まるで大家族!一軒家オフィスで実現した、バランスの取れた食生活と運動、活発な社内コミュニケーション
株式会社ウィルフォワード
まるで大家族!一軒家オフィスで実現した、バランスの取れた食生活と運動、活発な社内コミュニケーション
株式会社ウィルフォワード目黒駅から歩くこと15分。住宅街の一角にある3階建ての一軒家がウィルフォワードのオフィスだ。昼どきになるとキッチンから漂ういい香り。大きなテーブルを囲んで、ランチの時間が始まった。「いただきます!」
マーケティングやリクルーティングを得意とするコンサルタント会社のウィルフォワードが掲げるコーポレートビジョンは「世界をひとつの家族にする」。それを体現したような一軒家をオフィスとして構えたのは2014年のことだ。「理念やビジョンを共有していれば、場所はどこでもかまわないと思っていたんです」と代表取締役の成瀬拓也さん。2011年創業時はノマドワークを推奨し、カフェやシェアスペースを転々としてミーティングを行っていたが、やがて拠点の必要性を感じるようになった。コミュニケーションコストを考え、オフィスを構えることにした。
当初は駅前にオフィスがあり、外食に不便はなかった。しかし、食事のたびに外食することに次第に効率の悪さを感じるようになったという。ホットプレートや炊飯器を持ち込んだり、鍋を作ったり……キッチン設備のないオフィスで成瀬さん自身が食事を振る舞うようになった。「学生時代に栄養学を専攻していたので料理の基本は知っていました。陸上部で汗を流す典型的な体育会系だったので寮生活でしたし、後輩にご飯を食べさせることがDNAに染み付いているのかもしれません」と成瀬さんは笑う。
社員数も増え、既存の場所が手狭になってきたため、新たなオフィスを検討することになった。数多の物件を比較しているうち、元不動産業界でトップセールスだった、コミュニティファシリテーターの平松佑介さんが声を上げた。「これはもはやオフィス選びじゃない。『住まい』選びなんだ!」
見つけたのは2階のリビングに大きく陽が射し込む一軒家。3階まで吹き抜けになっていて、広々としたキッチンもある。
「賛否の声があったことは事実。うちは出社義務がなく、リモートワークの社員もいるため、『さすがにここまで駅から遠いと、誰も来なくなるのは?』という不安もありました。けれどもこの場所が居心地のいい空間なら、たとえ利便性は悪くても、人が集まるんじゃないかと思ったんです」と成瀬さんは話す。
その目論みは的中した。閑静な住宅街とあってオフィスの周囲に飲食店が少なく、外食は時間的にもコスト的にもメリットがなかった。その代わりすぐ近くのスーパーで食材を調達して自炊するには効率的だった。平日はほぼ毎日有志が食事を作り、同じテーブルを囲んでいる。材料費はすべて会社持ち。料理が趣味の成瀬さんがメインシェフだ。栄養学の知識をフル活用した食事を求めて、以前よりも出社して作業する社員が増えた。
「もともと、つい仕事をやりすぎてしまうくらいの社員ばかり。以前なら、作業をしているうちに食べるのを忘れてしまったり、近くの牛丼屋でどんぶりをかき込んだり、コンビニ弁当で済ませるような人が多かったんです。このオフィスに来てからは、ちょうど良い時間になると、成瀬が『ご飯いる人ー?』と聞いてくれるので、健康的な食生活を送っています」と平松さんは語る。
社員全員が集まるのは、月曜日の夕食と木曜日の朝食。お互いが取り組んでいるプロジェクトについて共有する「シナジーご飯」、当番制で活力の出る食事を作る「パワーモーニング」と、それぞれコンセプトを決めてコミュニケーションを図る場にしている。
食事をともにするのは社員に限らない。パートナー企業や友人、知人や家族など、広く門戸を開けている。チーフディレクターの田中健人さんは「取引先が取り組みに興味を持ってくれて、こんなに駅から遠いのに来社してくださるんですよ。打ち合わせのついでに一緒に食事をしたり、ホームパーティに足を運んでくれたり、取引先との信頼関係も強くなります」と話す。飲食店での会食も減り、結果的に会社の交際費のコストダウンにも繋がっているという。
新オフィスに来てから活発化したのがフィットネス活動だ。成瀬さんは市民ランナーとしても本格的に活動していて、2015年の東京マラソンで2時間40分台を記録するほど。会社としてもランニングなど業務時間中のフィットネス活動を認めている。もともと住宅だったこともあって、オフィスにはウォークインクローゼットもシャワールームも完備。「自分も参加したい」とランニングをはじめる社員が増えた。「仕事で脳ばかりを使っていると、頭と身体のバランスが取れず、疲労感も強くなります。しっかり身体を動かすことでバランスが取れ、作業効率も上がるんです」と成瀬さんは話す。「ランミーティング」と称して、ランニングをしながら打ち合わせをする習慣も生まれた。
ウィルフォワードの組織は役職を作らないフラット型だが、食卓を囲むことでよりフラットなものとなり、アルバイトやインターンでも気軽に代表や先輩社員と会話できるような雰囲気が生まれている。「掲げている理念やビジョンなどを見ると、ともすれば成瀬は『カリスマ』的に見られがち。けれどもこうしてテーブルを囲み、ましてや成瀬が作った料理を食べるからこそ、『成瀬さん』って呼べるような距離感が生まれるのかなと思うんですよね」と平松さんは笑う。
規則正しい時間に、栄養バランスの取れた食事。顔と顔を向かい合わせて、様々なことを語り合う。どんなに根を詰めて働いていても、食事の時間はリラックスできる。ウィルフォワードの日常はまさに家族のようだ。
細野 真悟 氏
もちろん食生活が改善されることは直接的なウェルネスですが、この取り組みはそれだけではありません。同社では、社員同士が激しく議論することもありますが、食事を共にするとそれが一旦リセットされ、緩衝材の役割に。また、「食が進んでないな」「なんか今日、顔色悪いな」など、家族のように社員の不調を事前に察知できます。直接的な健康だけでなく、雰囲気の醸成、不調の予防といった点でも効果を発揮している取り組みです。
※ 本ページの情報は全て表彰式当時の情報となります。
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株式会社ウィルフォワード
成瀬 拓也 さん
社内で「こうしたらいいね」と自然発生的に開始した取り組みを評価していただいたことが嬉しいです。世の中の問題解決をするための事業なのに、長時間労働など企業が原因で問題が生まれる場合もあるため、働く人のウェルネスは企業にとって最低限の条件と捉えることが大事なのかなと思っています。まずは私たちが「どうあるべきか」をシンプルに追求し、他企業のヒントになればと願っています。