夫婦円満のコツとは?
あるアンケート調査によると、20~30代の夫婦に「円満のコツ」を聞いたところ、最も多かった回答は「夫婦が対等であること」だったそうです。これには年代の特徴、時代の変化というものがよく現れていることがわかります。その証拠に、他の年代の夫婦に同じ質問をすると「思いやりをもつこと」「会話・コミュニケーションをとること」といった回答が多数を占めるということがあります。
一昔前であれば、夫は外で働いて給料をもらい、妻は家で家事や育児をするのが当たり前の時代でした。でも、それはもう過去の話。現在は、女性の社会進出が活発化するに伴い、産休は取るけど育休は取らないという女性も増えていると言われています。「仕事も育児も両方大事にしたい!」というスタンスをとる妻が多いため、夫の協力も不可欠となります。
必然的に共働き夫婦が増えるので、以前のように夫は会社で仕事だけをしていればよいというわけにはいきません。全て夫婦2人で分担――家事も育児も稼ぎも夫婦で分担し、夫婦は対等である、というのが若い夫婦にとって円満の秘訣なのです。
給料が減っている&上がらない現実
女性の社会進出に加えて、もう1つ、夫婦が協力して稼ぎを分担しなければならない社会的背景があります。それは、「昔と比べて一人あたりの所得が減っている&上がらない」という、あまりうれしくない現実です。
厚生労働省の調査によると、約20年前と比べて、もらえる給料は15%ほど落ち込んでいるのだそうです。単純計算すると、以前は35歳で月30万円の給料を得ていたのに対し、現在では月25.5万円しかもらえない計算になります。具体的な数字にしてみると、この差は決して小さくないものだということがわかりますよね。
ここ数十年、日本社会全体で景気の停滞が続いていたため、個人単位で生産性を上げても、なかなか給料があがりませんでした。家庭を支えるためには、夫だけでなく妻も外に稼ぎにいかなければいけない、という事情があったわけです。
こう考えると、「夫婦円満の秘訣は対等であること」と答える若い夫婦は、現代の世知辛い経済状況に合わせて、たくましく、そして柔軟に生き方をシフトさせていると言えるかもしれませんね。
年上夫婦の円満の秘訣から学ぼう!
最後に、「亀の甲より年の功(年長者の豊富な経験は貴重で、尊重すべき)」ということわざにならって、夫婦歴が長い方たちの「円満の秘訣」からもしっかり学ばせていただくことにしましょう!
一つ屋根の下で暮らしていれば、夫婦喧嘩になることも少なからずあるもの。でも、「夫は今、仕事が大変なときで精神的に追い詰められているのかもしれない」とか「妻は体調が悪そうだから、今日の家事は全部やっておいてあげよう」など、お互いに思いやることができればつまらない喧嘩は起こりませんよね。
また、自分が置かれている状況や、率直な気持ちを伝えあえる関係を保っておくことも重要です。何でも2人で話し合って、コミュニケーションを密に取り合えれば、気持ちのボタンの掛け違いで起こる喧嘩を防ぐことができるといいます。
もちろん、して欲しいことを何でもかんでもただ言うだけでは、ただの甘えになり、相手に無理を強いてしまいます。「こうしてくれると自分はうれしい」、「こうされると自分は困る」といったように、感情を素直に伝えるアサーションを心がけるとよいでしょう。