時間がなくても、ここ見ればOK!『SUUMO』編集長が伝授 失敗ゼロの「部屋選び」

f:id:rikunabinext:20150304132331j:plain

もうすぐ社会人!

入社前に配属先エリアが決まっている場合は、部屋探しもゆっくり時間をかけてできるけれど、「入社後に配属先が決まり、配属まで時間がない!」というケースは意外に多いらしい。

もしも遠方に配属が決まったら、住む場所はどうする…!?

会社の寮や社宅がある場合はいいが、それがない場合に考えられる選択肢は、研修などで忙しい中、週末に配属先への弾丸ツアーを決行して即日決めるか、それとも配属後しばらくホテル住まいをしながら部屋を探すか、の2つ。いずれにしても、部屋探しに割ける時間は極めて短い。とはいえ、うっかり問題物件をつかんでしまうのは避けたい!!

ということで、不動産・住宅サイト『SUUMO』編集長で、部屋選びのスペシャリストである池本洋一さんに、住んだことのない未知のエリアでも、時間がなくても失敗しない、部屋選びのコツを教えてもらった。

f:id:rikunabinext:20150303181645j:plain

SUUMO編集長 池本洋一さん

■住むエリアは、会社の人に聞くのがベスト!

土地勘のないエリアに配属された場合、住居選びで大切なのは「街」です。

会社の人事か、もしくは配属先の先輩に、「どの辺に住んでいるケースが多いか」聞いてみるといいでしょう。そして、名前が挙がった街を選択肢として、部屋を絞り込みましょう。同僚や先輩たちが住んでいる街を選べば、買い物をする場所や、気軽に足を運べる飲食店、病院など、住んでいる人ならではのリアルな情報を得られます。皆が住んでいる場所であれば、治安的にも安心でしょう。

知らない土地で、しかも誰も知っている人がいない街に住んで、情報を一から集め、コミュニティを築くのは、想像以上に大変です。社会人になって間もない頃は、ただでさえストレスが多いもの。できるだけストレスなく新生活を始めるためにも、エリア選びはないがしろにしない方がいいと思います。

■「狭いけど築浅」か、「リノベ済みの築古」か

次に注意すべきなのが、「広さ」と「築年数」。家賃にかける予算と照らし合わせながら、この2つの変数を少しずつ動かしていくことになります。

セオリーで言えば、「築浅」を選んだ方が、手堅いです。新しければそれだけ、防音対応、地震への対応など性能面が優れている可能性が高いですし、浴室乾燥機など設備も整っているケースが多いです。

ただ、地方から、家賃相場の高い都心に上京してくる人の場合、予算見合いで、「人気の街」で「築浅」という条件で選ぶと、とてつもなく狭い物件にしか巡り会えない恐れがあります。

その際は、「築古のマンション」を選択肢に入れてみてください。この条件の物件の中には、築年は古いものの、内装がリフォームあるいはリノベーションされた物件が少なくありません。「外見は古さを感じるけれど、中に入るとまるで新築」というケースも多いのです。ちなみに、『SUUMO』の条件検索の中には「リフォーム済」「リノベーション」というチェックボックスがあります。これをチェックしたうえで、築年条件を入れずに検索すると、手ごろで広さもあり、かつ個性的な物件が数多くリストアップされるはずです。

築古の「マンション」としたのは、マンションは鉄筋(S)、鉄筋コンクリート(RC)、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の建物で、築古の物件でもある程度の遮音性と断熱性があるから。アパートは、木造や軽量鉄骨造です。最近は改善されてきていますが、木造の築古アパートだと上下階や左右の部屋の音や窓の結露が気になるはず。「音は気にならない人」で安さという人以外は避けたほうが無難です。

f:id:rikunabinext:20150304125349j:plain

■「部屋選びの5割は自宅でできる」と心得よ!

上記で挙げた「エリア」「築年」「広さ」という条件から、住宅情報サイトなどである程度候補を絞ることができます。情報サイトには、物件情報がかなり詳細に載っています。例えば『SUUMO』では、1物件当たり最大で20点の画像が掲載できるので、足を運ぶ前にある程度詳細な物件情報を知ることができます。Web上で目星をつけておけば、短い時間の中でより希望に合った物件を、効率よく回ることができるでしょう。

駅からの道のりも、今ではGoogleMapなどで確認することができます。懸念される「夜道」も、街灯が整備されているか、商店街を通って帰れるルートがあるかを確認すれば、夜に現地に足を運ばなくても明るさがイメージできます。あとは現地を案内してくれた担当者に聞いて最終確認するといいでしょう。

f:id:rikunabinext:20150304122204j:plain

■音やにおい、住民マナーなど「五感」が必要な判断は現地で!

現地では、「現地に足を運ばないとわからないこと」を優先的にチェックしましょう。具体的には、「音」「におい」「住民のマナー」などです。

「音」は、外の道路からの音、周りからの騒音、上下階や隣の声がどれぐらい聞こえるか、窓を開け閉めしながら耳を澄ませ、最低限のプライバシーが守られているかどうか確認しましょう。

「におい」も確認しましょう。具体的にチェックすべきは「給排水管のにおい」。しばらく水洗を流していなかった物件は、どうしてもにおいがこもりがちなので惑わされがちですが、築古の物件は給排水管も古くなっているので特に注意が必要です。水を流してみて、それでもにおいが消えないようだったら黄色信号。担当者に確認したほうが無難です。自宅にいる時間が長い土日や、寝ているときなどに、気になってしまうかもしれません。

f:id:rikunabinext:20150304131930j:plain

「住民のマナー」は、ごみ置き場をチェックするといいでしょう。「同じ屋根の下に暮らす住人」の属性は、快適な生活を送る上で重要です。ゴミの日でもないのにゴミが出ている、分別がされず乱雑に置かれているなどマナーが守られていない場合は、住人の生活マナーも乱れている可能性が大です。そのほか、駐輪場の自転車が乱雑に置かれている、ポストの周りにゴミが落ちているなども、マナーの悪さを端的に表しているので要注意。

なお、日当たりを気にして、北向きの物件を嫌がる人は多いですが、「日当たり」と「明るさ」は異なります。窓が大きく取られ、周囲に大きな建物や木々がなければ、北向きであっても日当たりは十分確保できます。また、「南向き」とうたう物件であっても、実際は微妙にズレているケースも。今はコンパスが入っているスマホも多いですから、現地で正確な方位を確認するといいでしょう。

部屋の明るさを求めるなら、高層階の北向き物件はおススメです。高層階であれば周囲に遮るものはないケースが多いですし、北向きなので家賃が手ごろに抑えられている可能性があります。間取り図や現地図を見て、窓が大きく取られているなど明るさが確保できそうだと思えたら、内見候補に入れてみるのも一法です。

EDIT&WRITING:伊藤理子

PC_goodpoint_banner2

Pagetop