年金さえも頼りなく思えるこの時代。老後のことを考えると、今のうちから何か資産運用をしなくては……と考えているひとは多いはず。しかし「何から手を付けたらいいのかわからない」「リスクが怖い」「そもそも資産運用に回せるほどの自己資金がない」など、検討することを後回しにしているひともいるのでは? そこで今回20代〜50代の現役世代男女から意見を募り、実際にどんな資産運用をおこなっているのか、その方法を選んだ理由も含めて聞いてみました。
目次
やっぱりリスクが怖い……何もしない「ひたすら貯金」派
「特に何もしていません。普通預金ぐらいです」(30代男性)
「何かあったときのために人並みの貯蓄はしています」(40代男性)
「ハイリターンを求めて運用したいとは思っていますが、一方で『元本は絶対に確保しておきたい』という気持ちも。悲しいかな結局、普通預金に置いておくという結論です」(50代男性)
日夜働いて稼いだお金。一円たりも減らしたくない! とひたすら貯金に回す気持ちは理解できなくもありません。しかしリスクを恐れるというよりは「資産運用は何か得体の知れないもの」と思い込んで、思考停止した結果なら、もったいないかもしれません。
元本割れだけは避けたい! 着実に「定期預金」派
「定期預金のみです。株や外貨に手を出す余裕がない」(30代男性)
「短期の定期預金です。リターンは少なくてもリスクが無いから」(30代女性)
「しばらく使わないお金は定期預金にして、ネットバンクなどの利率が良いところに預けています。少しでも利息がついてほしいので」(30代女性)
「臆病者なので、今はすべて定期預金。『これではいけない』と先日、ファイナンシャルプランナーに相談を申し込みました。投資信託、国債、保険に分散させたいです」(50代女性)
普通預金やタンス貯金のようにただ無為に塩漬けにするよりは、賢明な選択ともいえる定期預金。積立定期預金で給料から天引きすれば、貯金しようという意識を持たずして、いつの間にかお金が増えているような気にもなるのではないでしょうか。また今後、積極的に資産運用を検討するまで、一時的な資金留保先として、定期預金を活用することは効果的でしょう。
株主優待におトク感あり! 「株式投資」派
「利子が少しでも高いところに……と自分では定期預金。株などは親に任せています。売り買いを頻繁に行うというよりは優待目的です」(20代女性)
「気にいった会社の株を最低単位で買っています。優待で美味しいものが食べられて配当もいい。夫のぶんも追加購入して、将来は夫婦で株主総会巡りをするのが夢です。総会土産がもらえるのも楽しみ」(50代女性)
手持ちの資金に余裕があるのなら、株式投資もやはり魅力的。最低限の購入額に留めておけば、「増えれば儲けモノ」と割り切れるでしょう。「どの企業が儲かるか」ではなく、「どんな株主優待がうれしいか」「株主としてどんな企業の応援をしたいか」で投資先を選ぶことは、初心者にはなじみやすい考え方かもしれません。
複数の手段を組み合わせてリスク分散「バランス」派
「子どもにそれぞれ学資保険をかけ、個人的には老後資金にしてもいいし、満期前に解約しても運用次第では多くお金が戻ってくる変額年金保険。株式やFXほど張りついていなくてもファイナンシャルプランナーとの連携で取り組みやすく、確実に手堅いものをと思い、選びました」(30代女性)
「定期預金と株式投資です。今は不動産投資に興味があります」(30代男性)
「自己資金が少ないのでローリスク・ローリターンの堅実派。定期・定額預金、学資保険、積立型の終身保険(生存給付金あり)。株に興味はありますが知識も資金も足りないです。ついに住宅ローン生活も始まりますし……」(30代女性)
もっとも現実的かつほどほどに収益も見込めそうなのが、複数の投資先に資産を分け、リスクを分散させるバランス型。バランス型の中でも比較的ハイリスク・ハイリターンな投資先を選ぶか、ローリスク・ローリターンで堅実に運用するかどうかは、本人のライフプランに合わせて柔軟に対応できそうです。どんなプランが最適か、ファイナンシャルプランナーに相談するのも得策でしょう。
その他、こんな意見も……
「NISAをしています。非課税で優遇されている今のうちかと思って」(30代男性)
「長期的には外貨預金をしています。 失敗してもあまりひどく目減りすることもないので、私には合っています」(30代男性)
「FXをやっていましたが、リターンが大きいもののリスクが高く、疲れてしまいました。今は相場が堅調な金だけです」(40代男性)
実際のところ、「どんな資産運用がいいのか」という問いに答えはありません。投資を行うも行わないも、全てはあなたの選択次第。リスクを取って資産を大きく増やすことがあっても、市場動向に一喜一憂して心身に不調をきたすようでは、元も子もないのでは? 自らの性格やライフスタイル、ライフプランをしっかり見つめ、「どのくらいのリスクなら許容できるか」「優先したい物事は何なのか」を明確にしたうえで、あなたらしい資産運用を検討してみてはいかがでしょうか。
(文/大矢幸世+プレスラボ)