「共感力」を持っている人の特徴とは?高めるための“3つの方法”

「先輩には、もうちょっと共感してもらえると思ってました…。残念です…」
「上司なんですから、部下の気持ちにもう少し共感して欲しいんですが…」

上記のような言葉をかけられて、ハッとした経験がある方も多いのではないでしょうか?これまで自然に共感できていると思っていたのに、実はできていなかった…。この事実を突きつけられてしまっては、ショックを受けますよね。

改めて、そもそも共感力とはどんな力なのか?「共感力」を高めるためにはどうすればいいのか?について考えたいと思います。

今回は『損する気づかい 得する気づかい』(ダイヤモンド社刊)の著者である八嶋まなぶさんに、「共感力を高める方法」について伺いました。

共感力を発揮して、話を聴いている様子

プロフィール

八嶋まなぶ(やしま・まなぶ)

サラリーマン作家。「気づかいLabo」主宰。広告業界の第一線で営業職として勤務するサラリーマン作家。東証一部上場企業の経営者、世界的企業のCEO、政治家、医師、弁護士、大物俳優・女優、クリエイター……など、総勢3500名を超える「鬼のように気をつかう」クライアントと仕事をともにし、その過程で気づかいやダンドリといった対人スキルを磨く。その結果、「業界平均3割で上々」と言われる競合プレゼンにおいて、勝率は7割超をキープ。近年では口コミでクライアントから「直接指名」で仕事を獲得するようになる。そうした経験を通し、「そつなく気をつかい、うまいことやっていく人」と、「気はやさしいのに、よかれと思ったことが裏目に出る人」には決定的な共通点があることを実感。「空気を読む」「あうんの呼吸」といった概念を、極めて具体的なアクションに起こし、紹介する活動を開始。プライベートレッスンでは「コミュニケーションが苦手だった人が無理なく人と話せるようになる」「新卒の大学生が飛び込み営業のエースになる」など、実績を残している

こんにちは、八嶋まなぶです。今回は「共感力」について、解説したいと思います。

インターネット全盛の現代。そんなデジタル時代だからこそ、デジタルでは割り切れないアナログの「気づかい」に悩まされる人が増えています。「共感」はまさにその1つ。デジタルに割り切れない感情に寄り添う、その方法について説明していきたいと思います。

共感力を持っている人の特徴とは?

・普段のコミュニケーションにおいて、なんとなく伝わっていない気がする。
・同じことを言っているのに、同じ職場のAさんの方がうまく周りを巻き込んで仕事を円滑に進めている。
・上司から『正論ばかりで配慮が足りない』と叱られた。

上記のような経験のある方もいると思います。そんな方はもしかすると「共感力」が足りていないのかもしれません。

「共感」を国語辞典で調べると、「他人の意見や感情などにそのとおりだと感じること」と書いてあります。つまり共感力とは、相手の気持ちに寄り添うことと言えます。もしあなたが「共感力が不足している」と思うなら、“気持ちに寄り添う”というスタンスではなく、相手の気持ちに踏み込んで変にアドバイスし過ぎているのかもしれません。

例えば、私が考える「共感力を持っている人」の特徴としては以下のようなことがあります。

【共感力を持っている人の特徴】

・相手が7割、自分が3割の配分で会話をする

・相手の話を頭ごなしに否定しない

・求められない限り、こちらからアドバイスしない

つまり、自分ではなく相手が主役。自分の意見を話し過ぎてしまっては「他人の意見や感情などにそのとおりだと感じる」ことはできません。まずは「変にアドバイスせず、相手の話をまずはじっくり聞く」ということを意識してみましょう。

とはいえ、「相手の話をじっくり聞けば、“共感できている”ということになるか」というと当然そういうことではありません。

会話は相手との情報のプレゼント交換とも言えます。相手の話をよく聞くのが基本スタンスでも、一方的に話を聞き続けるのはかえって相手に失礼というもの。プレゼントを「もらいっぱなしの状態」です。ときには相手に会話のプレゼントをお返ししなくては、無礼となってしまいます。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

共感力をアップさせる3つの方法

共感力を持っている人の特徴を紹介しましたが、これを踏まえて、実際にどのように共感力をアップさせればいいのか、その方法を3つ紹介します。どれも簡単ですぐに使える方法なので、ぜひあなたの生活に取り入れてみてください。

共感力をアップする方法1:「主語」を入れ替えて観察する

人は誰でも自分の話をしたい生き物です。共感力を上げるために、相手を主役にして会話すると言われても、無意識のうちに「自分が主役」の話をしてしまうものです。だからこそ「主語」を入れ替えて観察する工夫をしてみましょう。たとえばこんな感じです。

・「相手は、なぜこの話題を選んだのだろう?」

・「相手は、今、どんな気持ちなんだろう?」

・「相手は、なぜそれを私に話しているのだろう?」

主語を自分から相手に入れ替えて、話を観察するだけで相手に寄り添う姿勢が自ずと身についていきます。「あなたの気持ちが知りたい」というあたたかい目で、主語を入れ替えてみてください。

共感力をアップする方法2:話しを聞くときは「繰り返し」を使う

安心感を持って、相手に話をしてもらうためには、相手が7割・自分が3割の配分で会話をすることが有効です。そのために心理学者やカウンセラーが使う「バックトラッキング」という方法を使ってみましょう。やり方は簡単で、相手が話したことを「繰り返す」だけ。たとえばこんな感じです。

・相手:「最近、残業がきつくて」 ⇒ 自分:「残業がきついんだ」

・相手:「プレゼンが通って嬉しかった」 ⇒ 自分:「嬉しかったんですね~」

・相手:「面白い話があってね」 ⇒ 自分:「面白い話なんだ」

相手が話したことを繰り返すだけで、面白いように相手が言いたいことを中心に会話を進めることができるようになります。深刻な相談事の場合でも大丈夫です。人は誰かに相談する際には、実は心の中で自分の答えを見つけているものです。であれば変にアドバイスばかりせず、繰り返しを使って、相手の言いたいことを「うんうん」と聞いてあげる方が、相手と深いコミュニケーションができるものです。

共感力をアップする方法3:「ひょっとしたら」を付け加える

とはいえ、相手の話を一方的に聞くだけでなく、あなたの意見をいう必要もあります。そんなときに使えるのが「ひょっとしたら」を付け加えるという方法です。

主語を相手に入れ替え、話を聞きながら相手を観察していると「ひょっとしたらこの人は〇〇と考えているのかもしれない」という疑問が出てきます。それに対して意見すればよいのです。

・(疑問があるとき)「ひょっとしたら××に困っていない?」

・(ちょっとした意見の言い方)「ひょっとしたら××が役立つかも」

などという感じです。この「ひょっとしたら」という意見が一致すると、「自分のことを理解してくれる」と相手は想い、あなたに対しての好感度がぐんと高まりますので、ぜひ使ってみてください。

【チェックポイント】

・相手が7割、自分が3割の配分で話す

・相手の話を否定しない

・「主語」を入れ替えて観察する

・「繰り返し」を使う

・「ひょっとしたら」を付け加える

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共感力は、訓練で高められる~まとめ~

いかがでしたでしょうか?共感力を持っている人は、相手の話をきちんと聞いている人です。その意味では、「傾聴力」を持っている人は高い共感力を持っている人と言うことができるかもしれません。ただし、聞いてばかりではなく、自分から話をすることも大切です。

今回紹介した3つの方法をぜひ実践し、「共感力」によってより良い人間関係を築かれることを願っております。

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参考図書

『損する気づかい 得する気づかい』

著者:八嶋まなぶ

出版社: ダイヤモンド社

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