平成27年に国税庁が発表した「民間給与実態研究調査」によると、給与所得者の平均給与は415万円という結果が出ています。全体のうちどのくらいの割合になるのでしょうか。また、この年収は社会保険料や税金も含んだ額となりますが、実際に手にするのはどの程度の額であるのかも気になるところです。
年収400万円台は全体の13.9%
「民間給与実態研究調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者4,756万人の中で年収400万円台の人は824万人で、全体の13.9%を占めているようです。比率で見てみると、もっとも多い給与階級は年収300万円台で全体の17.3%、次いで年収200万円台で16.9%となっています。
男女別で見ると階級別の順位が異なってくることが特徴的です。男性の場合は年間給与額300万円台の人が18.3%と最も多いことに変わりはありませんが、続いては400万円台の人が17.4%を占めています。女性では、最も多いのは年収100万円台の人で26.2%、次いで200万円台の人が22.1%となり、400万円台の割合はほんの9.0%にすぎません。
その他として、ここ数年間の給与階級別構成比をみていくと、平成22年から平成26年までの間で年収400万円台の人が占める割合は14.3%から13.9%にやや下降しながら推移しています。そのなかでも平均年収400万円台の女性の割合は8.8%から9.0%と微増していて、反対に男性は13.0%から12.8%と微減していることが特徴です。
2015年度の日本人の平均年収は415万円
前述したとおり、平成26年の給与所得者数の平均給与は415万円。前年と比較すると給与所得者数は111万人増加し、平均給与は0.3%、14,000円上がっている様子です。
男女別にみると、男性の平均給与は514万円で前年比0.6%増、女性の平均は272万円で前年比0.3%増となっています。
更に細分化してみていくと、正規雇用者のうち男性の平均給与は532万円、女性は359万円であり、反対に非正規雇用者の男性の平均給与は222万円、女性は148万円と大きな開きがあることがわかります。前年と比較してみると正規雇用者の平均給与は男性1.1%増、女性は0.9%とともに上昇していることが特徴です。非正規雇用者は男性平均給与が1.1%減っていることに対し、女性の平均給与は2.9%と目に見えてアップしているようです。
また従業員数が10人未満である事業所の平均給与は331万円(男性平均411万円、女性平均237万円)、従業員が5000人を超える事業所の平均給与は508万円(男性平均681万円、女性平均268万円)という結果が出ています。資本金を目安に確認すると、資本金2,000万円以下の事業所で働く人の平均年収は353万円(男性平均427万円、女性平均234万円)であることに対して、資本金10億円以上の事業所の平均年収は579万円(男性平均700万円、女性平均341万円)であり、会社の規模によって年収に差が出ていることがわかります。
年収400万円の手取りって一体いくら?
年収400万円の人が実際に手にすることができる金額は気になるところではありますが、職種や年齢や住んでいる地域、家族構成など諸々の条件によって大きく異なってくるものです。しかし一旦すべてまとめた上で平均をとると、年収400万円の人の手取り額は約70%から80%、つまり280万円から300万円程度といわれています。
年間約120万円もの金額は一体何に徴収されているのかということを考えてみましょう。例えば独身、給与所得者で、介護保険料の負担が必要とされていない40歳以下の男性をロールモデルとします。一ヶ月の給与所得から引かれる分としては健康保険料(標準報酬月額の9.97%)、厚生年金保険料(標準報酬月額の17.474%)、雇用保険(額面給与の1.35%のうち0.5%を負担)、所得税が主な項目であり、月収25万円として考えると約6万円程度が推定されます。
これに加えて住民税の納付義務があります。住民税は住んでいる市区町村によって異なりますが15,000円前後とする地域が多く、その場合は年間で18万円がかかってくることになります。
手取り額から予想される出費の際に必要な消費税を計算してみると、年間で10万円から15万円がかかると見込まれます。年間賞与が2度あることを考慮した場合、この賞与にも月収と同様に健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険、所得税がかかってくるため、すべて足すと年間で100万円程度かかることがわかります。年収400万円の場合、約4分の1は税金や保険料などで徴収されるようです。
――いかがでしたか? 平均的な年収400万円のビジネスパーソンの実態をご紹介しました。今後のキャリアプランの参考にしてみてください。