広める?深める?…あなたが目指したいのはどっちだ

自分に合った「キャリアアップ」2つの登り方

「キャリアアップしたい」と考えるのは、ビジネスパーソンとして当然のこと。しかし、どんなふうにキャリアアップしたいのか、は明確になっているだろうか。そこで、いま一度「キャリアアップ」とは何かを整理し、本当の意味での成長を実現するための方法について考えてみよう。身につけるべきスキルがわかれば、“なりたい自分”にぐっと近づけるはずだ。

2012年4月25日

キャリアアップについて考える

漠然と使う「キャリアアップ」という言葉が成長を妨げる!?

自分自身が進みたいキャリアの方向性によって、どのスキルを、どのレベルまで磨くかは異なる。漠然と「キャリアアップ」という言葉を使ってしまうことで、目指すべき方向性が曖昧になってしまい、とるべき行動がわかりにくくなってはいないだろうか。そうならないためにどうすべきかを考えることが、本当の意味でキャリアアップを実現する近道といえるかもしれない。そのために、まずはキャリアアップという言葉について整理する必要がありそうだ。

キャリアアップの2方向――「深める型」と「広げる型」

上記の図は、営業職の場合を例に、キャリアアップについての考え方をまとめたものだ。
営業職に限らず、仕事をするうえではいろいろなスキルを身につけておく必要がある。さらに、それぞれのスキルに対して求められるレベルはさまざま。そうしたスキルをどのように高めながら、なりたい自分に近づくのかを考えるのが、「キャリアアップ」ということに他ならない。
キャリアアップには、実は2つの方向性がある。図の中の上向きの矢印が「深める型」、そして右向きの矢印が「広げる型」だ。

【「深める型」のキャリアアップとは…】
特定のスキルレベルを高めていくことに力を注ぐキャリアアップのこと。
営業職のケースで例えれば、「ものを売る」という一つのスキルを究めるために、あらゆる業界の、あらゆる商品を売れるようになるための知識・スキルを身につけること。

【「広げる型」のキャリアアップとは…】
スキルのバリエーションを広げることに注力したキャリアアップのこと。
同じく営業職で例えれば、「ものを売るだけではなく、クライアントニーズを捉える力を活かして商品企画もできるようになる」など。

どうキャリアアップしていきたいのかを漠然と考える前に、まずはキャリアアップにはこの2つの方向性があることを理解しておこう。
そのうえで、「自分が目指したいのはどちらの型か」を知っておくことが大事だ。目指すべき方向がわかれば、目的地も設定しやすい。「自分が望むキャリアアップを実現するためには、どんなスキルを身につければいいのか」が明確になり、一歩が踏み出しやすくなる。さらに、今の職場で実現可能なのか、それとも異動や転職などで環境を変える必要があるのか、今後のキャリアステップを考える参考にもなるはず。「成長したいとは思うが、何をどうしたらいいかわからない」「努力が実を結んでいない」「焦ってしまって自分を見失いがち」…そんな“キャリアアップの呪縛”とは、これでもうオサラバだ。

気をつけたいのは、キャリアアップを実現するための前提として、仕事をするうえで「最低限身につけておくべきスキル」は、“一人前レベル”でなければならないということを理解しておこう。その「前提のスキル」がきちんと身についた状態で、「自分は何をどのように伸ばしていきたいのか」を考えていく。それこそが、キャリアアップについて考えることだというのを忘れないようにしたい。

モデルケースを参考に、キャリアアップの実現の仕方を考えてみよう

プログラマーからキャリアを「深める」場合
【例1】プログラミングのプロフェッショナルを目指す

プログラミング技術のみをひたすら磨き、ありとあらゆるプログラミング言語・開発環境に対応できるようなスキルを磨く。

<具体的なキャリアアップのための手段の例>
●「プログラミング技術者能力認定試験」に合格する
●Java、C++やVBなどのプログラミング言語を覚える
●サーバやデータベース、OSなどの知識を学び、対応可能な分野を増やす

プログラマーからキャリアを「広げる」場合
【例2】SEを目指す

もう少し上流を目指し、プログラミングだけでなく「システム設計」にも関われるようなスキルを習得する。また、顧客対応もできるように、コミュニケーション能力を磨く。

<具体的なキャリアアップのための手段の例>
●言語やサーバ、インフラの理解を深め、顧客状況に合わせた提案ができるようになる
●「基本情報技術者試験」や「ソフトウェア開発技術者試験」などに合格する
●伝わりやすい仕様書・設計書が書けるようになる

プログラマーからキャリアを「広げる」場合
【例3】プロジェクトマネージャー(PM)を目指す

プロジェクト全体を統括するプロジェクトマネージャー(PM)になる。全体をまとめる立場として、スケジュール管理や進捗状況の把握、クライアントとの交渉力などを磨く。

<具体的なキャリアアップのための手段の例>
●進捗管理(納期・費用・人員)とリスク管理のスキルを身につける
●クライアントとの交渉力を身につける
●プロジェクトメンバーをまとめるためのマネジメント能力を磨く

プログラマーからキャリアを「広げる」場合
【例4】ITコンサルタントを目指す

顧客のニーズに合わせて、最適なシステム・ネットワーク環境を提供するためのコンサルタントになる。顧客の業務内容について理解しておかなければコンサルティング業務ができないため、システム知識に加えて、幅広い業務知識を磨く必要がある。


<具体的なキャリアアップのための手段の例>
●顧客の課題を見つけ出すためのビジネス環境分析力、事業視点を身につける
●顧客に提案するためのプレゼンテーション力を磨く

自分に合ったキャリアアップの方法を探してみよう

ビジネスパーソンにとって、「キャリアアップしたい」という気持ちは何にも代え難い大切なモチベーションだ。だからこそ、その気持ちを上手に利用し、自分自身を高めるためのエネルギーにしていくことが大事。まずは、自分の志向について知っておくこと。そうすれば、より効率よく次の行動に移すことができるはずだ。今すべきことが明確になれば、うじうじと悩む時間も減るし、もやもやした焦りもなくなり、気持ちがすっきりするはず。明日に少しでも成長できているよう、自分に合ったキャリアアップの方法を見つけてみよう。

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「リクナビNEXTスカウト」に登録することで、思わぬ企業やリクナビNEXT転職エージェントからスカウトが届くことがある。これまでに知らなかった企業について知るきっかけになるだけでなく、あなたが魅力を感じるような、思わぬ企業との出会いにつながるかもしれない。興味を持った企業があれば、その業界の将来性や、活かせるスキルについて研究してみよう。今後のキャリアを考えるヒントが、そこに見つかるはずだ。

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EDIT&WRITING
志村 江

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