Ｔｅｃｈ総研では、22歳〜35歳のエンジニア1000人を対象に2013年冬のボーナス支給額に関する調査を行った。調査対象はソフト・通信ネットワークなどのソフト系エンジニア（以下、ソフト系）500人、電気・電子・機械・素材などのハード系エンジニア（以下、ハード系）500人。全体の平均支給額は59.2万円で、調査対象者の昨年ボーナス額と比較してみると平均で4.3万円増という結果になった。

　職種別に見ても、「光学技術（57.8 万円／0.4万円減）」以外は、昨年冬のボーナス額と比較して増額している。昨年比で5万円以上増加しているのは、ソフト系では「コンサルタント、アナリスト、プリセールス（74.3万円／10.1万円増）」、「ネットワーク設計・構築（LAN・Web系）（83.4万円／8.7万円増）」、「研究、特許、テクニカルマーケティング、品質管理（71.2万円／6.5万円増）」、ハード系では「半導体設計（51.9万円／6.7万円増）」。（DATA1）

全 体 20代 30代 昨年比較 ソフト系 コンサルタント、アナリスト、プリセールス 74.3 万円 30.0 万円 80.6 万円 10.1 万円 システム開発（Web・オープン系） 56.1 万円 44.0 万円 60.2 万円 5.1 万円 システム開発（汎用機系） 53.1 万円 35.9 万円 63.4 万円 3.9 万円 システム開発（マイコン・ファームウェア・制御系） 54.0 万円 45.4 万円 57.5 万円 6.4 万円 パッケージソフト・ミドルウェア開発 42.5 万円 40.5 万円 42.9 万円 4.8 万円 ネットワーク設計・構築（LAN・Web系） 83.4 万円 143.1 万円 55.5 万円 8.7 万円 通信インフラ設計・構築（キャリア・ISP系） 53.4 万円 45.9 万円 59.2 万円 1.6 万円 運用、監視、テクニカルサポート、保守 52.8 万円 42.3 万円 57.8 万円 0.8 万円 社内情報システム、MIS 53.1 万円 47.1 万円 55.2 万円 4.5 万円 研究、特許、テクニカルマーケティング、品質管理 71.2 万円 63.3 万円 75.0 万円 6.5 万円 平均 59.2 万円 52.5 万円 62.0 万円 5.0 万円 ハード系 回路・システム設計 55.2 万円 46.6 万円 61.6 万円 3.9 万円 半導体設計 51.9 万円 49.4 万円 53.3 万円 6.7 万円 制御設計 50.0 万円 50.3 万円 49.7 万円 1.3 万円 機械・機構設計、金型設計 64.3 万円 53.4 万円 68.6 万円 4.4 万円 光学技術 57.8 万円 26.0 万円 61.3 万円 -0.4 万円 生産技術、プロセス開発 59.8 万円 47.8 万円 65.6 万円 5.4 万円 品質管理、製品評価、品質保証、生産管理 57.8 万円 50.7 万円 59.6 万円 1.7 万円 セールスエンジニア、FAE 69.8 万円 50.0 万円 76.3 万円 4.9 万円 サービスエンジニア 51.2 万円 47.5 万円 52.2 万円 4.9 万円 研究、特許、テクニカルマーケティング 72.6 万円 67.1 万円 74.8 万円 1.5 万円 素材、半導体素材、化成品関連 50.1 万円 38.2 万円 62.0 万円 3.7 万円 平均 59.1 万円 49.7 万円 63.3 万円 3.7 万円 全体平均 59.2 万円 51.1 万円 62.6 万円 4.3 万円

　もちろん全員が増額しているわけではなく、ボーナス額が昨年より「増えている」のは全体では48％、「変わらない」が35％、「減った」17％。ソフト系／ハード系でみると「増えている」のは、ハード系のほうが7ポイント多かった。（DATA2）

　昨年に比べてボーナスが増えたというエンジニアが多かった。そのボーナス額決定に最も決め手になったと思う要因についても聞いてみたところ、「会社の業績」が72％と最も多く、「個人の業績・成果（9％）」「年齢・学歴・勤続年数（8％）」「景気の影響（アベノミクスなど）（6％）」と、会社の業績を挙げる人が圧倒的に多かった。（DATA3）

　会社の業種別にボーナス額を比較してみると、全体平均では59.2万円だが、勤務先の業種によってかなり支給額に差があるようだ。昨年と比較して12.5万円増と大幅に増えているのが「外資系SIer／NIer、コンサルファーム（90.3万円）」、「商社系総合商社・素材・医薬品他（75.0万円）」も10万円増だ。SIerは企業規模によってそのボーナス額に格差が出ていることがわかる。（DATA4）

全 体 20代 30代 昨年比較 大手SIer／NIer、コンサルファーム、ベンダー 70.6 万円 65.8 万円 71.4 万円 6.7 万円 大手SIer／NIer、コンサルファーム、ベンダーの子会社、関連会社 52.6 万円 42.2 万円 56.3 万円 2.8 万円 外資系SIer／NIer、コンサルファーム 90.3 万円 42.5 万円 106.2 万円 12.5 万円 独立系SIer／NIer、ソフトハウス、コンサルファーム 43.9 万円 34.8 万円 48.1 万円 3.0 万円 通信系 62.4 万円 43.9 万円 73.4 万円 6.0 万円 インターネット関連系 46.5 万円 41.7 万円 47.5 万円 6.2 万円 総合電機メーカー 64.9 万円 54.5 万円 71.6 万円 5.6 万円 コンピュータ・通信機器・OA機器関連メーカー 59.0 万円 51.8 万円 63.8 万円 6.2 万円 半導体・電子・電気部品メーカー 51.1 万円 41.3 万円 55.9 万円 4.9 万円 家電・AV機器・ゲーム機器メーカー 61.2 万円 55.5 万円 63.7 万円 -0.3 万円 精密機器・計測機器メーカー 53.0 万円 43.3 万円 56.9 万円 1.1 万円 重電・産業用電気機器メーカー 64.7 万円 54.2 万円 71.1 万円 6.2 万円 機械関連メーカー 69.8 万円 76.2 万円 66.8 万円 5.8 万円 自動車・輸送機器メーカー 70.2 万円 56.7 万円 74.8 万円 7.0 万円 医療機器メーカー 74.2 万円 70.0 万円 75.0 万円 2.3 万円 プラント・設備メーカー 53.7 万円 55.0 万円 52.3 万円 -3.5 万円 化学・石油・ガラス・セラミック・セメントメーカー 65.7 万円 62.6 万円 67.7 万円 4.2 万円 鉄鋼・金属メーカー 63.2 万円 47.5 万円 76.9 万円 2.4 万円 住宅・建材・エクステリアメーカー 41.7 万円 - 41.7 万円 3.3 万円 繊維・服飾雑貨・皮革製品メーカー 42.2 万円 31.7 万円 47.5 万円 3.8 万円 医薬品・化粧品メーカー 66.5 万円 36.5 万円 74.0 万円 5.7 万円 食料品メーカー 44.2 万円 35.5 万円 50.0 万円 -0.4 万円 技術系人材派遣企業 42.0 万円 32.5 万円 45.8 万円 5.9 万円 商社系電気・電子・機械系 50.3 万円 50.0 万円 50.3 万円 8.9 万円 商社系総合商社・素材・医薬品他 75.0 万円 50.0 万円 83.3 万円 10.0 万円 流通・小売系 38.5 万円 32.0 万円 41.8 万円 0.0 万円 サービス系 46.0 万円 47.9 万円 45.5 万円 2.3 万円 専門コンサル系 98.0 万円 - 98.0 万円 4.0 万円 マスコミ系 63.0 万円 70.0 万円 61.3 万円 7.4 万円 金融・保険系 86.3 万円 62.5 万円 94.2 万円 6.3 万円 不動産・建設系 50.3 万円 40.0 万円 52.4 万円 -9.7 万円 全体平均 59.2 万円 51.1 万円 62.6 万円 4.3 万円

　2013年冬のボーナス金額に対し、「今回の金額に満足している」と回答したのは57％と、半数以上が満足している結果となった。職種別で比較するとそれほど平均値との差が見られないのだが、勤務先の会社業種での比較では、その満足度には差が見えてくる。（DATA5）

　ちなみに、ボーナス額に対して「今回の金額に満足している」という回答が一番高かったのは、「自動車・輸送機器メーカー」と「プラント・設備メーカー」の67％。逆に一番低かったのは「専門コンサル系」の0％、次いで「インターネット関連系」の28％だった。（DATA6）

　ボーナス支給額と満足度が必ずしも比例していないのも特徴的である。おそらくは自身の実績に対する評価や仕事量と、ボーナス額が一致していないというような理由が考えられる。2014年は景気がさらに回復し、エンジニア個人の業績や成果がより評価されることを期待したい。