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リクナビNEXTジャーナル

キャリア・ビジネスの情報満載【リクナビNEXTジャーナル】

え、なんでそんなにご立腹!?怒りに振り回されやすい人の特徴

怒りを爆発してしまい、身近な人に当たり散らしてから後悔する。怒っているのに、うまく言葉にできず自己嫌悪に陥る。そんな経験はないだろうか。

日本アンガーマネジメント協会理事の戸田久実氏によると、日本人は感情の扱い方について教育を受けてこなかったため、怒りをどう表現していいのかわからない人が多いそう。

アンガーマネジメントは、1970年代にアメリカで開発された怒りの感情をマネジメントするための感情理解教育プログラムだ。現在では全米の教育機関や企業でも広く導入され、職場環境の改善や業務パフォーマンスの向上にも活用されている。

今回は怒りの特徴や性質、その付き合い方について戸田氏にお聞きした。 

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戸田久実

アドット・コミュニケーション(株)代表取締役。日本アンガーマネジメント協会理事。立教大学卒業後、大手企業勤務を経て研修講師に。銀行・製薬会社・総合商社・通信会社など、大手民間企業や官公庁などで「伝わるコミュニケーション」をテーマに研修や講演を実施。著書『アンガーマネジメント 怒らない伝え方』 (かんき出版)は発売1週間で増刷に。

 怒りを感じるのは当たり前。上手に付き合うことが大切

日本で知られている代表的な4つの感情「喜怒哀楽」。その中でも、怒りはネガティブな印象が最も強い感情です。「怒ることはみっともない」という家庭のしつけを受けてきた人もいれば、怒りまかせに口走ってしまった言葉が原因で、人間関係をダメにしてしまった失敗やその罪悪感から、「怒ってはいけない」「怒りは悪」といった意識を持っている人もいます。けれど、そういった意識があると、怒りはますます扱いが難しくなってしまいます。

怒りは人間にとって自然な感情であり、なくすことはできません。怒りは、心と身体の安心、安全が脅かされそうになったときに感じるため、身を守るための感情ともいわれています。そういった場合に、怒りを持って対応するということは自然の摂理ですし、怒っていいのです。

ただ、怒りまかせに言葉を口走ったり、逆に怒りを無理に抑え込んで、あとから後悔したりすることは避けなければなりせん。怒りの性質についてしっかりと理解し、自分や相手の言動を客観視することで上手に付き合うよう心がけましょう。

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怒りに振り回されやすい人の特徴

怒りに振り回されやすい人は、次の2つの特徴があります。

1.「ゆずれない価値観=べき」が強い

怒りに振り回されやすい人ほど、自分の期待や理想が裏切られたとき、そのとおりにならなかったときに「本当は●●すべきなのに」と思いがちです。家庭のしつけをはじめ、生きている間にさまざまな経験を通してできた「べき」が、誰にでも通じる「常識」「当たり前」と思っていると、イライラしてしまいます。

それを解消するには、自分の「べき」の許容範囲を広げる必要があります。自分にとっての「当たり前」と相手にとっての「当たり前」が違うことや、自分にとって真実と思える「べき」も、すべての人にとっての真実ではないことを意識しましょう。

2.「つらい」「悲しい」「不安」などの感情がたまっている

怒りは「二次感情」とも言われています。怒りの裏側には「つらい」「不安」「寂しい」「苦しい」「疲れた」「悲しい」「嫌だ」「痛い」「困った」といった、本来わかってほしい感情である「一次感情」があります。ところが、怒りが強すぎると、それに気づけません。この一次感情がたまっているひとほど怒りに振り回されやすくなります。怒りを感じたときには、何に対しての怒りなのか、本来わかってほしい感情は何なのかに目を向け、それを相手に伝えるにはどうしたらよいかをまず考えるようにしましょう。

 

️怒りに見られる4つの性質

また怒りには4つの性質があります。怒りの性質を知ることで、自分や相手の言動を客観視することが可能となります。

1.怒りは高いところから低いところへ流れる

怒りは立場、役職が上である人から下の人へ、知識や情報を多く持った専門性のある人からない人へ、発言力の強い人から弱い人へと流れます。

2.怒りは伝染する

怒りは強いエネルギーをもつ感情であるため、ほかの感情よりも伝染しやすい性質があります。

3.身近な対象ほど強くなる

怒りは身近な対象に対して強く向けられます。「長く一緒にいる相手のことはコントロールできるのではないか」という思い込みを持ちやすくなるからです。

4.行動を起こすモチベーションにもなる

悔しさや不甲斐なさからくる怒りをバネにして何かを成し遂げるといったように、怒りは目的に向かって行動するきっかけにもなります。

 

企業研修などで、「攻撃的な上司(部下)との付き合い方がわからない」といった相談をよく受けますが、相手の攻撃性が強いと感じるとき、オドオドし、「こんなことを言ったら、どう思われるかわからないんですけど」と、妙にへりくだった言動をしていないか。「でも」「だって」と言い訳ばかりを繰り返し、相手の攻撃性を高めていないか、そうさせてしまっている自分がいないかと見つめ直すことも時には必要です。

 無論、そうやって伝えても、思う通りに結果が収まらないことももちろんあります。そういった場合は、「これは(相手の)主観であって、一般論ではない」と聞き流したり、相手と対等に向き合って、「私は〜と思っている」と、自分が伝えなくてはいけないことを素直に伝えたということをゴールにすると、怒りの連鎖を防止でき、心がかき乱されることもなくなります。

▼怒らない伝え方について解説した後編はこちら

取材・文 山葵夕子

参照;アンガーマネジメント 怒らない伝え方(かんき出版)

講師歴24年。人間関係の悩みがなくなる「言葉がけ」に特化したコミュニケーション指導に定評があり、これまで10万人を指導してきた戸田氏が、怒りと上手に付き合う理論「アンガーマネジメント」をべースに、怒りという感情の扱い方、相手に伝わる言い方、仕事やプライベートなど、状況別のセリフ、会話を紹介。仕事で怒りが湧いてきたときにどんな言葉を返せばいいか、具体的なフレーズを○×形式でわかりやすく解説しています。