手経路が単一である場合は、複数の事実から導き出された結論とは言い難いため、論理的推論が成立しない可能性が出てきます。

演繹法とは

帰納法と対になる論理的推論方法として、演繹法があります。演繹法は、帰納法とは論理展開が大きく異なり、一般的かつ普遍的な事実(ルール・セオリー)を前提として、そこから結論を導きだす方法です。

例えば、「人間は哺乳類である」「哺乳類には血液がある」という2つの普遍的な事実を前提とした場合、演繹法では「人間には血液がある」という結論を導き出すことが可能です。演繹法の前提としては一般論や誰もが当然知っている普遍的事実などが使われる傾向にあり、必然に必然を重ねることで結論にいたるというプロセスを経ています。このことから、演繹法は数学的な推論方法ともいえるでしょう。

ただし、前提として選定した一般論や普遍的事実に偏った主観が混じってしまうと、論理が破たんするため注意が必要です。逆をいえば、前提の選定さえ間違えなければ、そのプロセスの特性上、非常に強い説得力をもつ推論方法であるともいえます。帰納法があくまでも統計的結果を指し示すに過ぎないのに対し、演繹法の結論はより真実に近いものと考えられるのです。ただし、この2つは優劣のあるものではありません。論理的推論が必要となる状況や説得する相手の傾向によって使い分けることが望ましいでしょう。

帰納法と演繹法、ビジネスシーンでどうやって使い分けるべき?

では、帰納法と演繹法それぞれの特徴を理解したところで、実際にビジネスシーンでの利用を想定してみましょう。一般的に帰納法は調査による統計などを使用する場合に適しており、演繹法はアイディアが正しいことを証明するときに効果的といえます。

例えば、帰納法は「男女数百人に水に対するアンケートをとった結果、8割の人が水を買うことに肯定的だった」、「スーパーやコンビニエンスストアで水を買う人は毎年少しずつ増加している」、「別のアンケートでは公共の水飲み場や水道の水を飲まないという人の割合が7割を超えた」という3つのデータがある場合、これらを前提として「飲料用水は今後も売れ続ける」という推論を導き出すことができるでしょう。

このようにマーケティングやアンケートの結果を重視し、論理展開を行うのが帰納法です。前提に普遍的事実があるかないかよりも、観察した結果から導き出される納得感を重視するため、一定以上のサンプルや事例の量があれば帰納法は効果的といえるでしょう。

これに対して演繹法は、前提となる原理原則に関する正確な知識が必要です。そのため、新商品やサービスの開発時に効果的といえるかもしれません。新しい商品やサービスを開発するためには、その素となる知識や技術が必要で、いくら商品やサービスが画期的であっても、知識や技術を当てはめることができなければ商品として成立しえないでしょう。また、物事を戦略的に考えたり、組織構成を立案したりといった場合にも演繹法が適していると考えられます。

つまり、それまでの実績をもとに次の戦略を決定し、利益(結論)につなげるという流れです。失敗が許されない責任重大な立場におかれるほど、演繹法を使うシーンが増えてくるでしょう。

営業やマーケティングなど数多くのサンプルから傾向を導き出すときは帰納法を、事業方針や戦略立案など過去の実績の上に次の展開を積み重ねるときは演繹法を使うなど、状況に合わせて使い分けていきましょう。

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