年末の大掃除!仕事がはかどるようになるデスクの整理術

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 今年もあと1週間ほどで仕事納め。オフィスも「大掃除」をする時期ですね。

 さて、あなたのデスク、今どんな状態でしょうか? 書類が山積み、引き出しを開けるとゴチャゴチャ…なんてことはないでしょうか。捨てられない資料がたまっていませんか?

 年明け、新たな気持ちで出社したとき、気持ちよく仕事にとりかかれるように、そして仕事が効率よく進むように、しっかりと整理をしておきましょう。

 そこで、整理収納アドバイザーの資格を持ち、「整理ist」として個人や企業の整理整頓をサポートする佐藤亮介さんに、片付けのダンドリとコツをお聞きしました。

スタート前に「何から」「どこから」を決める

 まずは、片付けの段取りを決めましょう。
 何から手をつけるか迷っている間に時間が過ぎていくタイプの人、あるいは、片付けに使える時間が限られていて、片付けを完了できないまま年末年始休暇に突入してしまう可能性が高い人などは、次の方法がオススメです。

1)付箋を用意し、1枚にひとつ、ストレスを感じていること、悩んでいること、解決したいことなどを書く。例えば「引き出しがグチャグチャ」「書類が山積み」「ファイルが探しにくい」「文具が多い」など。

2)書いた付箋をA4用紙に貼る。

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3)全部見渡して、優先順位をつける。「早く解決したい」「すぐできそう」など、自分の基準でOK。悩んだら、とりあえずベスト5だけ決める。

4)付箋を、優先順位の順番に重ね合わせ、1つの束にする。上から順番に着手し、解決したものはめくって捨てていく。

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 この方法なら、1日に30分なり1時間の時間を決めて、1週間程度かけて進めていくことがしやすくなるでしょう。

 なお、付箋を横に並べて貼ると、他の項目が目に入って「やっぱりこっち?」など気持ちが揺らぎ、はかどらなくなることも。付箋を重ね、最優先項目だけが目に入るようにすることで迷わず取りかかることができ、その項目に集中しやすくなります。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

「全部集めてみる」「全部出す」で、自分の所要量を把握する

 整理をする物・場所を決めたら、その対象をすべて「デスク上に出す」「1ヵ所に集める」のが基本ルール。文具や書類であれば、複数の引き出しに分かれて入っているもの、デスク上にあるもの、カバンに入っているものを集めて、デスクの上に広げます。

 これにより、自分の目で、モノの所有量を把握します。「こんなに持っていたのか」と気づくことが大切です。

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整理する対象物を「選択する」「仕分ける」

 デスク上に広げたものを、次の手順で、選択・仕分けしていきます。

1)「ゴミ」化したモノ、近い将来ゴミになりそうなモノを取り除く

 ゴミとはつまり「役に立たないもの」。不要なメモ、書けなくなったペン、プレゼンに使おうと思っていたけれどもう古くなってしまった統計データ、終わったプロジェクトの会議のレジュメ、誰のものか記憶にない名刺、ほとんど見たことがない前任者のファイル、賞味期限切れのお菓子や使用期限切れの薬…。

 一度しか使っていない「瞬間接着剤」や文房具など、次の出番がいつになるかわからないものも、役に立たないという点ではゴミとみなしていいでしょう。

 何となく持っているもの、そこにいつもあるものは、「当たり前の景色」になっていて違和感を覚えなくなっているものです。ゴミはゴミ、と改めて認識しましょう。

2)「今」を基準に、必要かどうかを判定する

 ゴミを取り除いて残ったモノについて「選択」「仕分け」を行うためには、「基準」が必要です。一つ目の基準は「今、使っているのか、使っていないのか」。

 「いつか使うかも」「もしかすると要るかも」「まだ使えるから」「何かに使えるかも」――これらの基準で選択しようとしても、ほとんどの人はうまくいきません。まずは「今、使っている」「今、使っていない」の2つに分類しましょう。

 なお、この「選択」「仕分け」の時に、「捨てる」は絶対に考えてはいけません。どれを捨てようか、捨ててもいいモノはないかな…と、「捨てるモノ」を選ぼうとするから壁にぶつかるのです。「捨てる」は、頭からまずは捨ててください。

3)捨てるかどうか迷ったものは「もし今、手放したとして」を想像する

 「今は使っていないけれど、いずれ出番が来る可能性がある」――こうしたモノを捨てるかどうか判断するのは、もっとも迷い、時間がかかるものです。特に、見積書、企画書、会議のレジュメ、伝票、パンフレット、カタログ、名刺といった書類や資料は、捨てるかどうか迷うものも多いのではないでしょうか。

 しかし、使わないものばかりが溜まり、スペースを取られてしまうと、肝心の「使うもの」を探し当てにくくなります。思い切って捨てることで、仕事の効率が上がります。

 悩んだときには、「もし今それを捨てたら」を想像してみてください。

  • 本当に困るのか、仕事に支障が出るのか
  • 二度と手に入らないのか
  • もう調べようがないのか

 資料はPCに保管されていたり、他のメンバーも持っていたりします。ネットで検索すれば、再度入手できるものも多いはず。「なんとかなる」「なんともならない?」を自分に聞いてみましょう。

 念のため残しておきたい議事録などは、部署のメンバーと相談し「共有ファイル」に保管するのもいいでしょう。ほか、「使わないけど、残しておかないと不安」というものは、スキャンしてデータ保存しておく手もあります。

4)どうしても判断できないモノは1つの箱にまとめて足元へ

 捨てるかどうかの判断がつかないものは、いつまでも悩んでいるのは時間のムダ。「保留箱」を用意しておき、そこに放り込んでおきます。デスクの足元など、空いている場所に置いておき、その状態で一定期間仕事をしてみてください。必要なものがあれば随時取り出して「レギュラー」のポジションに戻していき、結果的に使わなかったものは処分すればいいでしょう。

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残しておくものを「使用頻度」順に収納

「整理収納アドバイザー」の理論では、使用頻度を5段階に分けて考えます。

使用頻度1:毎日使うモノ

使用頻度2:2~3日に1回使うモノ

使用頻度3:週に1回程度使うモノ

使用頻度4:月に1回程度使うモノ

使用頻度5:年に1回程度使うモノ

 デスクには、3~4の引き出しがありますが、使用頻度1のモノと使用頻度5のものが同じ位置に収まっているのは非効率。

 「毎日使う筆記用具」は1番上の引き出しの一番手前、その奥に「2~3日に1回使うクリップやホチキス」、さらに奥に「1週間に1回使うハサミ」、1番奥に「年1回のイベントで使うネームプレート」といったように、使用頻度順に、取り出しやすい位置に収納しましょう。ファイルも同様、使用頻度順に手前から並べていきます。

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片付けへのモチベーションを維持、アップする

 やらなくちゃいけないのはわかっているけれど、「なかなかやる気が起きない」「途中で集中力が切れてしまう」という人には、モチベーションを高めるために、次の方法をお勧めします。

●SNSで「片付け」宣言し、Before-Afterをアップ

 Facebook、Twitter、ブログなどで「今日から整理を始めます」と宣言。整理前の「Before」の写真をアップし、進捗中やBeforeの写真もアップし、報告します。
「がんばれ」「きれいになったね」などのコメントをもらえれば、やる気もわいてくるのでは。

●キレイになった状態の写真を貼っておく

 せっかく片付けても、1週間たつと元通り…ということになりがちな人は、キレイになった状態を写真に収めておき、見えるところに貼っておくとか、PCの壁紙・スクリーンセーバーにしておくのもいいでしょう。キレイになったときの気持ちよさを常に思い出すことで、こまめに片付ける習慣がつきます。どこに何を置くかという「指定席」も記録しておくことができます。

おわりに

 「ビジネスにおいて、なぜそこまで整理が大切なのか」とたずねられることがあります。いくら良い商品やサービスでも、お客様の心が動かなくては購買につながりません。整理とはモノを動かしていくことです。自分のモノが動かせる人であってこそ、お客様の心も動かすことができるのではないでしょうか。

佐藤亮介氏/整理ist

ロハスカタス代表。東洋大学社会学部卒業。食品メーカーなどでの商品開発・バイヤー、フードコンサルタントを経て、モノや物事の「整理」を軸にした「整活」を提唱する「整理ist」 として活動開始。岡山を拠点に全国の個人宅、オフィス、店舗の整理のコンサルティングを手がける。整理により、大幅な経費削減と収益増を実現させている。年間80~100件の講演や研修をこなし、テレビやラジオにも多数出演。著書に『一生使える整理力が3週間で身につく本』(明日香出版社)。

EDIT&WRITING:青木典子 

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