進化系「カプセルホテル」がすごい!覚えておきたい厳選4店(首都圏編)

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思わぬ残業、盛り上がった飲み会などで、うっかり終電を逃してしまったとき、どこで夜を明かしますか?カラオケやネットカフェでは身体が休まらないし……というときに「奥の手」として活用したいのがカプセルホテルです。

カプセルホテルといれば温泉やサウナも魅力。昨今のサウナブームもあり、すでにカプセルホテル愛好家の方も多いかもしれません。しかし、いまカプセルホテルというジャンルは大きな進化を遂げています。サクッと泊まれる手軽さやコスパの良さに加え、「あえて泊まりたい!」と思うほど快適なカプセルホテルが登場しているのです。

今回は年間250日以上ホテル宿泊をしているホテル評論家・瀧澤信秋さんに、昨今のカプセルホテル進化の理由と、ホテルを知り尽くした瀧澤さんイチオシのカプセルホテルを聞きました。

瀧澤信秋(たきざわ のぶあき)

ホテル評論家 旅行作家。生活情報サイト「All About」ホテルガイド。ホテル情報専門サイト「Hotelers」編集長。ぐるなび「ippin」ホテルグルメオフィシャルキュレーター。一般社団法人JTWO日本旅行作家協会正会員。財団法人宿泊施設活性化機構(JALF)理事。

日本を代表するホテル評論家として、利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。

あえて行きたい「進化系カプセルホテル」が急増中のワケ

瀧澤さんがホテル評論家として本格的な活動をはじめたのは2014年。1年で60軒近い都内のカプセルホテル全てに宿泊したそうです。(※女性専用施設を除く)

「まずカプセルホテルの定義について説明します。カプセルホテルは旅館業法で定められた「簡易宿所」のカテゴリーに当てはまります。「簡易宿所」は、広い部屋にベッドがあり共有で使うという前提のため、カプセルは部屋ではなく家具(ベッド)という扱いです。運営側としては参入が容易というメリットがあります。

かつてカプセルホテルは、『終電を逃したから仕方なく』という消極的な理由で利用されることがほとんどでした。私も古くから営業し低価格で泊まれる男性専用の旧態型施設”を利用したことがありますが、カプセルホテルをまるで住居のように利用している長期滞在型の男性客ばかりでアウェイ感を味わいながら利用していました(苦笑)。

しかし近年は、女性からも『カプセルホテルを利用したい』という要望が増えています。その背景には女性の社会進出はもちろん、LCC(格安航空会社)などを利用した格安型の旅行スタイル増加により宿泊も多様化したことがあります。その結果、カプセルホテルの女性利用者が増え、かっこよくて綺麗な進化系カプセルホテルが登場してきました」

特に20152016年は訪日観光客の増加に伴い、カプセルホテルは急増したといいます。そのなかで、特に瀧澤さんが感動を覚えた都内のカプセルホテルを4つご紹介いただきました。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

かゆいところに手が届きすぎる!「豪華カプセルホテル安心お宿」

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「このホテル最大の魅力は、チェックインさえすればホテルに置いてある豊富なアメニティが無料ということです。ドリンク、各種身だしなみ用品や高級マッサージチェアまで追加料金なしで利用できます。店舗によってはコピー機まで完備されており、利用は全て宿泊料金に含まれています」

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「また『豪華カプセルホテル安心お宿』の特徴は、スクエア型のカプセルユニットで、容積が広くとられているんです。さらに寝具が人気寝具メーカーのシモンズで揃えられており、とても快適。もちろんカプセルホテルに欠かせない大浴場やサウナも充実しており、快適さでは群を抜いています」

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8,568通り、あなたはどのタイプ?

もはやカプセルホテルではない?「ファーストキャビン」

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「初めて訪れたファーストキャビンは秋葉原店だったのですが、女性客が大勢いて驚きました。なんと入り口に、女性専用フロアへ行くための女性専用エレベーターがあるのです。以前から女性が利用出来るカプセルホテルはあったのですが、男性専用だった旧態型が後から女性用スペースを設けたため、導線が配慮されていないケースも見られました」

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「また『ファーストキャビン』はパーソナルスペースの天井が高く、ロールスクリーンなどで仕切ることができます。そのため個人的には『ファーストキャビン』をカプセルホテルと呼ぶべきか、正直悩ましいです。ビジネスホテルともカプセルホテルとも違う、新たなスタイルのホテルといえるかもしれません」

感涙モノのおもてなし。「グランパーク・イン北千住/横浜」

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「『グランパーク・イン北千住』はデザイン性の高さが魅力で、館内にバーカウンターを設けたさきがけでもあります。また一般的にカプセルホテルは館内でスリッパに履き替えるのですが、『グランパーク・イン北千住』は高級ホテルで見られるようなパイル地のスリッパを用意しています。都内のカプセルホテルでお持ち帰りできるスリッパを提供してくれるホテルは初めてでした」

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「そして昨年オープンした『グランパーク・イン横浜』もオススメ。横浜という立地から船をイメージしてデザインされた休憩スペースには、マンガが多数揃っています。レストランのメニューもおでんや串カツなど変わりダネが多くて嬉しいですね。

この店舗もお持ち帰りスリッパが用意されています。以前私が宿泊したとき、エントランスに用意されたスリッパを履こうとしたらフロントの方が『お客様ですとそのサイズは小さいかもしれませんので、こちらをどうぞ』と声をかけてくださいました。カプセルホテルとは思えないおもてなしに感動しましたね」

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女性限定。和の情緒漂う「NADESHIKO HOTEL SHIBUYA

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「変わり種ですと、NADESHIKO HOTEL SHIBUYA(ナデシコホテル シブヤ)は、女性専用のカプセルホテルです。全体的に和を意識したデザインで、着物を着た女性支配人もいて旅館さながらのおもてなしを受けられます。館内の1階には日本でつくられたお酒を中心とした居酒屋があり、ここは男性も利用することができます」

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「大浴場も充実しており、渋谷とは思えない旅館のような趣があります。しかも通常『11枚』が多いバスタオルも、自由に取って使うことができるんです。そしてNADESHIKO HOTEL SHIBUYA最大の特徴は、館内に撮影スタジオがあるところです。レンタルの着物を着て写真を撮れるので、外国人観光客にも人気です。撮影後にお散歩に行く方も多いようですよ。無料で利用出来る館内浴衣も色鮮やかです」

カプセルホテルを選ぶうえで欠かせない、たったひとつの要素

都内のあらゆるホテルを回った瀧澤さんは進化系カプセルホテルの魅力を図る上で、宿泊の快適さに加えて、パブリックスペースの充実度を重視しているといいます。

「私の持論として、宿泊施設にはストーリー性が欠かせません。これら4つのホテルを選んだ理由は、パブリックスペースに高いエンターテイメント性があるためです。たとえば『無料で味噌汁が飲める』『マンガが読める』など、『あのホテルに行けば、こういう体験ができる』というエンターテイメント性によって、また泊まりたいと感じるのです。『ファーストキャビン』の場合は、パブリックスペースの充実度よりも、パーソナルスペースを重要視しホテル滞在をより充実させ、そのエンターテイメント性を補っていますね。

今回ご紹介したなかで、個人的なイチオシは『豪華カプセルホテル安心お宿』。カプセルホテル業界において、さまざまな新しい取り組みをしています。たとえば最近新たにオープンした荻窪店では、業界で初めてファッションタトゥーの大浴場利用を解禁したり(暴力団および暴力団関係者、反社会的勢力は入館禁止)、朝食に無料でカレーを提供していたり。また、2018年には京都店をオープン予定です。女性も利用出来るそうなので、オープンした際にはぜひチェックしてほしいですね」

「狭いスペースで眠るだけ」というイメージを変える、ホテルスタッフの「おもてなし」が感じられるカプセルホテルばかり。終電を逃していなくても泊まりに行きたくなるほど魅力的です。都内でちょっとした非日常空間を味わえる、進化系カプセルホテルという選択肢をぜひ覚えておきましょう。

WRITING>伊藤七ゑ

編集:鈴木健介
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