大きな変化のあと、どう動けばよいのか? VIPに学ぶ「ピンチをチャンスに変える方法」

「昨年はバタバタしているうちに、何もせずに終わってしまった」
「こんな時代だからこそ、新しいことにチャレンジしたい」
「ピンチに弱い自分を変えていきたい」

新型コロナウィルスが猛威を振るい、日本はもちろん世界中の常識が一変した世の中になりました。あなたは思うように働けていますか?日本人の多くは、コロナ禍以前の常識に引きずられ、異なる生活スタイルに四苦八苦しているようです。

一方、そんな逆境にも関わらず、さまざまな工夫を行い、コロナ禍前よりも良い結果を獲得している人がいるのもまた事実です。その違いはどこから来ているのでしょうか?

そこで今回は広告代理店勤務時代に3,000人以上のVIPと交流し、彼らの「逆境の立ち向かい方」を研究している気配りのプロフェッショナル・後田良輔さんに「大きな変化のあとに、VIPがどう動いたか」について話をうかがいました。

データを見ながら検討する若手の女性会社員

大きな変化は「古い常識の見直し」と「新しい適応能力」で乗り越える

コロナ禍にも関わらず、活躍しているVIPを見ていて発見したことがありました。それは「彼らは古い常識の見直しに注力している」ということです。

人類が直面した社会の激変は、新型コロナウィルスだけではありません。震災や戦争、バブル崩壊やリーマンショックなどさまざまな逆境に、これまでも数多く遭遇しています。でもそんな逆境の中でも、ほんの一握りですが、成功者が現れ、その知恵と経験が現在も残されています。

そのひとつが、「古い常識の見直し」です。

例えば、働くという常識を考えてみましょう。職場だろうが自宅だろうが「仕事は場所に縛られない」という考え方が広まり、今や業界によっては常識となりつつありますが、コロナ前は「仕事は会社でするもの」という社会常識がありましたよね。

これと同じように、私たちの仕事には、よくよく考えると古くなった「常識」が数多くまとわりついています。特に、「自分にとって都合のいい常識」が目立ちます。「クライアントが欲しいサービスより、自社の利益を優先する営業手法」「優秀な能力を持つ人よりも、優秀な学歴を持つ人材を採用する人事方針」などは、その典型例かもしれません。

つまり大きな変化の前は、「利己的な常識」の優先順位がクライアントの利益よりも上になっており、それが故に、世の中の変化後にうまく機能しなくなっていたのです。

そしてこれらが、新しい時代の足かせとなり、数多くの不具合を招く原因になっているとVIPは考えていました。

大きな変化のあとに求められるのは、周囲に貢献する「利他的な常識」です。なぜなら、人々は、このタイミングで新しい価値観を求めたり、周囲のフォローを必要としたりする傾向があるからです。

成功したVIPはこの事実を知っており、徹底して他人に貢献するという視点で今までの常識を見直ました。

さらに、成功者のもうひとつの知恵である、「新たな常識に適応する能力」を身につけた自分に生まれ変わっていました。

結果、こんな時代にも関わらず周囲から歓迎され、仕事はもちろん、信用も続々と集まってきていたのです。

次から実際にVIPが実践している「新たな常識に適応するためのポイント」を紹介します。どれも簡単でありながら、いま特に必要といわれるポータブルスキルのひとつにもなっていますので、ぜひ試してみてください。

※ポータブルスキルについてはこちらの記事も参考にしてください
デキる人が大切にする基本の「ポータブルスキル」とは?

8,568通り、あなたはどのタイプ?

新たな常識に適応するポイント1 「仕事のスタンス」を見直し、新たな魅力を引き出す

「常識の非常識」なんて言葉があるように、今までの常識も時代が過ぎると変化していきます。「今までと同じように努力しているのに、なかなか成果につながらない」という人は、社会の常識の非常識化にうまく適応できていないのかもしれません。

そこでオススメなのが、「いま、社会人としての自分に、他人が求めるものは何か?」についてじっくり考えてみること。そして、あなたの価値にもなりえる仕事のスタンスを見直すことです。

これまでの仕事ぶりから、あなたには「仕事が早いから」「提案力があるから」「話しやすいから」など、色々な魅力があると思います。

しかしその魅力と、あなたが現在、相手から求められているちからは本当に合致していますか?

例えば、相手がいまもっとも必要としているのは「課題解決能力」かもしれません。社会に変化が起きたことによって常識がかわり、仕事が早いことだけでは済まない案件が増えたのであれば、あなたの魅力もそこに合わせていく必要があります。

そこで、いま一度「相手のニーズにこたえ、喜んでもらうためには、どうすべきか?」という原点に立ち返り、仕事のスタンスを変えてみる。新しい常識に適応していくためにも、こうして新しい魅力を引き出していきましょう。

これまでの古い常識、そこに合わせていた仕事のスタンスを見直し、人々が必要とするサービスを考案して大成功した事例に「宅急便ビジネス」があります。昔は小荷物といえば、すべて郵便局に持ち込むしか方法がなく、誰もがその不便を常識と思い、受け入れていました。しかし1976年にヤマト運輸が「サービスが先、利益は後」という赤字覚悟の発想で、一般家庭から荷物を集荷し、配達するサービスを始めると、状況は一変。顧客視点の便利な宅配便は大成功し、たちまち全国展開されていきました。

まさに、相手のニーズにこたえるため、そして自分の新たな魅力を引き出すためにも「古い常識を見直し、新たな常識を見出す」ことの重要さを物語っている好例だと、私は思います。

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新たな常識に適応するポイント2 新しいことに取り組む

人は慣れたことを続ける傾向がありますが、それが必ずしもクライアントや周囲の利益につながるとは限りません。コロナ禍の営業で言えば、対面訪問で営業できず、数多くの営業パーソンが成績を落としました。

しかし、テレビ会議やSNSをいち早く営業ツールに取り入れ、クライアントが喜ぶ提案を仕掛けた人は、逆にライバルがいない状況になったため、釣りでいう入れ食い状態になり、大忙しになりました。

この明暗を分けたのは「新しいことに取り組む」という姿勢でした。「先手は万手」ということわざがあるように、人より先に未知のことに挑戦すれば、誰でもチャンスに巡り合う可能性が高まります。

また、挑戦というものは年齢や経験の有無であきらめていいものではありません。事実、ケンタッキーフライドチキンを創業したカーネル・サンダースは、一般の人は老後を意識するであろう60代半ばでチキンのレシピと調理法を売ることを決意し、米国中のレストランをアポなしで訪問し始めました。その挑戦の結果、70代半ばでフランチャイズ権を売却した時には、加盟店が600店舗を数えていたそうです。

新しいことへの挑戦に、年齢や環境や経験は関係ありません。やるか・やならいかの二択しかないのです。

新たな常識に適応するポイント3 夢を持つ

「夢を描く」という言葉があるように、新入社員のころは、大なり小なり自分の夢を描いて誰でも働き始めたと思います。しかし長く働いているほど、理想と現実の板挟みになり、夢を忘れてしまう人が多いようです。

しかし、社会に大きな変化が起きるようなときこそ、この夢の有無がとても重要となります。

幕末から大正初期の動乱の時代を駆け抜け、「日本資本主義の父」と呼ばれた渋沢栄一は言っています。「夢なき者は理想なし、理想なき者は信念なし、信念なき者は計画なし、計画なき者は実行なし、実行なき者は成果なし、成果なき者は幸福なし、ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず」と。

たとえ目の前には苦労の連続が待っているとしても、夢を持てば幸福を引き寄せる可能性が増すのです。また、大きく苦しい変化のさなかにあっては、「イキイキとして、頼もしい人」が際立つともいえます。夢のために楽しく働いていれば、自ずとあなたがその一人になり、貴重な仕事も集まってきます。

まさに夢こそが、ピンチをチャンスに変えてくれるのです。

まとめ

大きな変化のあとは、今までの常識が通用しなくなりがちです。でも、そんなときこそ実はチャンスです。「災い転じて福となす」と昔からいうように、こんな時代だからこそ、今まで当たり前と思っていた常識を見直してみましょう。きっと見逃していた大切なことにも気づけるはずです。

常識を見直すことは、筋トレに似ています。いきなり筋肉はつきませんが、必ず肉体は良い方向に変化していくものです。少しずつでいいので、仕事の常識を見直していけば、変化は徐々に表れ、やがてそれが信用を呼び、より大きく新しい仕事が生まれ始めます。

ぜひあなたもそんな変化の第一歩を踏み出してみませんか?

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プロフィール

後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト

後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト1972年生まれ。大手3大広告代理店に勤務し、「誰でも使える気配り術」を駆使する気配りのプロフェッショナル。これまで応対したVIPは、東証一部上場社長、世界企業のCEO、政治家、医者、弁護士、大学教授、大物俳優・女優、ミリオンセラー作家、世界No.1クリエイターなど総勢3000名を超える。この特別丁寧に接しなければならない顧客との交流で磨かれたスキルと「東京・名古屋・大阪」の現場勤務で身につけたリアルな経験を組み合わせた、独自の「誰でも使える気配り術」に定評がある。
著書に、『気配りの正解』(ダイヤモンド社)『<落ちこぼれでも3秒で社内エースに変わる!>ぶっちぎり理論38』(ダイヤモンド社)、『逆境を活かす! 就活面接「エモロジカル理論」2015年度版』(実務教育出版)『1秒内定面接術」』(インプレス)など。これらの実績を買われ全国の大学や企業から講演・研修依頼が殺到。新聞・雑誌などメディア露出は50回以上。「世界からキャリアの悩みをなくすこと」をミッションとする。

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