共感しておけば気持ちがよい! 単純なわりに効果の高い「オウム返し」の上手な使い方

オウム返し

こんにちは。ココロ社です。

今回のテーマは、ビジネスでもプライベートでも、もちろんビジネスとプライベートの区別があいまいになっている人でも使える「オウム返し」です。

たかがオウム返しと見くびるなかれ。とくに下記のような人におすすめです。

・意味のある返事をしないと失礼だと考えてしまう人
→ オウム返しは、「含蓄があるが、否定的な返事」に勝ります。

・会話において、自分ならではの意見を言うべきだと考えてしまう人
→ ひとしきりオウム返しをして共感を示してからの方が、「自分ならではの意見」も聞いてもらいやすくなります。

・相づちが下手な人
→ 相づちというものを難しく考えすぎて、上手く相づちが打てない人に「オウム返し」はおすすめ。下手に考えるよりも、楽で効果が高いです。

人はみな、共感されたい生き物である

よく「男の会話は結論が重要、女の会話は共感が重要」と言う人がいますが、そういう人に「それは聞き捨てなりませんね。男も女もいろいろな人がいます。ざっくりした言い方は不適切なので今から議論しませんか?」などと返したら、嫌な顔をされるはずです。

一方で、「たしかに男の会話は結論が重要、女の会話は共感が重要ですよね~」と返せば、気持ちよく満足されるはず。属性に関係なく、共感しておくに越したことはないのです。

* *

ということで、オウム返しを利用した共感の形を、単純なものから3つ見ていきましょう。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

A. そのまんまのオウム返しでも切り抜けられるパターン

【例】
「企画書に、データとかそういう根拠なく、売れますとか書いてあってさぁ……」
「根拠なく、売れますと書いてあったんですか……」

共感の中で一番簡単なのが、相手の言ったことをそのまま返すオウム返し。比喩のもとになっているオウムが愛されていることからもわかるように、そのまま返すだけでも、言わないよりずいぶん印象がよくなりますす。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

B. オウム返しと気づかれないようなオウム返しパターン

【例】
「企画書に、データとかそういう根拠なく、売れますとか書いてあってさぁ……」
「売れる根拠となるデータがあってこその企画書ですよね」

一見すると自分の考えを返しているようですが、相手がダメであると定義したものの反対の内容を言っただけで、新しい情報を含んでいるわけではありません。

この返しがよい感じに聞こえるのは、まず、言葉をそのまま返しているのではないため、心から言っているという印象を与えること。また、話を前向きにまとめているという点でも印象がよくなります。

C. 実はまったくオウム返しになっていないのに気持ちよいパターン

【例】
「企画書に、データとかそういう根拠なく、売れますとか書いてあってさぁ……」
「ですよね。根拠なく、売れますと書かれても困りますよね。この企画をやりたいという強い意志みたいなものが感じられれば、根拠が多少不足していてもいいかなと思いますが」

あまり同意できない内容のことを言われたときに、さすがに正反対のことを返すとツッコミを頂戴してしまいますが、最初にオウム返しを挟んでから自説を展開しておくと、ただ「違います」などと返したときと比較して、受け入れてもらえる度合いは格段に高まります。

オウム返しには有形無形の効果がある

3つのパターンを見てきましたが、これをもとにオウム返しの効果についてまとめてみます。

オウム返しは未来への貯金である

たとえ「いい天気だね」「いい天気ですね」のやりとりでも、毎日重ねていけば信頼感が醸成されてきます。天気どころではない話、たとえば絶対に決裁を取らなければいけない案件が出てきたとき、それまでの信頼感の貯金が功を奏すことになります。

「いい天気だと返してくれたから決裁するか」とは思わないまでも、他の人にしているアラ探しを回避できるなどの効能が期待できます。

反論しなければならないときに枕詞として使える

パターンCと正反対のケースを考えます。人と会話するときに「いや」「違います」など、否定から始める人がいますが、聞く耳を持ってないような印象がしますし、お人柄が疑われてしまいます。

反論したいときにこそ「おっしゃる通りですよね、ちなみに~」という話法を用いて、話し相手の心理的抵抗を和らげる必要があるのです。

* *

自分自身がオウム返しされているだけで気持ちよくなってしまうことに気づくと愕然としてしまいますが、お互い気持ちよくないよりも気持ちよい方がいいので、じゃんじゃんオウム返しをしてハッピーな気持ちになっていきたいところですね。

著者:ココロ社 (id:kokorosha)

ココロ社 (id:kokorosha)

大阪生まれ。東大文学部卒業後、テレビゲーム製作を経て平凡な窓際サラリーマンとなる。傍らで珍妙なブログ「ココロ社」を運営。書籍の執筆もしており、著書に『マイナス思考法講座』(阪急コミュニケーションズ)『モテる小説』(阪急コミュニケーションズ)『忍耐力養成ドリル』(技術評論社)など。好きな犬はヨークシャテリア。

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