“痛いおじさん”を脱出しよう。43歳現役カリスマホストに聞く「女性に心を開いてもらうためのコミュニケーション術」

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最近、“おじさん”の肩身がどんどん狭くなっているように感じています。ライターの園田菜々です、こんにちは。

若い女の子にLINEをすれば「キモい」、若い女の子を食事に誘えば「ウザい」、若い女の子に挨拶をすれば「セクハラなんですけど……」。

……なんていうのは言い過ぎにしても、いわゆる40〜50代の男性が若い女性から鬱陶しがられているシーンはよく見る。そもそもなぜおじさんはウザがられてしまうのだろう? 女性の私でも言語化できていないのが事実だ。

しかし、そんな40代になっても未だ現役で女性たちの心を掴み続ける男性が歌舞伎町にいる。

ドラマ化もされた漫画「夜王」のモデルになり、シャンパンタワーの生みの親でもある、流星さん。43歳という年齢を感じさせない容貌はもちろんこと、年間ナンバーワンの売り上げという確かな実績ももつ。

そんな生きる伝説とも言えるカリスマホストに、失礼ながら「おじさん世代でも女性に好かれる方法」について聞いてみた。

【プロフィール】
流星(RYUSEI)
1974年生まれ。新宿 歌舞伎町のホストクラブ愛本店のカリスマホスト。マンガ『夜王』のモデルでもあり、シャンパンタワー考案者としても知られる。愛本店2016年年間No. 1。
ブログ:mizuno-masahiro.com LINE:yumemiru55

ちなみに「とりあえず要点だけ知りたい!」という方には、先に流星さんのコミュニケーション術をお伝えしておく。

〈流星的“女性に心を開いてもらう方法”〉

  1. 内面と外見で、いいところを「三つ」見つけ「一つ」伝える
  2. 食事に誘うときは「A級ふたつ」と「B級ひとつ」の三択で提案
  3. 女性の話は聞く姿勢、そして素直に「教えてくれてありがとう」
  4. 格好いいと思える自分であるために「源氏名」をつけよ

それでは、じっくり流星さんのコミュニケーション術を知りたい方は、以下からどうぞ。

未知の世界「ホストクラブ」にはたくさんの反面教師がいた

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— 流星さんは、ホストを始めてどれくらいですか。

流星 20歳のときに始めたので、もう23年ですね。

— 23年! そもそもホストになろうと思ったきっかけはなんですか? やっぱり女性にモテたいから?

流星 むしろ真逆で。それまで夜遊びをするようなタイプでもなければ、ナンパだってしたことがなかった。いわゆるイケイケな部類とは対照的でしたね。大学生のときに「経営者になりたい」という思いがあって、その資本金を作るための選択肢としてホストという仕事を考えました。幸い「ホストをやってみたい」と言っているうちに、現役のホストの人とつながることができたんです。そのあとホストクラブの社長さんが僕のことを買ってくれて、ご招待頂き5回くらい飲みに行って、「ここでやっていこう」と決心がついた感じですね。

— だいぶ慎重派だったんですね。最初は色々苦労することも多かったんじゃないですか?

流星 確かに大変なこともありましたね。僕がホストになった頃って、歌舞伎町自体が今よりも過激な時代でしたから。社長からもいきなり「お前、あの女性客と寝てこい」なんてこと言われたりして、当然困惑しました。「そんなに不自然に男女がそういう関係になっていいのか?」って。いわゆる乱暴なホストもいましたし、反面教師がたくさんいたんですね。他人の生き方を否定するつもりはないけど、僕は彼らに未来があるとは思えなかった。だから僕自身はもっとちゃんと礼儀や常識をわきまえよう、と意識してましたね。今もそれは変わりません。サービスマンとしてやるべきことを考えて、それが結果としてつながっているな、という実感です。

女性に心を開いてもらうためには
「外見」と「内面」でいいところを3つ見つけろ

— 今回は、流星さんが43歳になっても女性にモテ続けている理由が気になって伺ったんです。結局ホストは格好いい人が売れるんでしょうか?

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流星 顔はもちろん大切ですね。僕が経験を重ねた上で言えるのは、顔だけのホストはトップテン止まりだということでしょうね。ナンバーワンになるホストというのは、それ以外の努力を重ねています。人間同士のやりとりですから、最終的には内面での勝負になるんです。

— なるほど。ちなみに、流星さんが女性とのコミュニケーションで心がけていることとは?

流星 その女性にとって「普段出会わないような男性」であろう、とは意識していますね。

— 普段出会わないような男性、ですか。

流星 たとえば、綺麗な女性とそうでもない女性が二人でいたとしますよね。普通のホストはみんな綺麗な女性の方にいってしまいます。ホストも男ですから。

— 確かに、男性は綺麗な女性をチヤホヤしますよね。飲みの場だとより顕著です。

流星 僕は接客という仕事であるがゆえにもありますが、あえてチヤホヤされてない方の女性とお話しするようにしています。そこで、まずその子の「いいところ」を見つけて、彼女だけの魅力を伝えるんです。そうするとその子の目がキラキラと輝くんですね。

—「いいところを見つける」って口で言うのは簡単ですけど、実際にやるのはけっこう難しい気がします。

流星 コツはあります。それは、外面と内面でそれぞれ「三ついいところを探す」ということです。

— 三つ、ですか。

流星 まずは外見ですね。なんでもいいんです。「健康的だね」とか「純情そうだね」みたいな全体の雰囲気もあるし、その子が今日一番こだわっているところを探すのもいい。爪なのか、メイクなのか、小物の色合わせなのか。一番いけないのは、ただ「可愛いね」と褒めること。何も考えてないのがバレますから。真剣にその人と向き合って、素敵だと思うところを三つ探す。そしてその中で相手に一番響きそうだと思ったところをひとつだけ伝えます。全部伝えると軽くなってしまいますから。

— なるほど!

流星 そして次に内面です。会話が弾むように相槌を打ってくれていたり、些細な気遣いをしてくれていたら、素直に「嬉しい」と伝えます。緊張している女性に対しては「純粋なんだね」など、できる限りその子のもつ女性らしさを褒めるようにしていますね。

— 的外れなこと言って怒らせたらどうしよう、とかは思わないんですか。

流星 そこは、ご本人がそう思っていなかったとしても「新しい一面を見つけたね」とか「実は自分では気づいていないと思うけど……」という風に伝えます。結局、自分で感じたことが全てじゃないですか。いやらしいテクニックのように感じてしまいますが、それで相手に喜んでもらって場が和む、というのが大切なことだと思います。

— ちなみにそういうテクニックって、ホストの仕事以外でも活用しているんですか。

流星 僕は昼も経営者として働いているので、ビジネスシーンで女性と接することはあります。上司や部下といった深いコミュニケーションではないですが。たとえばオフィスなどでお会いしたときは、挨拶をして、その人のいいところをひとつ褒める、というのはしていますよ。それは誰に対しても同様です。役職など立場の区別は必要ですが、差別をしないというのも意識してますね。

— 挨拶ついでに必ず褒めてくれる人なんてなかなかいないですよ……!

ポイント:内面と外見で、いいところを「三つ」見つけ「一つ」伝える

女性を食事に誘うときの鍵は「相手にも選択肢を持ってもらう」こと

— 仕事柄、女性と食事に行くことも多いとは思うのですが。普段はどうやって誘っていますか?

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流星 僕は食べることが好きで、自分が気に入っているレストランがいくつかあるんですね。A級だけではなくB級もあります。女性を誘うときには、その中からA級のお店を二つ、B級のお店をひとつ、全部で三つの選択肢にして提案します。「そこまで私のことを考えてくれているんだ」と感じてもらえますし、僕自身も自分が紹介したいレストランに行けるので、お互いにハッピーな気持ちで食事ができます。

— 選択肢があるっていうのは、確かに嬉しいです! たまに「オススメのイタリアンに連れてってあげるよ」とだけ誘われて、なんだか不愉快に思うことがあったので。

流星 それは女性を不安に感じさせてしまいますよね。自分で選ぶという満足感も得られないでしょうし、そもそもどこに連れていかれるかもわからない。相手に安心感をもってもらえるよう気遣うことは大切だと思いますよ。

ポイント:食事に誘うときは「A級ふたつ」と「B級ひとつ」の三択で提案

おじさんではなく「紳士」になるためには

— なんだか流星さんとお話ししていると、同世代の男性といるときよりも気持ちが安らぎます。

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流星 ありがとうございます。それは僕自身が重ねてきた経験値によるものかな、と思います。世の中には「おじさんおばさん」と「紳士淑女」の違いがあると思っているんです。これは歳ではなくて、生き方の違い。自分の人生に諦めて、人の目を気にせず、相手への配慮も欠いてしまうと「おじさんおばさん」になってしまう。一方で、チャレンジしてきた経験値があるからこそ、常に余裕と自信をもって相手を包み込んであげられるような「紳士」としての生き方もある。僕はそうありたいんです。

— なるほど、おじさんではなく紳士としての生き方があると

流星 若々しくあることは良いことですが、若ぶる必要はないと思っています。たとえば、今の僕が20歳の人と同じ服装をしたら、「単なる痛い43歳」になることはわかっているんです。経験値から場面に合わせ、かつ、自分に似合うものを知っているのも、歳を重ねた大人としての武器かと。

— 確かに無理して若ぶって、結果的に「痛いおじさん」になってしまうケースは見たことある気がします……

流星 流行を知ることも、自分の頭の中をアップデートしていくのも、もちろん大切です。でも、そこに乗るかどうかは自分で判断した方がいいですね。大人には経験があるからこそできるコミュニケーションがある。若さで勝負する必要はありませんから。

— 流行を追わなくて、若い女性のお客さんと話が合わなくて困る、みたいなことはないんですか?

流星 僕はそもそも昔から流行に疎いですし、また流行に乗る時点ですでに古いとも思いますから、楽しむ程度です。基本的に女性に対しては話を聞く姿勢ですので、特に困ったりはしないですよ。若い女性から色々と教えてもらったら、素直に「教えてくれてありがとう」と伝えますね。

— 話を聞いてもらった上に「ありがとう」なんて言われたら嬉しいに決まってます。

ポイント:女性の話は聞く姿勢、そして素直に「教えてくれてありがとう」

格好いいと思える自分であるために「源氏名」をつける

— 流星さんは、そうやって自分自身で考えて行動したり、律することができるのが素敵ですね。

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流星 僕は、他人様目線ではなく、あくまで自分目線で格好いいと思う生き方をしたい、っていう願望があるんです。これも格好いいおじさんであるためのヒントになるかもしれませんが、チャレンジの仕方がわからない人は、自分に源氏名をつけてみるといいかもしれませんよ。

— 源氏名、ですか。

流星 僕たちホストは、本名とは別に源氏名があります。僕の「水野正大」という本名は、親がこうあってほしいと名付けたもの。それとは別に「流星」という人格がある。そして僕はそれに「カッコマン」というキャッチコピーをつけたんです。

— カッコマン!

流星 それは、どんなときでも「格好いい」と思える方を選びたいという思いからです。たとえば、優しい人と優しくない人なら、優しい人の方が格好いい。仕事ができる人とできない人なら、仕事ができる人の方が格好いい。結果を出す人と出してない人だったら、結果を出している人の方が格好いい。じゃあ結果を出すためにするべきことは何か、そうやって僕は考えます。

— それって流星さんの中で「格好いい人」のイメージが、しっかりできているからですよね?

流星 そうですね。たとえば僕が愛用しているカバンを作ってくれた職人さんも僕にとって「格好いい」と思える人です。すごく素直でピュアな方なんですよ。そういう人だからこそ素晴らしいものが作れるのかな、って思っていて。

— あ、ホストとは全く関係のないお仕事の人なんですね。

流星 もちろんホストでも格好いいなと思う人は沢山いますよ。ただ、できる限り休日などは歌舞伎町から離れて、別の世界で格好いい人たちを見つけるように意識しています。小さいコミュニティにいると、どうしても視野が狭くなってしまいますから。自分のいるコミュニティを否定するのではなくて、なるべくそうじゃない人ともお会いするようにしています。

ポイント:格好いい自分であるために「源氏名」をつけよ

— 今日はありがとうございました。流星さんとお話していて、ホストのイメージがガラリと変わりました。ホストって、もっとイケイケでグイグイくる印象だったんですが、流星さんはずっと話し方が丁寧ですし、物腰が柔らかくて紳士的で、いままでのホストのイメージと違うなあって思いました。

流星 それ、もう僕を口説いてますよ。最高に刺さりました。好きになりそうです、今。人って自分のことを理解してくれてる人に振り向くじゃないですか。まさしくそれですよ。

— なるほど、さっそく今日の学びを活かせた気がします!(笑)さいごに、リクナビNEXTジャーナル読者の男性(特におじさん予備軍の方)にむけて、メッセージをお願いします。

流星 「おじさん」世代にはもっと自信をもってほしいですね。自分の人生を諦めず、色々なことにチャレンジする姿勢をもってほしい。そうすることで自分自身に自信がついて輝きも増しますから、結果的に人も寄ってきます。ちなみに、胸を張って、目線を少し上げるだけでも印象はずいぶん変わりますよ。最近は嫌われることを恐れすぎている人が多いですから。もっと自信をもちましょう。もちろん、配慮は忘れずにね。

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取材・文:園田菜々 撮影:向山裕太

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