新入社員なら誰しもが「ビジネス敬語が覚えるべきことがいっぱいあって大変!」という悩みを抱いているかもしれません。20代後半や30代の方でも「ビジネス敬語を自分の言葉として完璧に使いこなせる自信がある!」という方は少ないのではないでしょうか?こういったお悩みをお持ちの場合、大切なことは日常的に使用する敬語を一覧表にしてスキマ時間に眺めるようにすることです。後半にビジネス敬語早見表がありますので、お悩み解決のためにぜひご活用ください。
まずは覚えておきたい基本的なビジネス用語
敬語には大きく分けて謙譲語、丁寧語、尊敬語があります。謙譲語とは自分がへりくだることで相対的に相手を高める言葉、丁寧語とは聞き手に対し丁寧に伝えるための言葉、尊敬語とは相手を立てる言葉です。この3つの分類は多くの方がご存知でしょう。これをさらに細かく分類することもできます。たとえば尊敬語にも2種類あり、「いらっしゃる」や「召し上がる」のように言葉そのものが変わる言い回しと「お聞きになる」、「ご理解いただく」のように動詞の前後を装飾する言い回しがあります。
この「お」、「ご」は接頭語と呼ばれます。たとえば「お知らせ」、「ご説明」というように用いますが、これに対して「ご知らせ」、「お説明」というと違和感がありますよね。一般的に和語(訓読み)には「お」を使用して漢語(音読み)には「ご」をつけると言われています。そして基本的に接頭語は自分の言葉には用いません。自分が質問しようというときに「ご質問があります!」と伝えてしまうのは間違いです。ただし、相手に何らかの影響を及ぼす場合には例外的に接頭語を用いることもあります。「(皆様に)ご連絡します」、「(上司に)ご報告します」は正しい用法です。「お」や「ご」をつけてもいいのかと悩んだときには、「~を差し上げる」という言葉を続けて文章として成立するかをみると良いと言われています。「質問を差し上げる」とは言わないのに対して、「ご連絡を差し上げる」とは言いますよね。注意すべきなのが、当然ながらすべての言葉に「お」や「ご」を付ければ良いというわけではないということです。
ビジネスシーンでよく使われる敬語
ビジネスの場で用いる可能性が高いにもかかわらず、多くの人が間違えている敬語があります。「ご苦労様です」、「了解しました」、「どうしましょうか」、これらはすべて間違いです!「ご苦労様です」は部下をねぎらう言葉なので、上司や先輩に対しては「お疲れ様です」という言葉をかけるようにしましょう。「了解しました」も同様に目下の人に対して用いる言葉です。「かしこまりました」と伝えるようにしてください。「どうしましょうか」は謙譲語でも尊敬語でもありません。正しくは「いかがしましょうか?」です。
敬語早見表
重要な言葉を敬語早見表としました。繰り返し確認して、自分の言葉として使いこなしてください。
わたし、ぼく→わたくし
わたしたち→わたくしども
相手の会社→御社、貴社
自分の会社→弊社、当社
また、次の言葉は尊敬語、謙譲語別にまとめました。
する→(尊敬語)なさる、される(謙譲語)させていただく
言う→(尊敬語)おっしゃる、言われる(謙譲語)申し上げる
行く→(尊敬語)いらっしゃる、おいでになる(謙譲語)うかがう
来る→(尊敬語)いらっしゃる、おいでになる、見える(謙譲語)参る
知る→(尊敬語)お知りになる、ご存じだ(謙譲語)存じる、承知する
食べる→(尊敬語)召し上がる、おあがりになる(謙譲語)いただく、頂戴する
いる→(尊敬語)いらっしゃる、おいでになる(謙譲語)おる
見る→(尊敬語)ご覧になる(謙譲語)拝見する
聞く→(尊敬語)お聞きになる(謙譲語)拝聴する、うかがう
座る→(尊敬語)お掛けになる(謙譲語)お座りする
会う→(尊敬語)お会いになる、会われる(謙譲語)お目にかかる
伝える→(尊敬語)お伝えになる(謙譲語)申し伝える
わかる→(尊敬語)おわかりになる、ご理解いただく(謙譲語)かしこまる、承知する
読む→(尊敬語)お読みになる(謙譲語)拝読する
与える→(尊敬語)くださる(謙譲語)いただく、頂戴する
受け取る→(尊敬語)お受け取りになる(謙譲語)賜る、頂戴する、拝受する
利用する→(尊敬語)ご利用になる(謙譲語)利用させていただく
思う→(尊敬語)お思いになる、おぼし召す(謙譲語)存じ上げる、拝察する
買う→(尊敬語)お買いになる、お求めになる(謙譲語)買わせていただく
考える→(尊敬語)お考えになる、ご高察なさる(謙譲語)拝察する、愚考する
待つ→(尊敬語)お待ちになる、お待ちくださる(謙譲語)お待ちする
帰る→(尊敬語)お帰りになる、帰られる(謙譲語)おいとまする
日常的に使う言葉だからこそ、日頃から練習することができます。なかなか覚えきることは大変ですが、一度身に着けてしまえば忘れることはありません。頑張って覚えましょう。上司や先輩から信頼してもらえれば出世できる可能性が高くなります。つまり、1分の積み重ねが自分の人生を変えてくれるかもしれないのです。