毎日仕事が充実している一方で、プライベートがちょっとおざなり、なんてビジネスマンの方も多いのでは。学生の頃と違って、いい出会いは待っていてもなかなか現れないのが悩みどころ。
そんな中、気になるのは巷で流行っている(らしい)“マッチングアプリ”。
家にいながらでも異性と出会えるアプリですが、果たして本当に出会えるのでしょうか……そもそもみんな使ってるの……?
今回はそんな「マッチングアプリって使えるの?」という疑問を、ご自身でも10個のマッチングアプリを利用する恋愛ジャーナリストのおおしまりえ氏にぶつけてみました。
おおしまりえ氏プロフィール
恋愛ジャーナリスト
10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「anan」「週刊SPA!」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。
ブログ(http://oshimarie.com)
おおしまりえ(恋愛ジャーナリスト) (@utena0518) | Twitter
目次
街コン、相席居酒屋…ときて「マッチングアプリ」が出会いの主戦場に
— おおしまさんは、現在10個のマッチングアプリを利用しているそうですね?
そうですね。実際にアクティブに利用しているのはそのうちの3〜4個くらいですが、基本的には新しく出たものや話題になっているアプリは一通り試すようにしています。
— ちなみに主に利用しているマッチングアプリは何ですか?
いま特に利用しているのは、「pairs」、「タップル誕生」、「Tinder」、「with」の4つですね。どれもスマホで利用するときに、メッセージのやり取りなどがしやすい操作性なので続いています。特徴としては、「pairs」や「タップル誕生」は趣味でつながる感じ、「Tinder」は顔写真が主なので少しライトなイメージ、「with」は最近DaiGoさんが監修でリリースしたもので心理テストなどから相性のいい相手を探せるサービスです。
— マッチングアプリって色々な種類のものがありますよね! ただ正直、出会い系のイメージと被っており……。
まだ出会い系のイメージをもっているひとは多いですよね。確かにネットで出会えるという点では共通ですが、いまはほとんどのアプリがFacebookを通して本人確認をしていますし、運営している企業も、mixiグループやリクルートなど知名度のある企業が運営しているというのも特徴です。使う際には保険証や免許証などで本人・年齢確認書類が必要となったり、男性であれば料金がかかるなど、小さなハードルがたくさん用意されているので、わりと本気で出会いたいという人が利用している印象ですね。
— 確かに本人証明などが必要という点は安心感につながりますね。そもそもの話ですが、マッチングアプリって流行っているんですか?
出会いの場としては、いま一番盛り上がっていると思いますよ。というのも、私自身が100回以上婚活イベントなどに伺っているのですが、街コンや婚活パーティーは下火になっている印象です。ピークをすぎてしまっているからか、定員割れを起こしているところが多いんですよね。昨年は相席居酒屋などが流行しましたが、それも今ではなかなか人が集まっていないことが多いようです。相席居酒屋については「タダ飯女(無料の飲食だけを目的に来店する女性)」なんて問題もありましたが、そういったワードが出てきている時点で、市場としては終わりかけなんですよね。街コン、相席居酒屋ときて、今両者ほどブームになっている婚活スポットってないんです。そこにいまマッチングアプリが台頭しようとしている感じです。
— なるほど、マッチングアプリはこれから「出会いの主戦場になる」、という感じなんでしょうか?
出会い系ではなく「マッチングアプリ」という表現で通じるようになってきたあたり、市民権を得てきていますし、流行しているとも思います。色々なアプリが誕生していますしね。ただ、たとえばアメリカであれば、もはやマッチングアプリの出会いってスタンダードなわけです。そういう点では日本ではまだ文化としては根付いていないんじゃないでしょうか。今後は、結婚相談所のような安心感とマッチングアプリのようなカジュアルな出会いを組合わせたサービスが、多く生まれていくんじゃないかと個人的に推測してます。
「忙しい中で効率的に出会いたい」というニーズにマッチ!
— マッチングアプリの一番の魅力って何でしょうか?
一言でいえば、「忙しくても効率的に会える」という点でしょうね。
— 効率的、ですか
たとえば家でゴロゴロしながら出会いを探すこともできますし、わざわざイベントに行くために時間を割いたり、合コンのお店を予約する必要もありません。
— 確かにわざわざ外に出向く労力が必要ないですね
また、相手をよく知るという点でも、マッチングアプリの方が効率的なんですよ。たとえば、街コンとかだと一度にたくさんの人と会うわけです。そうすると1人とお話しするのは最大でも10分程度。正直、それじゃあなかなか見定められないですよね。非効率なんです。マッチングアプリであれば、まずは写真やプロフィール内容などで事前に選別したあと、ゆっくりメッセージでやりとりをして、気が合いそうなら会う、という流れになります。本当にいい人と出会いたいのであれば、マッチングアプリの方が効率的だと思いますよ。
— 確かに短い時間で初対面のひとを見定めるって難しいですもんね
あとは、マッチングアプリであればプロフィール文などに、その人がいくつなのか、年収はどれくらいなのか、仕事は何をしているのか、結婚に対してどういった将来像をもっているのか、などが記載されているので、事前に知ることができます。これもマッチングアプリが効率的に秀でている点ですね。もちろんそこで嘘を書いているという可能性はありますが、そこを見定めるかどうかは、マッチングアプリに関わらず個人として必要な力ですから。
大切なのは習慣化! マッチングアプリを諦めずに使い続けるためには
— それだけ魅力ある出会いのサービスなのに、意外と「出会えないからやめた」という人も多いようです。
そもそも「登録したから必ず出会える」なんて思わないことですね。マッチングアプリを利用する際に、心のどこかで「運命の人とロマンチックな出会いがあるんじゃないか」と期待してしまう人が多いますが、それは大間違い。たとえば、街を歩いていたらたくさんの異性とすれ違いますよね。マッチングアプリというのは、そういうすれ違う異性に声をかけても不自然ではない環境が用意されているというだけなんです。いわば、出会いの場だけ与えられている、というわけですから、そこからは自分の努力が必要になってくるんですよ。
— 確かに、勝手に期待してガッカリしている可能性はあるかもしれません……。ちなみに、具体的にはどういう努力が必要なのでしょうか?
まずはマッチングアプリの利用を「習慣化」することです。知識としてどれだけ出会うためのコツを知っていても継続できなければ意味がありません。マッチングアプリって始めてみると、意外と面倒なことが多いんですよ。毎日メッセージのやりとりをしたり、お知らせがきたり。そういう面倒くささをきちんと日々の習慣として取り入れることですね。たとえば毎日、朝か夜は必ず開くようにする、など。恋愛って結局マメなひとが得しますから。そういう意味でも仕事がデキる男性には向いてるんじゃないでしょうか。とにかく習慣化して毎日触り続けることが大切です。手軽に出会えるんでしょ、なんて軽い気持ちで始めると玉砕しますよ。
ここは押さえておきたい! マッチングアプリで出会うためのコツ
— マッチングアプリで出会いの率をあげるために、コツなどはありますか?
まずは「プロフィール写真」ですね。いまはどこのマッチングアプリも、プロフィール写真で選別してから個人のプロフィールに飛ぶ仕様になっていますから。プロフィール写真がイケてなければ始まりません。
— イケてるプロフィール写真って、そもそもイケメンじゃないとダメってことですか?
そういう意味では決してないですよ。プロフィール写真で意識してほしいのは、「優しそう、いい人そう、楽しそう」、この3つだけおさえておけば大丈夫です。格好つける必要はないんですよ。むしろキメ顔はNGですね。
— キメ顔はNGですか?!
マッチングアプリの難しいところが、「自分をアピールしないといけない場であること」と「よく見せようとする下心が透けるとモテないこと」の相反する二つの性質を兼ね備えているんですよね。なので、「俺ってイケてるだろ」という気持ちが見え見えになってしまうような自撮りやキメ顔はオススメしません。
— 他にNGなプロフィール写真の例はありますか?
必ず「顔を載せる」ことですね。たまにペットや料理、風景の写真だけ載せている人がいますが、顔写真も載せずに連絡をとろうとしている時点で甘いです。ちゃんと顔が明確にわかるものを選びましょう。鼻下を隠すなども論外です。
— 確かに顔がちゃんとわかる人じゃないと返信しづらいですね……。
あとは、友人の顔をスタンプで隠すくらいなら、改めて撮り直しましょう。とにかく第一関門なので、プロフィール写真はイケてるものにこだわることをオススメします。
【出会い率向上!プロフィール写真のコツ】
- 「優しそう、いいひとそう、楽しそう」の3点を意識する
- 画質はいいものを
- 自撮りやキメ顔など、自分をよく見せようとしすぎるものはNG
- 明らかにわかる加工もNG
- 自分の顔を載せていないのは論外
- 友達の顔をスタンプで消すくらいなら新しく撮り直そう
— プロフィール写真以外に気をつけるべき箇所はありますか?
「プロフィール文」と「スペック」ですね。プロフィール文で押さえておくべきポイントは「メッセージを送りやすい要素を入れる」ことです。たとえば、ただ「趣味は旅行です」と書くのではなく、「インドに一人旅してきました」といったように、相手が気になるネタを盛り込みましょう。休日の過ごし方なども同様ですね。ただ「読書をするのが好きです」と書くのではなく、男性であればあえて女性が好きそうな作品名を入れておく。そうすれば相手はメッセージしやすくなります。
— なるほど!
よくテンプレートなどをそのまま用いている人もいますが、あれはやめた方がいいですね。異性は自分以外にも何百人とプロフィールを見ているわけです。そこで全く差別化できていなければなかなか勝負は難しい。
— 確かに当たり障りないプロフィールだと印象に残りませんね。
きちんと相手の立場になって考えて書いてみましょう。相手がメッセージを送りやすいよう、プロフィールは興味を持ってもらえるような内容を書き、ご自身のスペックもしっかりと埋める。そうするだけでも出会う率は格段に上がると思いますよ。
マッチングアプリって、とても攻略性が高いんです。どこかを改善すれば、それが数値となって現れる。だから、男性にとっては意外と相性がいいかもしれませんね。仕事は忙しいけどプライベートも充実させたいという方にはぴったりのサービスだと思いますよ。
取材/文:園田菜々 撮影/編集:鈴木健介