社会人になってから、大学院に入りたいという人が増えています。彼らはなぜ大学院を志すのでしょうか?社会人が大学院に行くメリットと特徴についてまとめました。
社会に出てから再度学ぶ人が増えている
社会人としての経験を通じて、再度学びたいと考えている人が増えています。研究職に就いたことで、専門知識について基礎から学んでいきたいと考える者。知見を広げるために、勉強したいと志す者と、彼らが大学院への扉を開きたがる理由はさまざまですが、社会人を経験したことで、より勉学の重要性に気づいたというところに共通点があります。
大学側も社会人に対して門戸を広げています。各大学では社会人を受け入れるための環境を用意しているところが少なくありません。社会経験を持った人と、現役学生が交わることにより、社会と交わる橋渡し的な要素になると考えている節もあるようです。
こうした動きには国でも積極的に支援する方向をとっています。高度人材養成のための社会人学び直し大学院プログラムという制度をつくり、専用のポータルサイトを運営しています。
社会人が大学院に入学するメリット
では、社会人が大学院に入学するメリットとは何なのでしょうか?まとめました。
・上位の学位が取得できる
大学を出たときに得られる学位に対し、大学院を卒業すれば修士号の取得が可能です。また、さらに博士課程を修了すれば、博士号を得られます。このような学位は、再就職や転職のときに有利になってきます。また論文発表時の実績証明としても大きくかかわってくる項目です。
・専門的知識が手に入る
専門分野の勉強は自分で一からやろうとすると大変ですが、講義を通じて聞けば勉強するためのコツが分かりやすくなります。専門知識に秀でた教授から直接教わることができるのも大きなメリットでしょう。
・専門分野以外の能力も身につく
専門知識以外にも、さまざまな能力を身につけることができます。第一に、研究や資料作成のときに求められる論理的思考力。漠然とした結論や過程を考えるだけではなく、きちんと道筋を立てて結論まで導ける能力が求められます。
次に、文章作成能力。論文やレポートを執筆していく中で、文章力も向上していきます。そして、プレゼンテーション能力。研究成果を発表する中で、専門分野の人や一般者に向けて、分かりやすく研究成果の要点を説明する必要があります。
最後に英語力。大学院にもなれば、国際発表の場も多くなるので、英語でプレゼンテーションをする必要が出てきます。質疑応答では、英語での質問に英語で答えるという高度なやりとりを求められるため、必然的に英語力が上達していきます。
・会社ではなかなか出会えない人脈がある
会社ではなかなか出会えない人脈に会えるのが、大学院の特徴。専門分野で一定以上の評価を得ている教授たちと直に話し合える機会はなかなかありません。
また、学会や国際シンポジウムなどでは、その分野で成果を出している学者や研究者、国際的に高い評価を得ている者とも出会えます。高いレベルでの話を聞くことができるのも大きいです。
更に、同じく社会人から大学院へと入学した者とは、同じ境遇だということを認識し合いつつ、向上心の高い生徒とともに切磋琢磨して勉学に励むことができます。現役学生の若くてフレッシュな感性を取り入れながら、研究に打ち込むことも可能です。
大学院の社会人入試の特徴
・選考試験について
大学により異なりますが、現役学生よりも少ない科目で受験できる傾向が高いです。小論文と面接のみというところもあります。受験要綱をよく読むようにしましょう。
・受験資格について
大学卒業生を対象にしている場合が多いですが、社会人向けカリキュラムを公開している大学院では、その限りではありません。受験資格審査を事前に受け、それに合格していることが条件になります。
・出願書類について
入学願書は必須です。その他は、これも各大学院の受験要綱を読んでから準備しておく必要があります。ほとんどのところで必須となるのが、成績証明書と卒業証明書。出身大学にかけあって、早めに用意してもらうようにしましょう。また、志望理由書、研究計画書、推薦状などが別途いる場合もあります。
まとめ
社会人が大学院に入学すれば、新たな学位を取得できるほか、専門知識やそれ以外の分野の能力を見つけることができます。実際に、入学を考えている方は、各大学院で受験するための条件や、受験項目などをよく確認してみてください。
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