仕事に失敗はつきものです。失敗はしないことが最善です。しかし、失敗を恐れていては仕事がまったく進まず、失敗はしないけれど成功もしない結果になってしまいます。重要なことは、仕事で図らずも失敗したときは、上手に謝罪し、「災い転じて福となす」対応を行うことです。仕事で失敗したときの謝り方・謝罪の基本と、良くない謝り方、顧客や取引先企業への謝罪について説明します。
上手な謝罪方法
スピード最優先でまず謝罪
訪問できれば直接出向いて謝罪します。遠方ですぐに行けない、あるいは相手の都合が悪い場合はまず電話、あるいは手紙、メールですぐに謝罪の連絡を行います。無駄を承知で訪問し、訪問したことを、名刺などを置いて明確にしておくことも有効な方法です。
責任者を同行して謝罪
責任者を同行することで、会社全体で失敗の責任を感じていると思ってもらえます。派手ではない控えめな服装で手土産持参が効果的です。
対面時は誠意を込めて謝罪
相手の目をしっかり見て申し訳ない感情を込めて、失敗によって生じた迷惑、損害について謝罪の言葉を述べます。このとき、目を見て相手の怒りを受け止めると、相手の感情の高ぶりを抑える効果があります。また、相手の言葉をさえぎらないことが重要です。すべてを言い終わるまで待ちます。これも、相手の感情が全部話したということで落ち着きます。
最初の謝罪では言い訳・弁解・虚偽・責任転嫁をしない
一方的なミスの場合は、最初から最後まで一貫して、言い訳・弁解・虚偽・責任転嫁をしないことが大切です。相手の誤解の場合であっても最初は、相手の言い分を肯定して、言い訳・弁解・虚偽・責任転嫁はしません。相手の感情が落ち着いてから、誤解を解くように説明をはじめます。
下手な謝罪方法
基本的には、上手な謝罪方法の反対を行わないようにします。それ以外の注意すべき謝罪方法には以下があります。
謝罪にはなっていない謝罪
例えば、「新品と交換しろ!」という顧客や取引先企業に対して「確かに壊れていましたから、新品と交換します。よろしいでしょうか?」のように、相手の要求には応えているけれど、反省のない謝罪は、怒りを増幅させるか、2度と購入、取引をしてくれなくなります。
誠意の感じられない謝罪
「申し訳ありません。わが社はちゃんと送ったのですが、運送会社の運び方が悪かったのです」。あるいは、軽い声の調子で「すみませんねぇー、すぐに交換しますよー」などと言うと、2度と購入、取引をしてくれなくなる可能性が高くなります。自社の指示や管理監督が悪かったと、態度、声などすべてにおいて謝罪の意を深く示します。相手の要求を100%のむことだけが謝罪ではありません。
失敗を成功へ転換させる方法
早い謝罪、心からの誠意のこもった謝罪、うそのない謝罪は、この人、この会社と付きあっていれば、とても誠実な対応をしてくれると思ってもらえます。また、怒り心頭であった場合も多くの人は、怒りが収まったときには相手に対して少し言い過ぎて悪かったなという借りがあるような感情になっています。
この相手の気持ちを増幅させるため、2度目、3度目と会うたびに謝罪と同じことを繰り返さないようにしていることを伝えます。すると、相手は形式的な謝罪ではなかった、あるいはまだ恐縮してくれているのだと思うようになり、借りを返そうという気持ちになります。そうして、今までよりも強固な信頼関係を構築できます。失敗を失敗で終わらせておくのはもったいないことです。
まとめ
仕事で失敗したとき、つい対応を先送りにしたくなりますが、上手な謝罪方法を実践することで、マイナスをゼロにするだけでなく、プラスにまで持ち上げることが可能です。