築地といえば、言わずと知れた魚介類の流通の拠点として世界一を誇る市場。市場内だけでなく、市場外にも魚介類の飲食店がいっぱい! でも、築地には魚介類以外にもおいしいグルメがたくさんあるのです。今回はそんな海鮮以外のおいしいお店を紹介します(価格表示は基本税込)。
▲海鮮丼もいいけど、他もね
目次
味の浜藤 築地本店「もろこし揚げ」(320円)
▲プチプチした食感で、おもわず「ホホホ」とほころんでしまうおいしさ。海鮮以外縛り企画でいきなり白身魚も使ったメニューですが大目に見てください
北海道や関東の百貨店、駅ビルで見かけて知ってる人も多い「味の浜藤」。築地本店はイートインもあり、揚げたてアツアツをその場で頬張るのが嬉しいと大評判です。実は創業して90余年とかなりの老舗。合成保存料や合成着色料、化学調味料などは一切使用せず、素材を知り尽くした職人さんだからこそ作ることができる伝統の味を守っています。「いかしゅうまい(260円)」「築地特大マグロメンチカツ(310円)」「レンコンはさみ揚げ(300円)」などのこだわり満載のテイクアウトフードが大人気! その中でも特に「もろこし揚げ」は、プチプチ食感に夢中になった人が続出しています。その表面だけでなく、ふんわりした白身魚のすり身にもコーンがぎっしり詰まっていて、どこから食べてもコーンの香ばしい風味と程よい甘さが口いっぱいに広がります。これはもうビールが欲しくなることウケアイの逸品です。
住所:東京都中央区築地4-11-4 東急ステイ東銀座1F(地図)
TEL:03-3542-2273
営業時間:8:00~15:00
定休日:不定休
築地 さのきや「まぐろやき・本マグロ」(200円)
▲小倉あんの詰まった「たいやき」ならぬ「まぐろやき」。羽根部分も軽くて上品な味で、女性客に人気なのも納得
「マグロ焼き」と聞いて、「築地だから、マグロのカマ焼きかしら」と思ってしまいそうですが、違います。生地はぱりぱり、中は小倉あんがぎっしり&ふわっとした二重の食感が楽しめる「たい焼き」ならぬ「まぐろやき」なのです。小倉あんは北海道・十勝産小豆の最高級品種「豊祝」を使用しており、上品な甘さ。築地ならではの和スイーツとして女性を中心に大人気です。「まぐろやき」は2種類あり、「本マグロ」はパリパリとした食感が特徴。「中トロ」(220円)は表面がしっとり、柔らかい焼き上がりで中に小倉あん+甘酸っぱいあんずが入っています。
住所:東京都中央区築地4-11-9 築地市場場外(地図)
TEL:03-3543-3331 営業時間:8:00~15:00
定休日:日曜日、祝日、休市日
つきぢ松露「たまごサンド」(500円)※
▲売れ切れ必至のたまごサンド。味わい深いのにあっさりとしていてパクパクいける
お寿司屋さんの玉子焼きって格別においしいですよね。そして、築地の玉子焼きにも各店それぞれに違ったおいしさがあるのです。その中でも、玉子焼き専門店「つきぢ松露(しょうろ)」は1946(昭和21)年創業の老舗。元々はお寿司屋さんだったというから納得です。玉子焼きは秘伝の出汁がきいて、コクがあるけどあっさりと食べやすい豊かな味わい。フレッシュな卵(産みたて翌日入荷)を100%使用の本物志向です。そんな玉子焼きのサンドイッチが大人気!正式な商品名は「松露サンド」。パンにマヨネーズと玉子焼きの厚切り(4〜5センチ)のみを挟んだシンプルだけどボリューミーな味わいに「パンと出汁巻き玉子焼きがこんなにも合うなんて!」とリピーターも多いようです。銀座と日本橋の三越、東京駅GRANSTAエキナカ店、渋谷東横のれん街でも購入できますが(※)、お取り寄せ通販はやっていません(玉子焼きはお取り寄せ可能)。数量限定なので平日の場合、朝10時には売り切れてしまうそうです。早起きして、築地で感動の味をゲットしてみて!
(※築地のみ500円。他では648円)
▲お土産に買っていくお客さんも多い
住所:東京都中央区築地4-13-13(地図)
TEL:03-3543-0582
営業時間:平日4:00~15:00/日曜・祝日7:00~16:00
定休日:なし
きつねや「ホルモン丼」(850円)
▲ホルモン丼+半熟玉子のトッピング。こんなんおいしいに決まってる
「きつねや」はカウンター5席に立ち食い用テーブルだけの屋台方式。おいしそうな匂いと湯気に誘われ、連日行列ができる築地の人気店は創業して約70年です。大鍋には、和牛モツやこんにゃくを、創業時から継ぎ足されてきた特製ダレ(数種類をブレンドした味噌)で煮込んだホルモン煮込み。どんぶり飯にこれをドバーッとぶっかけ、たっぷりの刻みネギとともにいただき(かきこみ)ます。新鮮な和牛モツを使ったうえに、時間をかけて煮込んでいるから臭みも気にならず、柔らかい食感も楽しめます。八丁味噌ベースのタレの色が濃く感じますが、意外に重くない&味も良い塩梅。生玉子や半熟玉子(各50円)を付けて、ご飯と煮込みに広げると(お好みで七味唐辛子を少々)箸が止まらなくなることウケアイです。
住所:東京都中央区築地4-9-12(地図)
TEL:03-3545-3902
営業時間:6:30~13:30
定休日:日曜日・祝日、市場休市日
吉澤商店「松阪牛メンチカツ」(350円)
きれいなきつね色にこんがりと揚がったメンチカツ。でも、そんじょそこらのメンチカツとはかなり違います。松阪牛100%で混ぜものなしの極上メンチカツは、ひと口食べると中から肉汁があふれ出すジューシーさ。表面の衣はサクサクのクリスピー食感です。胃がもたれる感じもないので揚げ物は苦手という人にもオススメ。とにかく、松阪牛の脂にうま味があります。ひとくちめは是非ともそのまま食べてほしい。 吉澤商店は一見すると築地にあるお肉屋さんという店構えですが、実はすき焼きのおいしさで名高い高級和牛割烹店「銀座・吉澤」と同系列のお店です。精肉の目利きが厳選し、最高峰のお店にも卸されている松阪牛。そんな極上の牛肉を使ったメンチは毎日大人気。数量限定なので、早めに行かないと売り切れ必至です。
▲ほおばるとハッキリ「あま~い」と感じられる、松阪牛の肉汁を閉じ込めたメンチカツ
住所:東京都中央区築地4-13-15(地図)
TEL:03-3541-4656
営業時間:7:00~14:00
定休日:日曜日、祝日、休市日
Turret Coffee「ターレットラテ」(560円)
▲一杯一杯丁寧に挿れられた、香り高いラテ
ターレットとは市場などで運搬のために使用される小型特殊自動車(ターレット・トラック)のこと。築地のシンボルを店名にし、店内に本物の「ターレ」が置いてある(客席として利用)カフェが「Turret Coffee」。まさに築地のカフェとして、近隣のオフィスや飲食店の人たちだけでなく外国人観光客にも大人気ですが、それは物珍しさからだけではないようです。「リアルコーヒーが味わえる数少ないカフェ」とコーヒー通も絶賛する味わいが口コミで広がっています。一番人気は「ターレットラテ」。褐色と乳白色のマーブル模様が繊細に描き出すラテアートと、ほんのりビターなオトナの味にホッとひと息つける瞬間です。また、「ターレットラテに合うものを」と吟味されたのが店のロゴマークの焼き印が付いた「どら焼き(260円)」。どら焼きはあんと隠し味にバターが挟まれていて、ラテとの相性もばっちり。日本酒のお猪口(お盆にお猪口を並べ、自分が使いたい物を選ぶことができる)でいただく「エスプレッソ」も喜ばれています。
住所:東京都中央区築地2-12-6 SK東銀座ビル1F(地図)
TEL:080-3344-8819
営業時間 :月~土7:00~18:00/日・祝12:00~18:00
定休日:不定休
築地 虎杖 裏店(いたどり うらみせ)「カレーうどん」(800円)
「え? 築地でカレーうどん?」なんて驚いてはいけません。食べてみれば分かります。カレースープは辛さを抑え、クリーミーでさらりとおいしい。和風出汁とカレーとクリームのバランスが絶妙で、ゴクゴク飲み干したくなるほど。とにかく、まろやかです。そして、うどんはしっかりとしたコシの強い中太麺でスープがよく絡みます。こんな相性バツグンのカレーうどんは忘れられない味になるはず。 このお店は、築地で仕入れた新鮮な魚介を活かした料理が売りで、「元祖 海鮮ひつまぶし」や日替わりの夜のメニュー「おばんざい」などが人気の超有名店。「居酒屋」と括られてはいますが、上品かつ、わりとお手頃プライスの割烹料理店のイメージがあり、女性は入りやすいお店です。「カレーうどん」は、平日夜と土日にしか食べられないので、お酒や海鮮料理を楽しんだ後に、シメの一品として食べてみて。ちょっとしたカルチャーショックを受けますよ。
▲麺のコシはあるが固すぎず、もっちりとしてずっとクチに入れていたい食感。もっちもっち
住所:東京都中央区築地4-9-6 ダイヤモンドレジデンス築地1F(地図)
TEL:03-5565-4001
営業時間 :月~金17:00~24:00(LO 23:30)/土11:00~24:00(LO 23:30)/日・祝10:00~22:00(LO 21:30)
定休日:なし
※予約は夜のみ可
【オマケ】他にも“海鮮以外縛り”でオススメのお店
・「鳥藤(とりとう)」の親子丼、ぼんじり丼
・「ラーメン井上」の中華そば
・「パン工房 ル・パン」のあんこクロワッサン
・「茂助だんご」の団子
・「ととや」の焼鳥丼
・「深大寺そば まるよ」のかき揚げそば
・「フォーシーズン」のナポリタン
・「築地山長」の玉串
などなど……
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連日、外国人観光客でごった返す築地。市場内が大盛況なのはもちろんですが、人気の理由は寿司だけでなく、海鮮以外の築地グルメにもあるのです。 外国人が好むキーワードは「できたて」「ワンハンド」「食べ歩き」。欧米から来た外国人の人はマナーなど気にせず手軽&気軽に食べられるジャンクフード的な食べ物が大好き。また中国の人たちはその風習から冷えた食べ物(和食でいうと、おせち料理など)が苦手です。だから、できたてアツアツの築地グルメがツボるわけです。これから外国人観光客誘致のために、新たな商品を考えてる人も参考にしてほしい築地グルメです。 もちろん、散歩がてら築地を訪れた食通の皆さんにも「間違いない逸品」ばかり。 築地の場内市場は2016年11月に豊洲に移転しますが、場外市場は築地に残りますので、海鮮料理以外にも目を向けて、これからも築地グルメを堪能してください。
▲築地場内が豊洲に移転したあとも、場外は築地にあり続けます
文:魚住陽向 (facebook)
編集:渡部真人/大山勇一(アーク・コミュニケーションズ)