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今月のデータが語る エンジニア給与知っ得WAVE! Vol.21 夏のボーナス、支給額平均は66.7万円
景気は順調に回復。前期決算で過去最高益を達成する企業が増えているなど、夏のボーナスにも増額傾向がうかがえる。Tech総研でもエンジニア500人を対象に、夏のボーナス支給額を調査。平均額は66.7万円。さて、その満足度やいかに?
(取材・文/広重隆樹 総研スタッフ/宮みゆき イラスト/Onsel BEHICH)作成日:04.08.04
電気・電子・機械系が、ソフト・ネットワーク系を10万円上回る
 Tech総研が2004年7月にエンジニア500人を対象に行った今回のアンケートによると、夏のボーナス平均額は66.7万円(税込み)。昨夏実績に比べると10.43%=6.3万円増えた。
ちなみに昨年よりも「増えた」とする人が58%、「変わらない」が21%、「減った」が20%だった。(データ1)

データ1 「増えた」が半数以上と、景況復活の明るい兆し!
データ1
 職種を、「ソフトウェア・ネットワーク」「電気・電子・機械」に二分すると、前者が62.8万円(昨年より9.9%増)、後者が72.2万円(同じく10.9%増)となっている。電気・電子・機械が上回っているのは、これらの業界でデジタルカメラや薄型テレビ、自動車、工作機械などの受注が好調なこと、いわゆるデジタル景気の恩恵といえそうだ。
電気・電子・機械系メーカーに限ってデータを見ると、「増えた」と回答しているのが64%と、他業種に比べると多い数字となっている。もちろん、全業種にわたるシステム投資が回復し、電子政府やe-ビジネスの拡大などIT系企業の業績も回復しており、ソフトウェア・ネットワーク系の職種にもその果実はもたらされている。(データ2)
データ2  デジタル家電景気の影響か!? 「電気・電子・機械」職種が大幅増額
データ3
※夏のボーナス額分布図
 
正しく評価されないことへの不満
 もちろんボーナスは多いに越したことはない。しかし、業界や個々の企業ごとの景況にはバラツキがあり、そのうえボーナスは個人業績を反映する部分もあるから、その額についての「満足度」は人によって異なってくるのが当然だ。それを表すのがデータ3である。

データ3  支給額に満足度の高い「電気・電子・機械」職種
データ3
 その満足度の理由を自由回答から拾ってみると、興味深い傾向がうかがわれる。  まずは「不満派」から。個人ではいかんともしがたい会社業績に悔しい思いをしているという声が多い。たとえボーナスに個人業績を加味する場合でも、「自分はこんなに頑張ったのに正当に評価されていない」という評価制度に対する不満も少なくない。

■夏のボーナス額に不満派の声
「会社全体の業績は悪くないのに、連結決算を導入した結果、親会社の業績悪化でボーナスが大幅に減額された」 (システム開発・29歳・40万円台)
「せっかく頑張ったのにほかのプロジェクトのせいで、会社全体の業績が悪化し、支給額も少なくなった」 (システム開発・35歳・30万円台)
「個人評価がそれぞれの達成度を基準にしているため、すでに難易度の高い仕事を行っている者は高い評価を受けにくく、その反対に難易度の低い仕事の人は高い評価を受けるという制度なので不満がある」 (システム開発・34歳・30万円台)
転職を機に大幅アップしたエンジニアも
 むろん、好業績業界や企業への転職がボーナスアップにつながったことを素直に喜ぶエンジニアたち「満足派」も少なくない。Tech総研の調査で、「今回のボーナス金額で、最も影響を与えたのは何か」という回答を見てみると、景気回復、業績回復の実感を感じる人が半数近くを占めた。(データ4)
データ4 景気回復、業績回復を実感するエンジニアたち
データ4
■増額に満足派の声
「会社の業績が好調で、昨年冬よりも大幅にアップし、前職のときと比較すると約2.5倍になったため」 (半導体設計・33歳・100万円以上)
「以前所属していたSIベンダーよりもはるかに多い」 (教育システム運用・28歳・70万円台)
「転職してきてからまだ1年未満だが、それを考えると、評価内容としては満足できるものだった」 (システム開発・31歳・60万円台)
「昨年までは給与削減をしていた。今年はそれが戻ったし、周囲との比較でも多く支給されているので」 (機械・機構設計・36歳・80万円台)

 会社の業績であれ、個人の業績であれ、それがきちんと評価・算定され、ボーナスに加味されているのであれば、たとえ額は少なくとも満足度は高くなる。満足度の根幹にあるのはやはり「正当評価」であろう。日本企業のボーナスは、年功型を廃止し、より業績連動型、個人成果型を強めようとしているが、ただ、今はまだ過渡期だ。そこにおける評価のギャップがさまざまな反応を生んでいる、ということはいえそうだ。全体的には企業の業績回復で支給額にも明るい兆しが見えてきたようだ。
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