“変化に適応”で、窮屈な生活を乗り越えよう~川崎貴子の「チーム家族」痛快コラム

2020年冬、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)が世界を襲いました。その脅威は私たちの生活に大きな変化をもたらします。

たとえば保育所を利用しながら通勤していた人々が、先が見えないまま育児も勤務も“在宅”で対応しなければならなくなったのです。女性のキャリアに特化したコンサルティング事業を手掛ける川崎貴子さんも、そのような生活を余儀なくされた1人。

今回は、不自由な生活の中でこそ得られる「気づき」について語っていただきます。

変化に適応するリモートワーク中の夫婦

変容する私たちの「働き方」

「来年のオリンピック楽しみだな~」と浮かれていた半年前がまるで夢か幻だったかのよう。新型コロナの世界的蔓延は、オリンピックを延期させたし、何より私たちの日常生活を一変させました。

特に緊急事態宣言が出てからは、バブル崩壊やリーマンショックでも経験しなかった「生活の変化」に対応する日々。

当初の予定よりも緊急事態宣言期間が延長してしまい、気が気じゃない毎日を送っている人、自粛を楽しむ努力をしている人、運動不足で太った人(それは私)等、色々な思いや問題を抱えて全国民がステイホームしている訳であります。(←今ここですが、この原稿が掲載されるときには状況が少しでも良くなっていることを望まずにはいられません。)

そして、コロナ禍は私たちの生活だけではなく「働き方」にも大きな変化をもたらしました。
オフィスや店舗内での「三密」を避ける為、リモートワークを導入する企業が一気に増えたからです。

リモートワークってどうよ?

私の所に寄せられた「リモートワーク、どうよ?」への答えは真っ二つにわかれました。

先ずは肯定派。

《1》ほとんどの仕事がリモートでできるということが証明された
《2》「満員電車で耐える」「都心に近い家を持つ」どちらも必ずしもその必要はないかも
《3》自分の生活スタイルに合った働き方になった
《4》家族といつも一緒なので地震など、何かあったときに安心
《5》出勤日のランチ代、付き合いの食事や飲み代、おしゃれ代などの無駄な出費が減った
《6》職場の人に気を使わなくていいのでラク

などなど。そして否定派は、

《1》仕事モードとプライベートモードを自らコントロールするのが難しい
《2》上司も自宅にいるのだと思うと気軽に質問できず不安
《3》会社への帰属意識の低下を感じる
《4》子どもも休校しているため仕事にならない
《5》仕事中も夫婦一緒なのがストレス

などが多く、特にワーキングマザー、ファザーの皆さんからは《4》の、叫びにも近い「無理!」を数多くお聞かせいただきました。

現に私も、以前はオフィスでこの連載原稿を書いていたわけですが、今は自宅で、です。
体力と暇を持て余した娘たちの、
「ママー、お昼ご飯なにー?」「何時ー?」
という姉妹交互の問いかけに集中力を奪われながら、今必死にこれをしたためています。

特に次女(小学3年生)は大量のエネルギー消費が必要な模様で、歌っているかしゃべっているか走っているかの音が、壁などなきも同然、隣の部屋から実にクリアに響いてまいります。
あああ!集中できない!!!

そして、⑤に関しましては、特に夫婦揃ってリモートワークになったいくつかのご家庭から、「ワークスペースや時間の確保に苦労されている」という共通の声を聞きました。

そもそもどのご家庭も、ビフォーコロナでは夫婦2人がリモートワークする想定で住居設計しなかったのだから当然ですよね。わが家もご多分に漏れずそうでした。

リモートワークの私と、動画撮影をする夫の場所確保がままならず、結局は大幅なレイアウト変更に踏み切ります。
引越し?というぐらい物や家具や衣服を捨て、部屋割りを変え、狭くて数少ない部屋を「今一番快適に過ごせる仕様」に変更いたしました。
すると、次女の声は時折響くも、仕事するストレスは大幅に軽減されました。

同じような境遇でお困りの方には、この経験をアドバイスとしてお伝えしているのですが、もっと深刻な事態に陥っているご家庭もあります。

「コロナをきっかけに離婚を考えている」という共働き夫婦の相談が後を絶たないのです。

有事のときこそ寄り添うために

多くの夫婦はこんなに一緒にいることもなかったという状況ですので、要らぬ喧嘩が増えるのはよくわかります。
「夫婦がちゃんと向き合ってしまったが故の離婚」ならある意味仕方ないかもしれませんが、もし原因が「ストレスの複合体を夫婦がそれぞれ相手にぶつけてしまっているだけ」なのだとしたら、それはとてももったいない意思決定だと私は思います。

私たちは今、自覚できているよりずっと、多くの不安やストレスを抱えています。
世の中がどうなるのか?
コロナに感染する確率は?
会社はや仕事や収入は?
子どもの教育はどうなるのか?

ネットやテレビを見ても答えは探せず、逆に不安は煽られる。
外出して飲んだり、ジムに行って汗を流したりというストレス解消もできない。

するとどうして、身近なパートナーに目が行き、相手の粗を見つけやすくなり、自分が感じている不安感の原因すべてをパートナーが作り出しているような気がしてくるものです。

でも、ここで冷静になって。

そして、ご自身の「ストレスの複合体」を因数分解して、解決できるものに目を向け注力してみましょう

解決方法のひとつとして、夫婦2人の「共通の仮想敵(リアルな人間関係を除く)」を作ってみることも、結束力を高められるのでお勧めします。
テレビの中の人とか、歴史上の人物とか、ね。(*身内の人たちを使うのは絶対やめてくださいね!)

何が起こるかわからない有事のときこそ、夫婦で力を合わせるのが吉。
ぜひ今一度立ち止まって、ご自身の心を整理してみていただきたいと思います。

「リモート飲み」で気づいたこと

いまやすっかり流行りのフレーズとなり、ところによっては新たな形式をも生む「リモート○○」。

リモート会議は今のような社会情勢になる以前から参加していましたが、多少のタイムラグなどネット環境に影響されたりするものの、時間は守られるし、リアル会議よりサクサク進行するし、私の中ではもう「会議はリモートでよくね?」になっています。

そして、先日とうとう「リモート飲み会」に参加してみました。
飲み会自体、2カ月ぶり。社会人になってから28年、そんなに長く友人知人と飲まなかったことなどなかったわけで、正直じーんと来ました。

育休を3週間取った後の再会時ですら「大人としゃべれるって最高!」と思ったものですが、こうしてずっと以前からガス抜きさせてくれる人々の存在、そのありがたさに、あらためて気づけた体験だったのでした

また、画面の向こうにそれぞれ酒を飲む友人たちを見ながら、
「たった10年位前はガラケーだった」
なんてことも思いました。

たった10年でこんな風に人と人とが交流できるだなんて当時は思いもよらず、私たち人間は今抱える多くの問題もいずれ解決できるような気がしてなりません。

そして、こんな時代だからこそ、
「生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。それは、変化に最もよく適応したものである。」
というダーウィンの言葉
が沁みます。

日常生活も、働き方も、夫婦関係も、使えるテクノロジーは使い倒し、変化に適応してゆきたいものです。

最後に、自粛期間も最前線でコロナに立ち向かってくださっているすべての皆さまに、心より感謝の意を表します。

プロフィール

川崎 貴子

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リントス(株)代表。「働く女性に成功と幸せを」を理念に、女性のキャリアに特化したコンサルティング事業を展開。
1972年生まれ、埼玉県出身。1997年、人材コンサルティング会社(株)ジョヤンテを設立。女性に特化した人材紹介業、教育事業、女性活用コンサルティング事業を手掛け、2017年3月に同社代表を退任。女性誌での執筆活動や講演多数。(株)ninoya取締役を兼任し、2016年11月、働く女性の結婚サイト「キャリ婚」を立ち上げる。婚活結社「魔女のサバト」主宰。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。「女性マネージメントのプロ」「黒魔女」の異名を取る。2人の娘を持つワーキングマザーでもある。

イラスト:yoko
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