東京の芝浦とお台場をつなぐ「レインボーブリッジ」、正式名称「東京港連絡橋」は1993年8月26日に開通しました。それにちなみ、8月26日は「レインボーブリッジの日」に制定されています。人気ドラマシリーズの映画版「踊る大捜査線 THE MOVIE 2」劇中、織田裕二さん演じる青島刑事こと青島俊作の名セリフ「レインボーブリッジ、封鎖できません!」で一躍注目を浴びたこのレインボーブリッジ。実は意外な事実が隠されていたのです。
レインボーブリッジ、実は封鎖しまくり!?
首都高速と臨港道路、そして新交通システム・ゆりかもめが並走している鉄道道路併用橋であるレインボーブリッジ。所轄が複数にまたがっているため、映画では封鎖できない場所として描かれていました。しかしとあるバラエティー番組で警察関係者に取材したところ、「要人警護など相応の理由が認められる場合、警察の判断で封鎖可能」との答えが。実際、過去にも花火大会やイベントの開催でレインボーブリッジが封鎖されたこともあったのです。
脚本家が語る「聞かなかったことにした」裏話
実は、同作品の脚本を担当した脚本家・映画監督の君塚良一さんは、事前取材の時点でレインボーブリッジを封鎖することが難しくないことを知りながらも、演出的に“簡単に封鎖できないほうが良い”と判断し、「聞かなかったことにした」のだとか。いざ撮影に入ると、今度は本物のレインボーブリッジでの撮影許可が下りず、当時工事中だった京都の京滋バイパス久御山ジャンクションで映画は撮影されたのだそう。そんな背景は微塵も感じさせないくらい、私たちに鮮烈な印象を残す名シーンです。
切っても切れない関係“お台場”の意外な歴史
レインボーブリッジといえば、東京の人気スポット・お台場。お台場の「台」は大砲の砲台に由来していて、砲台を備えた陣地のことをかつて「お台場」と言ったそう。江戸時代以降、徐々に埋め立てられていたこの土地は、ペリーの黒船来航の際に江戸幕府が約75万人を使って建設させた防衛拠点の名残なのです。軍事施設として建設された「お台場」でしたが、実戦には使われることのないまま放置されました。当時、第六台場まであった砲台設置予定の場所は2カ所が残存しており、公園となって砲台のレプリカが置いてあります。また、お台場と呼ばれる場所は北海道の五稜郭などにもあり、砲台があった全国にも同じ名前の地域があるのです。
昼とは違う顔……夜にきらめく魅惑のデートスポット
東京湾に浮かぶ全長798メートルの吊り橋、レインボーブリッジ。昼間はもちろん、まばゆい光に映し出される夜も見どころです。ライトアップに使われているのは、橋梁では世界初となる3色のイルミネーション。色の組み合わせを変化させることで、多彩なライティングパターンが可能となりました。通常時の白っぽい照明とは異なり、年末年始にはまるで虹のように輝く美しいライトアップを見せてくれます。これを目当てに訪れるカップルも多く、デートスポットとしても親しまれています。「オリンピック東京招致祈願・決定ライトアップ」や、10月1日に合わせて「ピンクリボン運動」をイメージしたピンク色の特別ライトアップなど、イベントに合わせた特別ライティングもたびたび行っています。もしかしたら5年後の2020年には「東京オリンピック開催記念ライトアップ」が行われるかもしれませんね。
(文:津田聖治)