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沖縄の方言「しまくとぅば」消滅の危機……伝統文化を守る県民の意識改革

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photo by Yusuke Umezawa https://flic.kr/p/e3YfA2

 

「しまくとぅば」という言葉をご存知だろうか。これは、沖縄の島々で受け継がれてきた島言葉(方言)のことで、組踊(歌舞劇)や琉球舞踊など沖縄の伝統文化の基層となっている。しかし「しまくとぅば」は年々衰退の一途をたどっており、消滅の危機に瀕している。なぜこのような危機的状況に陥ってしまったのだろうか。

  

若者の方言離れが加速

 沖縄県では戦後、「標準語励行運動」が実施されたことで、伝統的な言葉の衰退が加速した。さらに「しまくとぅば」衰退の大きな要因と言われているのが、近年の核家族化。若者は年配の人と接する機会が減り、「しまくとぅば」を話すことはおろか、聞くことも少なくなっているのだという。

 

2013年に沖縄県がおこなった「しまくとぅば県民意識調査」によると、県民の8割の人々が「しまくとぅば」に親しみを感じている一方、「日常的によく話している」県民は全体で3割程度。なかでも10代〜40代の県民では5%にも達していないというのだ。

 

また、「しまくとぅばでの会話内容を理解できるか」についても同様で、「よくわかる」と答えた人は40代で13.1%、50代では36.9%と、わずか10歳ほどの差にもかかわらず、「しまくとぅば」の認識に大きな差があることが顕著だ。

 

「方言は大事」「しまくとぅばで話せるようになりたい」と沖縄の若者から声が挙がるものの、「共通語を使うことが多く、方言を使う機会はない」「県外からの移住者もいるため、(理解されにくい)方言は使いづらい」と現実を訴える声もある。

  

しまくとぅば」の消滅=沖縄文化の衰退へ

 40代以下の「しまくとぅば」離れは非常に深刻な状態で、世代交代が進むにつれて、「しまくとぅば」が消滅することも危惧されている。

 

もしも「しまくとぅば」が消滅したならば、沖縄の伝統文化である琉球舞踊などの衰退にもつながるのではないか、また県民の郷土愛も失われてしまうのではないかとの懸念もある。

  

918日をしまくとぅばの日」に制定

 こうした危機的状況のなか、沖縄県は2006年に「しまくとぅば」を奨励することを目的に、9月18日を「しまくとぅばの日」に制定。2013年には「しまくとぅば」普及推進計画を策定し、行政や県議会、文化団体、民間企業、教育機関が参加する「しまくとぅば」県民大会を開催している。

 

ほかにも県では「しまくとぅば」をひろく伝える取り組みとして、テーマソングやカレンダーを作成して身近に感じてもらえるようにPRしたり、行事では「しまくとぅば」でのあいさつを積極的に実施したりしている。

 

教育機関では、小中学校の子どもたちが学校行事や道徳の時間などで「しまくとぅば」に触れられるように工夫し、高校では国語の授業などで学ぶ機会をつくっている。また、民間企業では商品名などに「しまくとぅば」の使用を積極的に考えるなど、普及を心がけているそうだ。

 

まさに、県全体が一丸となって立ち上がり、「しまくとぅば」の次世代への継承に尽力しているのだ。

 

文/chan-rie