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エンジニア給与WAVE! Vol.46平均額は70万円を突破!エンジニア2005年夏のボーナス実態


自動車、鉄鋼などの好景気を反映してか、今年夏のボーナスは前期・前々期を上回って好調。Tech総研が2005年7月に実施したエンジニア500人を対象にした恒例のボーナス・アンケートでも、支給額はアップ!それにともなって満足度も向上しているが……
(取材・文/広重隆樹 総研スタッフ/宮みゆき イラスト/kucci(クッチー) 撮影/加納拓也) 作成日:05.08.10
2年前より2割、昨年よりも8%のアップ
 エンジニアのボーナス実感値を示す今回のアンケート。今夏のボーナス額(税込み)の全体平均72.7万円は、昨年同時期の調査による 67.0万円を8%も上回っている。一昨年同期の調査が60.4万円だったから、2年前に比べると、2割以上の上昇幅である。景気や企業業績はまだら模様で、必ずしも絶好調といえる業種・企業ばかりではないが、やはり日本経済は全体に踊り場を脱して上昇局面に向かっているという印象を与える。

 ちなみに日本経団連が7月に発表した大手企業の今年夏のボーナス交渉妥結額(最終集計)は、加重平均が85万9097円。昨夏と比べて3.63%増で、2年連続で過去最高額を更新したということだった。経団連調査の平均額が高いのは、Tech総研が行った集計対象者の所属企業規模に格差があるためと推定されるが、いずれにしてもボーナス額が連続して上昇基調にあることは変わらない。
ハード系依然好調だが、ソフト系との格差は縮まる
 今回のアンケート結果をエンジニアの職種別に見てみるとどうなるだろう。
 ソフトウェア・ネットワーク関連職種が69.4万円(対前年度比9.9%アップ)、ハードウェア関連職種が76.1万円(同7.1%アップ)とハード系がソフト系を上回るのは昨夏と同様だが、ハード系とソフト系の格差は昨年よりも縮まっている。

 さらに詳しく職種細目でソフト系、ハード系のそれぞれベスト5を選び出すと、ソフト系は、社内情報システム、MIS(78.9万円)・コンサルタント、アナリスト、プリセールス(78.8万円)・システム開発──Web・オープン系(73.4万円)・通信インフラ設計・構築──キャリア・ISP系(73.0万円)・ネットワーク設計・構築──LAN・Web系(71.0万円)となる。

 ハード系は、セールスエンジニア、FAE(109.4万円)・研究、特許、テクニカルマーケティング(98.9万円)・生産技術、プロセス開発(91.1万円)・半導体設計(82.2万円)・回路・システム設計(70.5万円)となった。(DATA1)
DATA1 職種別に見たボーナス支給額平均
職種分野
職種
ボーナス平均額
ソフトウェア・ネットワーク系 コンサルタント、アナリスト、プリセールス 78.8万円
システム開発(Web・オープン系) 73.4万円
システム開発(マイコン・ファームウェア・制御系) 56.7万円
システム開発(汎用機系) 68.3万円
ネットワーク設計・構築(LAN・Web系) 71.0万円
パッケージソフト・ミドルウェア開発 61.6万円
運用、監視、テクニカルサポート、保守 63.2万円
研究、特許、テクニカルマーケティング、品質管理 67.9万円
社内情報システム、MIS 78.9万円
通信インフラ設計・構築(キャリア・ISP系) 73.0万円
ソフトウェア・ネットワーク系職種平均 69.4万円
ハードウェア系 サービスエンジニア 60.8万円
セールスエンジニア、FAE 109.4万円
回路・システム設計 70.5万円
機械・機構設計、金型設計 68.9万円
研究、特許、テクニカルマーケティングほか 98.9万円
光学技術 65.5万円
制御設計 63.9万円
生産技術、プロセス開発 91.1万円
半導体設計 82.2万円
品質管理、製品評価、品質保証、生産管理 69.3万円
ハードウェア系職種平均 76.1万円
25〜39歳のソフトネットワーク系職種250人、ハードウェア系250人、計500人に調査
評価基準で影響大なのは、会社全体の業績か個人の業績か
 かつて日本企業のボーナスは基本的には業界の景況、企業規模、企業業績、組合交渉力などによって決定される傾向があったが、この数年はそうした条件以上に、個人業績の評価・査定を踏まえた個人格差が広がっているとされる。成果主義型の給与体系の導入が進んでいることがその背景にある。月額給与にあからさまな差はつけにくいので、ボーナスで大きく差をつけて、個人の業績にこたえたい(あるいは奮起を促したい)という企業も増えている。

 今回のアンケート対象者も、「会社に成果主義による評価制度が導入されている」とこたえる人は全体の8割近くにのぼる。「今年の夏のボーナス金額の評価基準で最も影響があったと思われる項目は?」という質問にも、「個人の業績・成果」が28%と高い数値を示した。「仕事内容」「職務遂行能力」など、年功主義に対して広く成果主義的評価項目と思われるものを足すと、それらは全体の42%にまで達し、「会社の業績」(48%)と拮抗する。(DATA2)

DATA2 会社の業績に拮抗する
       個人業績による評価

DATA2 会社の業績に拮抗する個人業績による評価
 この場合の「個人」は、あくまでも部門、部課、チームなど組織における個人のパフォーマンスを意味する。所属組織の業績評価が個人評価にも影響しているとみるべきだ。会社全体の業績がよければ当然、ボーナス全体のパイの大きさは増大する。年功序列ではなく、個人やチームの成果評価を踏まえて、よりメリハリを利かせた配分をする傾向がますます強まっていることがわかる。
満足派と不満派が拮抗。成果主義との折り合いをどうつけるか
 もちろんその成果主義的なボーナス配分システムと、個々人の満足度はまた別物だ。
 今年の夏のボーナスへの満足度は全体としては、「非常に満足」「まあまあ満足」を合わせると37%、「普通」が27%、「やや不満」「かなり不満」の合計が36%となり、「満足派」と「不満派」が同率で並ぶ形になった。昨年同期のアンケートと比べても、「満足派」が10ポイントアップ、「不満派」が12ポイントダウンと、明らかに全体の満足度は向上している。

  「非常に満足」と答えた人の理由は、もちろん「大幅に増額したから」というものが多く、なかには「会社の業績はそれほどよくないが、上場大手の平均より多かった」など、なんらかの対象との比較のうえで相対評価をしているケースもある。また、額の多寡以上に、「一番高い評価をしてもらい、現在のシステムの中で払えるだけの最高額を払ってもらった」「仕事上で、上司から高い評価を受けた。同僚よりも数万円多い」など個人の業績・能力への正当な評価を受けたことを満足の理由に挙げる人も少なくない。

DATA3 夏のボーナス額への満足度高し

DATA3 夏のボーナス額への満足度高し
 それを裏返すように、「かなり不満」の理由としては、「自分は最大限に仕事をこなしたが、所属している部署の業績が最悪だったために巻き込まれる羽目になった」「カンパニーごとに金額が違うが、業績の悪いカンパニーにいるため、低めになった」「担当プロジェクトは黒字なのに会社業績が悪く昨年よりダウンしたから」など、個人やチームの業績が正しく評価されず、より大きな組織の業績に左右されることへの不満が目立つ。この正当評価への不満は、むしろボーナスの絶対額の少なさへの不満以上に、より根深いものといえる。

 好業績を反映してボーナスをはずむ企業では、全体の支給額が増えることで、こうした正当評価への不満については、当座は沈静化するだろう。しかし、ひとたび業績が悪化した場合には、その潜在的不満が再び噴出しかねず、それが転職の引き金になることさえある。個人の業績評価とボーナスの関係は、いわば永遠の矛盾をはらんだものといえそうだ。
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  宮みゆき(総研スタッフ)からのメッセージ  
宮みゆき(総研スタッフ)からのメッセージ
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みなさんの夏のボーナスは満足のいく金額でしたか?全体的には支給額平均が昨年を上回っているようですが、同時に成果主義による個人格差も徐々に広がってきているようです。上司が自分の仕事を評価してくれるのを待つだけでなく、自らの評価を上げるための戦術、今後もみなさんと一緒に考えていきたいと思います。
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