職業によって年収が違う!管理栄養士の資格を活かせる仕事って?

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 管理栄養士とは、厚生労働大臣の免許を受ける国家資格。取得のためには年に1回行われる管理栄養士国家試験に合格しなければなりません。長寿高齢化に伴い、これからますます必要だと考えられている管理栄養士。主な仕事は、病気で入院中の方など傷病者の療養に必要な栄養の指導や、個人の栄養状態に応じた栄養指導など。栄養管理や指導、献立の作成など高度な専門知識が必要です。管理栄養士の資格が生かせる仕事はさまざまで、職業によって年収も違ってきます。リクナビNEXTの会員登録者のデータ(2014年12月~2015年11月)からみた、管理栄養士の資格を生かせる仕事や年収は?

管理栄養士の資格を活かせる職業

 管理栄養士とは栄養管理に関する専門家。病気の人の療養に必要な栄養指導ができ、個人の体の状態や栄養状態に応じられる高度な専門知識や技術を持っているのが管理栄養士です。病気の人や高齢者などの栄養管理や栄養指導、病院や学校、社員食堂での献立の作成、スポーツ選手の栄養指導や食品開発など、その仕事は多岐にわたります。

 最も多いのは、病院での入院患者の栄養管理や糖尿病患者など病気別の集団栄養指導、献立作成、学校や福祉施設・保育園・社員食堂などでの献立の作成や食材の発注及び調理、など。保健センターなどでの乳幼児健診や健康診断での栄養相談なども管理栄養士の仕事です。さらに栄養上改善が必要なことの指導や、給食の献立を調理する人の指導という仕事もあります。

 今後ますます必要とされる分野が、高齢者のための施設や在宅訪問での栄養指導。スポーツ施設などで生活習慣病予防のための指導などを行う管理栄養士も増えています。そのほか、食品メーカーでの食品開発やメニュー開発などの仕事も人気です。

 さらに管理栄養士の資格と他の資格を組み合わせて活動することもできます。管理栄養士としての実務経験が一定期間以上あればケアマネージャーの試験を受けられるため、資格を取得すれば活動の幅も広がります。また、独立行政法人国立健康・栄養研究所の認定試験に合格してNR(栄養情報担当者)という資格を取って健康食品などの利用についてのアドバイスやカウンセリングを行ったり、栄養教諭の資格を持っていれば学校での食育活動も行ったり、ほかの資格と組み合わせて仕事の幅を広げることも可能です。

 フードコーディネーターや料理研究家として活躍したり、フリーで雑誌の執筆やテレビに出演したりする管理栄養士も少なくありません。

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管理栄養士資格を持っている人の平均年収は、288.1万円

 管理栄養士の資格を持っている人の平均年収は、リクナビNEXTのデータによると288.1万円。20代で267.9万円、30代で331.2万円、40代になると371.9万円、50代が355.3万円となり、30代以降の年収の増加が鈍いという特徴があります。

 福祉系の仕事での主な働き先は、特別養護老人ホームや介護施設、保育園など。そのほかにも身体障碍者施設や児童施設などでは専門的な知識が必要とされる食事内容も多いため、管理栄養士が必要とされています。民間の医療福祉関連の企業で働く管理栄養士の平均年収は270.6万円。20代で平均250.2万円、30代で313.6万円、40代で388.5万円と少しずつ上がっていきます。

 管理栄養士の資格を持つ人は食品メーカーなどでの製品開発や製品管理、メニュー開発などの仕事につく場合も多く、その平均年収は311.6万円。品質管理の仕事では平均351.6万円程度になります。

 一方、食品販売業での平均年収は281.5万円。レストランや飲食店など調理系の仕事の平均年収は284.9万円です。店長クラスになるともう少し年収もアップしますが、300~500万円程度と幅があります。

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管理栄養士の年収は、キャリアや能力によって変化

 管理栄養士というのは国家資格。管理栄養士国家試験に合格すると管理栄養士免許を取得できます。取得には、栄養士の資格を取得後、厚生労働省指定の施設で実務経験を積むか、大学や4年生の専門学校など管理栄養士養成施設で必要とされる履修科目の習得や実習をしてから受験します。大卒以上などの受験資格は特にありません。そのため、高卒や短大卒でも受験は可能。資格によって働ける道が広がり、データからは学歴による年収差は見られませんでした。

 年収に差が出るのは、管理栄養士としてのキャリアや能力。年収はどちらかというと就職先による違いのほうが大きいでしょう。

公務員?それとも民間企業?職場によって年収が大きく異なる管理栄養士

 公務員として働く管理栄養士の平均年収は351.4万円。これはアルバイトや契約社員、正社員をすべて含めた年収ですが、正社員として働く公務員に限ると平均年収は485.4万円になります。公務員では年齢が上がるにつれ年収も多くなり、40代では633.3万円にもなり、管理栄養士として民間企業に就職した場合の平均年収を大きく上回ります。

 民間企業の中でも平均年収が高いのが、食品や医薬品メーカーなどの正社員。20代の平均年収が451.3万円と、20代の正社員として働く公務員の323万円を100万円以上上回ります。医薬品や化粧品メーカーなどでは研究職のほか、MR(医薬情報担当者)やMS(医薬品卸販売担当者)、DMR(臨床検査薬情報担当者)として働く場合も多く、深い専門知識が求められるためそのほとんどが大卒または大学院卒の管理栄養士です。

正規雇用と非正規雇用の年収には、大きな開きが

 同じ管理栄養士でも正規雇用と非正規雇用では、年収も大きく異なります。アルバイトとして働く管理栄養士の平均年収は135.4万円。医療福祉系の施設や食品販売、外食などのほか、公務員なども含まれます。

 業務委託として働く管理栄養士の平均年収は299.2万円。契約社員では約257万円、派遣社員では229.2万円です。

 一方、正規雇用で働く管理栄養士の平均年収は310.5万円。これはあらゆる職種の平均ですが、待遇面では正規か非正規かによって差が出てきます。管理栄養士としてキャリアアップを目指すのであれば、正規雇用で働いたほうが年収アップやスキルアップも望みやすいでしょう。

 管理栄養士が働くことのできる仕事は幅広いのが特徴です。学歴による年収の差はほとんどありませんが、職場によって年収がかなり異なります。今後ますます活躍の場が広がると予想される管理栄養士という資格。もし、現在管理栄養士の資格を持っていてさらに年収を増やしたい場合は、管理栄養士+αの資格を取ることも検討してみるとキャリアの幅が広がるかもしれません。

画像:photoAC

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