「LINE API Expert」第1期 日本メンバー5人に選ばれたのはどんなエンジニア?

LINEが開発者向けに提供する各種APIに対する深い理解、高い技術力、さらにコミュニティに影響力を持つエンジニアを「LINE API Expert」として認定し、活動を支援する制度をスタート。その第1期日本メンバーに選ばれた5人の選出理由や今後目指すことなどを聞いてきました。

「LINE API Expert」第1期 日本メンバー決定!

「LINE API Expert」とは、LINE APIの知識と高い技術力を持ち、そしてコミュニティに対する発信力が高いエンジニアの方々を認定して、LINE APIの提供価値を示すための活動を支援する制度。

そのLINE API Expertの発案者であり、今回認定された日本メンバー5人の選考にも大きく関わったというLINEの砂金信一郎さんは、彼らがLINE APIのブランド価値を高めつつ、さらに高みを目指すことを期待していると語ります。

「今回はエンジニアとしてのスキルセットが高く、コミュニティリーダー的な人をLINE API Expertに選ばせていただきました。

非公開のAPI/SDKに対するクローズドβプログラムへの参加機会などを提供して課題点のフィードバックをしていただいたり、記事やブログの執筆、開発者コミュニティへの積極的な発信を行っていただく予定です。

まだできたての制度なので、我々もできる限りその活動を支援していきたいと考えています。」(砂金)

LINE株式会社 Developer Relationsチーム マネージャー 砂金信一郎さん

8,568通り、あなたはどのタイプ?

ワクワクフィクサー若狭氏が、LINE API Expertに!

2017年11月の募集開始から200人以上の応募があり、厳正なる審査の結果、採択された第1期日本メンバーは5人。

そのメンバーの中には「LINE BOT AWARDS」でCodeIQ賞を授賞し、同じくLINE BOT AWARDSで注目されたLINE BOTアプリの開発者たちを紹介してくれた若狭氏の名前もありました。

「若狭さんは頼んでもないのに、LINE APIに対してガンガン注文をつけてくるんですよね。これはすごくありがたいこと。そういった意見にできるだけ応えて実現していきたい。CodeIQで見せた、独特のキャラクターでファンが多いインフルエンサーであるということも大きな選抜理由です」(砂金)

若狭 正生さん

ふむ。たしかにこの若狭氏の男泣きシリーズはかなりの反響をいただきました。

若狭氏が登場したLINE BOT AWARDSレポートより抜粋

8,568通り、あなたはどのタイプ?

20代のデベロッパーを開拓し、コミュニティを盛り上げてほしい

LINEといえば、若い世代を中心にコミュニケーションツールとして圧倒的なシェアを誇ります。今回日本メンバーで唯一の20代若手が、6000名を超えるコミュニティ「IoT縛りの勉強会! IoTLT」を運営し、毎月イベントを開催している菅原のびすけさん。

のびすけさんはLINE BOT AWARDSの運営サイドにも協力しながら、若手クリエイターたちとイベントを盛り上げていたとのことで、そのコミュニティリーダーとして行動力や求心力にかなり期待を高めているそうです。

そんなのびすけさんに期待しているのは、「若い世代のデベロッパーをさらに増やし、次の世代につなげてほしい」と砂金さんは語ります。

(右)dotstudio株式会社 CEO 菅原のびすけさん

LINE Messaging APIのC# SDKを作った小林寛忠さん

3人目はコミュニティSDKとしてLINE Developersに公開された「LINE Messaging API for .Net」を作り、GitHubに公開した小林寛忠さん。Visual StudioのExtensionsやシミュレーターもついていて、すごく便利なのです。

「LINEのエンジニアは先進的な取り組みをすることが多く、あまり業務系アプリを作らないので、それまでC#のSDKがなかったんですね。小林さんはみんなが使えるライブラリやツールを作ってくれるので、本当に助かっています」(砂金)

株式会社 シナジーシステム 小林寛忠さん

JAWS-UG関西を立ち上げた比企宏之さん

4人目は1800人を超えるAWSの技術者コミュニティ「JAWS-UG関西」を立ち上げた比企宏之さん。この日は大阪からかけつけてくれました。

毎日放送のオフィシャルLINE BOT「おしゃべり らいよんチャン」をサーバーレスアーキテクチャで実装したのも比企さんです。毎日放送にひたすらデモを作っていって交渉したのだとか。

参考:サーバーレスアーキテクチャでLINE BOTの商用サービスを作った話

今回の日本メンバーはエンジニアとしてのスキルセットが高く、情報発信してコミュニティリーダー的な人をLINE API Expertに選んだという砂金さん。LINE APIのブランド価値を高めつつ、さらに高みを目指してくれることを期待していると語ります。

アイレット株式会社 cloudpack セクションリーダー ソリューションアーキテクト 比企宏之さん

LINE Loginを活用したソリューションを開発した富士榮尚寛さん

5人目はアイデンティティ分野のスペシャリストであり、約9年間Microsoft MVPとして活躍しているCTC富士榮尚寛さん。Microsoft Azure Active Directory B2Cを活用し、大学や自治体、企業のWebサービスに対して、Facebook、Twitter、LINEなどのSNSアカウントで会員登録やログインを可能とするID管理基盤を構築しています。

企業とユーザーをつなぐコミュニケーションツールとして、LINEのテクノロジーをさらに活用してもらうべく、橋渡し役としての期待も大きいとのこと。LINE Login開発チームへのフィードバックを通じた機能改善にも協力されているのだそうです。

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC) 富士榮尚寛さん

LINE API Expertとして何を目指す?

今回は日本メンバーの顔合わせを兼ねた懇親会。富士榮さんは福岡から、比企さんは大阪から駆けつけ、LINE APIの可能性について熱く議論が交わされました。

砂金:LINE API Expertの日本メンバーは技術力やコミュニティリーダーとしての素質など、間違ない人を選んだつもりです。皆さんがLINE APIのブランド価値を高めつつ、さらに高みを目指してくれることを期待してます。

まだできたてなので、何を提供したら皆さんに喜んでもらえて、我々もハッピーになれるのかまだわからないので実験していきたいですね。

のびすけ:普通はコミュニティができて盛り上がってきたら、こういう取り組みを始めるんですが、LINEは逆ですね(笑)。

砂金:一つ残念なのは、メンバーの平均年齢が高いこと。LINEは若い層にリーチできるコミュニケーションプラットフォームでもあるので、若い世代のデベロッパーにもっとアプローチしていきたい。皆さんには道を作ってもらって、次の世代につなげてほしいと考えています。

最近の技術コミュニティは年代が高くなっているけど、IoT-LTは若手や女性エンジニアが多い。やっぱり若いのびすけがリーダーだという面が大きいと思うので、20代がどういう技術習得したいのか教えてもらったり、若くて勢いのありそうな人をどんどん引っ張っていってほしい。

若狭:コミュニティは新しい技術、モノ、ガジェットがあると若い人にビジュアル含めて伝わりやすい。ClovaのSDKとか面白いことができそうだから、その辺を含めてこんな面白いものがあるんだぞ!と触っていきたいですね。ガンガン注文つけながら(笑)。

のびすけ:僕はLINEのbotでハンズオンをやったり、高校生、大学生向けにモノづくりをする人を増やすための教育関連の仕事もしています。若い人たちへのリーチを期待されていると思うので、イベントがらみで面白いことをやっていきたいです。

若狭:高齢者向けのコミュニケーション系のアプリをLINEを使って作るとサポートが楽なんですよね。わからないときは娘さんやお孫さんに使い方を聞いたりするので、サポートセンターよりも親切に操作方法を学べるはず。それをきっかけに年代を超えたコミュニケーションのひとつになるプラットフォームになれる力があるのでうまく活用したサービスを作っていきたい。

比企:高齢者やLINEのトーク画面がメインのスマホユーザーたちからすると、SafariやChrome立ち上げるのは面倒だったりしますが、LINEでほぼネイティブアプリのようなことはできますよね。サーバーレスだったら、フロント側LINE Botのアプリケーションで作ったら簡単に作れる。インフラからの解放です。

若狭:このあたりを活用したら、たった数十行くらいのひとつのコードをコピペだけで動く(笑)。

小林:ネイティブアプリを作るのは結構手間がかかるし、App Storeの審査を通すためにこう作らないといけないとか面倒なことが多い。その点、LINEのチャットボットは広告の審査ガイドラインに抵触しない限りリジェクトはあまりないし、こんなデザインにしなければいけないというガイドラインもないから気軽に作れますよね。

プログラミング初心者の方の入門用としてもチャットボットの開発は良い題材になると思います。そういう人達がより入っていきやすいように、ライブラリやツール等を充実させていきたいです。

富士榮:僕は主にセキュリティやアイデンティティ・マネジメント領域で、SIerで15~16年くらい開発をやっていますが、最近は企業や金融機関、学校などからのBotの引き合いが多くなってきました。

ユーザーが普段使っているデバイスやツールで非同期型コミュニケーションをするには最適なLINEのエンタープライズニーズが高まっていくと思うので、新たなインテグレーションを生み出していきたいと思っています。

砂金:LINEログインで認証できる意義や、端末との紐づけが手軽にできるメリットは大事にしたいですね。LINEは若年層へのリーチ高くて、大学生への普及率も90%以上。既読もわかるので、安否確認やバイトの勤怠連絡などにも向いている。

アプリ、サービスの本質としてどんなコミュニケーションができればいいのか、情報を伝えられればいいのか、検索ができればいいのか、表現が難しいけどLINEはアプリであってアプリでないんですよね。メッセージは消えていくものだったけど、LINEは残る。それを世の中が気づきだしたら面白くなる。

ニーズとシーズがある一方で、プライバシー問題やアクセス負荷対策などの課題もある。でも、LINEはロジカルよりエモーショナル。楽しくやっていきましょう!

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