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新入社員もインターンも社長も……フラットに語りあえる“魔法のBar”が、キャリア社員の社内融和とコミュニケーションを促進する

Retty株式会社
取り組みの概要
隔週金曜日夜に2、3時間程度、直近で入社したキャリア採用社員をホスト役に据え、オフィス内のバースペースでの立食パーティを開催
取り組みを始めたきっかけ
直近1年で社員数が約2倍となり、「交流会」形式では行き届かない部分が出てきた。また会社としての一体感を醸成したいという問題意識があった
取り組みを運用する秘訣
社内のオープンスペースで開催するため、「業務の合間の30分だけ」など柔軟な参加が可能。また企画運営のパッケージ化でオペレーションも容易に
よかったこと
相互理解が深まり、部署を超えたコミュニケーションが活発化。モチベーションや企画力のアップ、サービス改善にも繋がった

企業ミッションを体現する新たな試み「Retty Happy Bar」

Retty Happy Barに集う社員

隔週金曜日だけオープンする「Retty Happy Bar」。社員だけでなくアルバイトやOBなどにも開かれたその場では、バーカウンターを囲んで会話の輪が広がる。入社したばかりのキャリア社員もたちまち馴染める“魔法のBar”だ。

新入社員を中心にホスト役を務める立食パーティ

口コミグルメ情報サービスを展開するRettyは、昨年「ランチ自転車」の取り組みで中途入社後の活躍促進部門 部門賞を受賞した。その取り組みは今も継続し、さらにグレードアップした「ランチタクシー」(※社員1名につき月1回を上限にタクシー代を会社が負担し、ランチができる)制度も始まっている。企業のミッションである「食を通じて世界中の人々をHappyに」を体現する新たな取り組みとして、2015年8月からスタートしたのが「Retty Happy Bar」だ。

隔週金曜日20時から2、3時間程度、入社間もないキャリア採用社員などをホスト役に据え、社内のバースペースで立食パーティを開催。常時2~30名ほどが入れかわり立ちかわり訪れるイベントとなるが、入社間もない社員でも安心して、ホスト役に徹することができるのにはワケがある。運営事務局が準備段階から企画をサポートし、食事の手配やドリンクの発注などはすべてパッケージ化しているからだ。また準備課程から部署外の社員とも関わることになるため、多元的に社内コミュニケーションを深めることができる。

Barをきっかけにユーザー目線のデザイン開発も……スピーディに進む社内融和

女性社員ふたりで主催した「スナック祐(ゆう)」、同じ地方出身者で主催した回など、毎回テーマはホスト役によって変わっていく。また全社員とインターン、OBなど今までにRettyに関わったことのある全ての人が参加しているFacebookのグループでイベントの告知を行うため流動的な集まりとなり、新たな出会いと発見が生まれる場となる。社内のオープンスペースを活用しているため、忙しい社員でも「仕事の合間に30分だけ顔を出す」というふうに気軽に参加できるのだ。

2014年キャリア入社のデザイナー近藤雄亮さんは、何を隠そうプロのミュージシャンとして活動していた経歴の持ち主。「ホスト役を務めたとき、事務局がPVをモニターに流してくれたんです。気恥ずかしかったですけど、それまで社内のチャットツールでしかやり取りしていなかった社員が話しかけてきたり、音楽話で盛りあがったりして、その後部署外の人とも話しやすくなりましたね」と笑う。実際にこの場で意気投合した社員同士で、アプリUIの新デザイン制作に取り組んだという。「実際に店舗のお客さまと接している営業担当の社員と話すことで、課題意識を共有し、サービスの仕様変更や改善にもつながりました」

2015年8月入社の採用・広報担当柳川裕美さんはRettyが3社目。社内に打ち解けるスピードはこれまでの会社と比べて圧倒的に早いと話す。「最初の挨拶まわりだけでは、相手が普段どんな仕事をされているのか、よくわからないままに終わってしまう。仕事柄、相手を深く理解していないとは始まりませんから、『Retty Happy Bar』で踏み込んだ話もできて、さらに詳しく話をしたい場合は『ランチタクシー』を活用することで、コミュニケーションを深めていくことができます」

近藤さんが開催したBar。みんなでプロモーションビデオを見て盛り上がる

食を通じてのコミュニケーションが相互理解を深める

増え続ける社員数……会社の一体感を醸成するために

「企業としてのフェーズが変化してきた」と話すのは、CFOと新卒採用責任者を兼任する奥田健太さん。2015年1月には27名だった正社員数は60名となり、アルバイトやインターンも含めると120名ほどの大所帯に。急激に社員数が増え、これまでの交流促進策だけでは行き届かない部分が出てきた。「より会社としての一体感を醸成していかなくてはという課題意識がありました」

2015年3月末に現在のオフィスに移転した際、設置したのがフリースペースの一画にある円形状のバーカウンター。この場を拠点に社員交流や社外交流を推進することにしたのだ。まずは月に1回クローズドの社外交流会「いいごはんの会」を開催。ケータリングやドリンク手配などノウハウが定着したところで8月から「Retty Happy Bar」を開始した。

「『ランチ自転車』や『ランチタクシー』は深くコミュニケーションがとれる一方で、1回で交流できる人数が限られてしまうのも事実。その前段階で、まず相互理解を深めるきっかけづくりが必要でした」。また、社内イベントを企画することでマーケティング力が養われ、企画力アップにつながり、それぞれの業務にも活かされている。

バーカウンターを囲んで会話の輪が広がる

アルバイト自ら新企画を立ち上げ!

副次的な効果も表れている。アルバイト社員が自主的に派生イベントを企画。「午後のひととき」と称し、昼間の30分間、無作為に選んだ10名前後の社員を集め、ケーキを食べながら語らうお茶会を始めた。時短勤務や子育て中の社員など、夜間開催の「Retty Happy Bar」に参加しづらい社員のニーズを汲んだものだ。

社員、アルバイトなど雇用形態を問わず、もちろん社長も、あるいはRettyを卒業した人でさえ、フラットに食事を囲む「Retty Happy Bar」。そこで生まれたコミュニケーションとモチベーションが、Rettyの推進力となっている。

バーカウンターを囲んで会話の輪が広がる

受賞者コメント

武田 和也 さん

昨年度の「ランチ自転車」に続き、今回も「Retty Happy Bar」を高く評価していただいたことに、大変ありがたく感じています。社員数が増え、企業としてフェーズが変わっていくなかで、また新たな取り組みが次々に生まれています。次回以降も評価していただけるよう、社員一丸となって取り組んでいきたいと思います。

審査員コメント

細野 真悟

このような形の交流会は参加してもらう社員の方々にどこまで主体的に、かつ負荷をかけすぎず続けていけるかが難しい。入社したばかりの方に企画も準備も任せてしまうと負荷が大きく、一方で事務局が全部お膳立てしてしまうと形骸化してしまい、盛り上がらずに終わってしまいがちです。本取り組みは、そのバランスが絶妙に設計されていると感じました。

※ 本ページの情報は全て表彰式当時の情報となります。

第2回(2015年度)の受賞取り組み