見城徹氏が贈る!仕事に熱狂するための言葉

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『たった一人の熱狂 仕事と人生に効く51の言葉』(双葉社)の著者 見城徹という人物は尋常な人ではない。この一冊に込められた熱い言葉に触れれば、その想いを強くすることだろう。今までの実績もさることながら、価値観が突き抜けていて、哲学の域に到達しているように感じられる。そんな普遍的な真実に刺さった51の言葉は、多くの読者の心を揺さぶるものだ。

本書は堀江貴文氏とサーバーエージェントの藤田晋社長が始めたサービスの「755」で、著者である見城氏がユーザーと真剣に向き合って語られた内容を土台に再構成されたものである。著者が繰り広げる人生問答は「見城徹の千本ノック道場」と呼ばれ、「奇跡のSNS」とも言われたそうだ。一読すれば、その理由も頷けるに違いない。著者の魂からの言葉が、見事に綴られているからである。その仕事観は凄まじいとも言えるもので、まるで人生の全てを仕事に捧げることで、人生に意味を持たせようとしているかのように感じられる。

著者の見城氏を尊敬する人は多いのではないか。その言葉を味わって読んでいくと、一つ一つの言葉に迫力と重みがあり、自分の行動および人生を変えていくための道しるべとなることに気付くだろう。本書は企業経営者や出版業界の方はさることながら、一段上のビジネスパーソンを目指す全ての方にとって、芯の太い心構えを持つために最適の書だ。一人でも多くの人がこの本に触れて、込められたメッセージを咀嚼し、より高みを目指す支えになればと願う。(大賀康史)

仕事に熱狂する

なぜ仕事に熱狂するのか

著者が仕事に熱狂する理由は、死の虚しさを紛らわせるためなのだという。人は誰もが、死を背負って生き、生から死への道は一方通行である。著者が7~8歳の頃、近所のおばさんが突然亡くなり、「自分の命には限りがあるのだ」と気付き、虚しくて一日中泣いた。

人が生まれてから、死という終着地点までの間に、不公平や不平等などの個人差が表れる。死という絶対的な存在の前の生の虚しさを紛らわせるために、著者は常に何かに入れ込んできたのである。生の虚しさを紛らわせるのは、「仕事」、「恋愛」、「友情」、「家族」、「金」、と人によっては「宗教」の6つしかないだろう。もしも、宝くじで20億円が当たったとしても、仕事をすぐにリタイアするなど問題外だ。余計に死への一方通行を歩む虚しさに苛まれることが明白だからである。

8、9年前、GMOインターネットの熊谷氏は消費者金融を買収後、法律の変更のせいで、一瞬にして会社が債務超過の危機に陥った。その当時、熊谷氏は著者に、仕事を辞めてハワイで悠々自適に暮らすか、私財を投じて再チャレンジするか、どちらが良いか尋ねたのだが、著者は即答した。そして、熊谷氏は170億円もの全私財を投入し、辛く険しい戦場へと飛び込んだ。

仕事は辛く苦しいものだが、対世界の関わりを失った生き方の方が、よっぽど苦しいのではないか。だからこそ、スリリングでエキサイティングで、ワクワクする仕事をしていたいと著者は考えている。

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AID/a.collectionRF/Thinkstock

結果が出ない努力に意味はない

著者は仕事に関しては、「成功」という結果が出ない努力に意味はない、と言い切っている。何かの成功を「運がいいですね」という人もいるが、「おかげさまで運がいいんですよ」と返しながら、自分の血の滲むような努力を思い、心の中で舌打ちをしている。成果の裏には、人の100倍の努力があるのだ。

圧倒的努力とは、無理や不可能に立ち向かい、人があきらめても自分だけは苦難を極める努力を続けることだ。辛さで連日悪夢にうなされることもある。「憂鬱でなければ、仕事じゃない」。毎日辛くて憂鬱な仕事であってこそ、挑戦しているということだ。

著者が初めて石原慎太郎氏に会いに行ったとき、石原氏の著作の『太陽の季節』と『処刑の部屋』を目の前で全文暗誦してみせた。石原氏はそこで共に仕事をすることを約束したのである。このような圧倒的な努力はできるかできないか、ではない。やるかやらないかの勝負なのだ。

売れない本に価値はない

著者には新入社員として入った廣済堂出版を辞め、文芸の編集者を志し、角川書店でアルバイトを始めたという経緯がある。そこで見込まれて、社員採用の話と希望部署を聞かれ、迷わず文芸誌の「野生時代」を選んだ。

次々と作家にアタックして、今まで角川書店で扱えなかった作家の原稿を「野生時代」に載せていき、最盛期は「野生時代」の原稿の8割を担当していた。「野生時代」はベストセラーや直木賞、芥川賞を生み出す雑誌に変貌を遂げていった。

よく出版社では売れなかったけどいい本、という表現がなされがちだが、そのような言い訳は一切行うべきではない。株で儲けろという本や、ヘアヌード写真集が売れることもある。これらは大衆の中でくすぶる欲望の奥深くに突き刺さっているからこそ、多くの読者に支持されるのである。大衆は愚かではない。数字を出すコンテンツは優れているのだと肝に銘じるべきである。

圧倒的結果を出す

一撃必殺のキラーカードをつかめ

「どうしたらキラーカードを持てますか」と755で質問されることがある。最強のカードを簡単に入手できると考えるのは大間違いだ。キラーカードを握るためには、人の何倍、何十倍という苦しい努力を重ねなければならない。

有名人や芸能人と仲良くなるにはどうしたらいいか、という質問もよくされるが、これも簡単なことだと考えるのは誤りである。君の価値を決めるのは君ではなく、相手なのであり、仕事で結果を出し続けられれば、おのずと周りから近付いてくるものだ。

天性のものであれ、努力の結果であれ、美人の周りには大勢の男性が集まる。美しさはその人の価値だ。著者のキラーカードは、「本を出せる」というただ1枚だった。努力を重ね、キラーカードが10枚になれば、多くの人が自然に集まってくるものだ。

小さなことこそ真心込めろ

仕事ができない人間には、小さなことや片隅の人を大事にしない、という共通点がある。ビジネスの世界で数多くの人との関わりが必要であれば、他者への想像力を働かせなければならない。以前、ある起業家にホテルのロビーで声をかけられ、名刺交換をしたが、その部下からのメールがあっただけで、当の本人からはその後何の連絡もなかった。ずいぶん失礼な人だと呆れたものだ。一方で、爆発的な成功者は神経が細かく、小さなことを大切にし続けている。

人との約束には絶対遅刻をしないよう心がけることだ。遅刻のような癖は簡単に直せるのに、人を待たせる人は、自分が初歩的なところでつまずいているという事実に気付くべきだ。

小さな仕事に対しても、疎かにしてはいけない。著者は新人編集者の頃、作家からの原稿をコピーする仕事をしていた。その際に、一部余分にコピーをして、自分だったらこう直すと、編集の秘密トレーニングをしていたのだという。小さなことを大切にすれば、人生は大きく変わっていくのである。

安目を売るな。やせ我慢しろ

任侠の世界の言葉、「安目を売らない」とは、下手に出る必要のない場面でへりくだり、相手に借りを作り、相手を優位に立たせてしまうことを言う。755で「さだまさしさんに755をやってくれと頼んでもらえませんか」と軽いノリで頼んでくるユーザーがいたが、「安目は売りません」とだけ返信した。さだまさし氏が755をやりたいとは思っていないだろうから、無理にお願いすると借りを作ることになる。

貸しは作っても借りは作らないことが信条だ。「孫をなんとかして××幼稚園に合格させたい」「息子を希望する一流会社に入れたい」という無理難題をかなえてあげてこそ、相手が喜ぶ結果が出る。

つまらないことを人に頼まず、人の重要な頼みは全力で引き受けることが、「安目を売らない」ということだ。そうしてこそ、こちらが本当に窮地に陥っているときに相手のキラーカードを切ってもらえるのである。

スランプに浸かれ

著者は寝る前にその日の言動、行動を振り返り、ベッドの中で何時間も悶々と過ごす。出版の世界では、出す本のすべてがヒット作になるのではない。中には初版部数を見誤り、返品在庫を多数抱える失敗をすることもある。そのような、大きな失敗をして簡単には立ち直れないダメージを負った時には、無理して気分を切り替えない方が良い。

ではスランプに陥ったときにはどうするべきか。スランプをごまかさず、徹底的に落ち込み自分と向き合うのである。2週間も落ち込めば、吹っ切れる時が来る。スランプにどっぷり浸ったあとに、勢い良く飛び出すのだ。

大きな失敗は一時的な自信の喪失を引き起こす。が、そこで自分を直視し、新たな努力に踏み出していく。圧倒的努力に基づく結果を出していくにつれ、まわりの世界を動かし、業界における評価が定まり、さらには伝説の人になっていくのである。

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Jochen Schönfeld/iStock/Thinkstock

【必読ポイント!】切なさを抱えて生きる

金が全てだ

755では「金が全てですか」という質問もある。ハッキリ言って、「金が全てだ」。人生という大きな視点では、数字で全てをあらわすことはできない。一方で、数学は正解が一つだ。ビジネスは数学と似て、成功を証明する回答はたった一つ、数字である。

出版業界では、何万部本が売れたのか、利益がいくらになったのか、という結果にこだわるべきなのである。司馬遼太郎の『坂の上の雲』に描かれる明治時代の日本では、苦学して立身出世することが善と考えられていた。しかし、今の日本で「金儲けは善である」というとバッシングの対象となってしまう。でも自分は金のためだけに働かないと言ったところで、言い訳でしかない。

大金は、心身から血を吹き出しながら戦い、勝利して初めて得られるもので、その想像ができない人に文句を言う資格はない。利益を出してこそ、社会貢献ができ、愛する人を幸せにできるのである。

騙されても騙すな

「近いうち、メシでも食いましょうね」と気軽に言い、約束を守らない人が多い。しかし、そのような小さな約束を守ることは大切だ。すぐ手帳をめくって予定を空けるのである。

幻冬舎が経験したピンチの一つは、09年に発覚した9億円もの巨額横領事件だ。ある時、国税庁から問題の指摘があった。全てを任せていた社内経理担当局長に内容を尋ねると、突然その男が土下座をして事実が明らかになった。01年8月から09年3月もの長期にかけて、総額9億2620万円もの大金を横領していたのである。出版社は取次会社に商品を出荷して委託販売をするものだが、その売掛金が架空計上されていた。

信頼していた人間からの裏切りで、頭の中が真っ白になった。方便としてのウソが必要なときもあるが、人を騙すウソはいけない。結局、その経理担当局長は刑務所に入ることになった。

幸せの定義

今失敗して落ち込んでいても、それはすべてプロセスであり、最後の勝負は死ぬときにどう思うかだ。死ぬ時に「俺は自ら望んでこういう人生を送ってきた。一人で死んでいくことに何ら悔いはない」と言えれば、幸せなのである。

ビジネスで成功したセレブであったとしても、最後に「ああ、俺の人生はさんざんだったな」という思いを抱くようでは虚しいものだ。有名かどうか、金持ちかどうか、という尺度で測れる訳ではなく、唯一の尺度は自分が満足しているかだ。

「君がなんとなく生きた今日は、昨日死んで行った人たちがどうしても生きたかった大切な明日だ」というアメリカ先住民の言葉がある。今日は死から最も遠い日で、時間がたてば死に少しずつ近づいていく。圧倒的な存在である死から現在を見れば、今自分がやるべきことが鮮明に見える。今この瞬間を熱狂して過ごし、熱狂の軌跡を刻んでいくのだ。そして、積み上げた小石が山と聳え立った時、「俺の人生は幸せだった」と微笑んで死んで行くことができる。

今回紹介した本

『たった一人の熱狂 仕事と人生に効く51の言葉』

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著者: 見城 徹
定価:1,404 円
単行本: 240 ページ
出版社:双葉社(2015/3/22)

著者情報

見城 徹(けんじょう・とおる)

1950年12月29日静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。静岡県立清水南高等学校を卒業し、慶應義塾大学法学部に進学。大学卒業後、廣済堂出版に入社。自身で企画した初めての『公文式算数の秘密』が38万部のベストセラー。75年、角川書店に入社。『野性時代』副編集長を経て、『月刊カドカワ』編集長に。『月刊カドカワ』時代には部数を30倍に伸ばす。400万部を超えた森村誠一の『人間の証明』や5本の直木賞作品をはじめ数々のヒット作を生み出し、41歳にして取締役編集部長に。93年、角川書店を退社。幻冬舎を設立。設立後、五木寛之『大河の一滴』、石原慎太郎『弟』、唐沢寿明『ふたり』、郷ひろみ『ダディ』、天童荒太『永遠の仔』、村上龍『13歳のハローワーク』、劇団ひとり『陰日向に咲く』、長谷部誠『心を整える』、渡辺和子『置かれた場所で咲きなさい』など21年間で21冊ものミリオンセラーを世に送り出す。著書に『編集者という病い』『異端者の快楽』。藤田晋との共著に『憂鬱でなければ、仕事じゃない』『絶望しきって死ぬために、今を熱狂して生きろ』などがある。

※本記事は、本の要約サイトflierより転載しております。

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