カラオケで歌っても引かれない!?珠玉のアニソン5選【オタク社会人ノススメ】

 こんにちは、中年オタク社会人の富士野一徳です。

 カラオケに誘われること、ありますか。

 最近の若い人は昔のように“大勢で盛り上がりたい時はとりあえずカラオケ”じゃないんだとか、いや一周回ってもっと若い人はやっぱり結構行くらしいとか、色々な話を聞きますが、職場によっては同僚や先輩後輩と一曲歌う機会もあるでしょう。オタクにとって、「非オタの人々とのカラオケ」というのは永遠の課題の一つです。

 普段歌っているようなアニソンを歌うわけにはいかない(空気を読まずに熱唱して座を白けさせた経験のある人、手を上げて下さい)。しかし、それ以外のジャンルの音楽になんて正直あんまり興味がない。

 ここは営業用と割り切って「みんながみんな英雄」あたりを覚えておくのも一つの手段ではありますが、やはりせっかくのカラオケならば好きな歌を歌いたい。そしてなろうことなら、好きな歌を皆に聴いてもらいたい。引かれずに。

 そこで今回は、カラオケで歌っても引かれないアニソン、すなわち「一聴してアニソンとは気付かれにくく、知らない曲として聞いてもそこそこ盛り上がれて、なおかつちゃんとアニソンである歌」というのをいくつかお勧めしてみたいと思います。

なお「ちゃんとしたアニソン」というのも定義が難しい話ですが、ここではざっくりと「そのアニメのために作られた曲」「そのアニメの主題歌としての知名度が一番高い曲」といった意味合いと考えて下さい。

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Butter-Fly(和田光司)

TVアニメ『デジモンアドベンチャー』(1999)OPテーマ

 咽頭癌で二度休業して二度復活した奇跡の逆転シンガー和田光司のデビュー曲にして、1999年から四年にわたってフジテレビ系列で放映され、その後も続編などで今なおメディア展開が続いている人気アニメ「デジモンシリーズ」第一作目のOPテーマ。

 冒険に旅立つ少年の背中を押すのにふさわしい爽やかでやや懐かしい感じのメロディ、でもよく聞くと歌詞の内容はラブソングという、実に90年代後半的な曲で、あまり詳しくない人なら「ああこんなJ-POPあったかもなあ」と普通に聞き過ごされそうです。和田光司の歌うデジモンOPには「ターゲット ~赤い衝撃~」「The Biggest Dreamer」など他にも名曲がありますが、シリーズを代表するのはやはりこの曲。一カ所裏声を駆使する必要がある以外はわりと歌いやすいのもいい。

 デジモンシリーズは90年代初頭くらい生まれの男子にとっては一種のソウルアニメであり、聞き手にその年代が混じっているとヒット率が高いかもしれません。ちなみに2000年の短編映画『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』は、『サマーウォーズ』『バケモノの子』等の大ヒットアニメ映画を手がけた細田守監督の出世作でもあります。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

Jiku~未来戦隊タイムレンジャー~(佐々木久美)

『未来戦隊タイムレンジャー』(2000)OPテーマ

 男の子なら誰もが子供の頃夢中になった日曜朝の戦隊シリーズ、その16年前の作品『未来戦隊タイムレンジャー』のOP。これはちょっとネタ枠といいますか、題名にも歌詞にもばっちり「タイムレンジャー」と入っているので「一聴してアニソンとわからない」という条件からはちょっと外れてしまいます。

 ただ、知っている人もいるでしょうがこの曲は戦隊物のOPとしては異色中の異色で、変拍子を多用した疾走感のあるプログレッシブロック。「Go over time and space…」と前奏抜きでいきなりパイプオルガンのかぶさる歌い出しは、「へー、戦隊物にこんな曲があったのか」と面白がってもらえること請け合いです。

 ただし、歌いこなすのはめっちゃ難しい歌なので練習は必須ですが。

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銀河鉄道は遥かなり(ささきいさお)

TVアニメ『銀河鉄道物語』(2003)OPテーマ

 松本零士の傑作漫画『銀河鉄道999』と同じ世界の鉄道警備隊を描いたスピンオフ的作品『銀河鉄道物語』。アニメ自体はわりと地味な作品でしたが、オープニングはもう心臓がシビれるほどのカッコよさです。

 最近のアニソンには珍しくなった勇壮で骨太なメロディに、「男のロマン」という概念を照れずに正面から取り上げるとこうなるというお手本のような力強さと儚さを兼ね備えた歌詞。これに大御所・ささきいさおの歌声が加わると惚れ惚れするようなド正調のアニソンが出来上がるのですが、普通のサラリーマンが人生の応援歌として歌っても十分サマになるだけのポテンシャルを持っています。「銀河鉄道」という名前が題名と歌詞に入ってはいますが、まあこれだけなら岩手県の鉄道の名前にもあるくらいだし、一般名詞と強弁できないこともありません。ちなみに歌詞の内容はざっくり言うと「夢のために新たな道を進む勇気への讃歌」なので、会社を退職して起業する同僚の歓送会などで歌うと効果大。

 なお、ささきいさおの歌は総じてキーが低いので、音域が狭かったり高音が苦手な人でもわりと歌いやすいのも嬉しいところです。

炎のランニングバック(SHORT LEG SUMMER)

TVアニメ『アイシールド21』(2005)第5期OPテーマ

 「少年ジャンプ」で連載されていたアメフトを題材にしたスポーツ漫画『アイシールド21』のTVアニメ化。初期OPがアイドルグループのタイアップ曲だったり、メインキャラに人気芸人をキャスティングしたりと、内容より営業面への注力が目立ち、原作ファンの評価は微妙なアニメでしたが、五つあるOP曲のうち最後のこの曲だけは悪く言う人を見たことがありません。

 作品そのものに直接触れてはいませんが、作品の題材であるアメフトをテーマにしているという珍しいタイプの主題歌で、題名通り何度倒されても諦めないランニングバックの不屈の精神をこれでもかとばかりに熱く歌い上げたスポ根ソング。正直、酒が入っている状態でサビ前のあたりを歌うとちょっと涙腺が緩みます。

SURPRISE-DRIVE(Mitsuru Matsuoka EARNEST DRIVE)

『仮面ライダードライブ』(2014)OPテーマ

 『仮面ライダーW』以降のいわゆる第2期平成ライダーシリーズのOPは、いわゆるアニソンらしさからはわりと遠いハードな楽曲に、作品タイトルをがっつり盛り込んだ歌詞を乗せてくるという独特のスタイルを取っており、そのままでも「引かれにくいアニソン」という条件をかなり満たしているのですが、どれか一曲選ぶとしたらこれ。シリーズ初の「バイクに乗らず自動車に乗るライダー」というなんだか間の抜けたうたい文句ながらも、フタを開けてみれば見応えのある刑事ドラマを展開してくれた『仮面ライダードライブ』の主題歌です。

 歌っている松岡充は90年代後半に「街」「Believe」などのヒットを飛ばしたバンド「SOPHIA」のボーカル。仮面ライダーシリーズの楽曲には『W』の頃から関わっており、「こんなメジャーの第一線で活躍した経験のある人が、タイアップじゃないガチの特撮ソングを手がけるようになったのか……」と当時感慨深かったのを思い出します。
他の平成2期組のOPは大抵シャウトやコーラスが入って初めて完成する歌なのに対し、この曲だけはソロボーカルで大丈夫なのもカラオケ曲としては高ポイント。最近は合いの手まで全部用意されたバージョンのカラオケ曲も普通にありますが、シャウト付きの曲はやっぱり実際にシャウトしてもらえないと今ひとつ盛り上がりませんからね。

 ――いかがでしたでしょうか。いやまあ近年は、アニソンとそうでない楽曲の音楽的な差というのは曖昧もいいところなので、結局は好きな歌を歌えばいいだけというのも真理なのですが。

富士野一徳

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中小企業勤務の40代会社員。

独身。

好きなバンドはダルク・ファクトリー。

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