ＳＫＥ４８・菅なな子はロボ女！なんなんの夢と野望

SKE48の菅なな子を知っているだろうか？　ロボ女で、はんだこてが得意で、ダンスが上手で、剣道家で、そしてアイドル！！！　SKE48、いや、AKBグループにこんな子は、なんなんしかいない！

（取材・文／総研スタッフ　高橋マサシ　撮影／三浦健司）　作成日:13.07.12

――　去年の12月から「ななロボ2」をつくってますよね？

なな子

　今、つくってます。前の初号機（←近藤科学株式会社：KHR-HV）は小学生のときのもので、ぽんこつロボットだったので、新たにパワーアップした2号機（←近藤科学株式会社：KHR-3HV Ver.2）に挑戦しています。

　初号機をつくったのは小学校4年生のときで、学校から帰ったら毎日1時間くらい、休日はずっと組み立てていて、1カ月もかからなかったかな。
　でも、小学生だったのでロボットが大きくて、重かったです。あとは、パーツをはめ間違えたときにネジを回して付け替えるのが大変でした。

　2号機は空いた時間を見つけてつくっているんですけど、今回は間違えずにできています。今は、SKE48のお仕事と学校の勉強もあるので、前にどこまでやったかを思い出す作業が大変ですね。
　それと、久しくドライバーを握ってなかったので、つくり始めた次の日は腕が筋肉痛になりました。ネジを締めるのは好きなんですけど、握力がなくなってたんです（笑）。

――　2号機はどんなところが特徴ですか？

なな子

　形はほとんど変わらないんですけど、いろいろなダンスをさせたり、腕立て伏せなどのアクロバティックな動きが、もっとスムーズにできるようになればと思ってます。初号機はモーターが古かったせいか、SKE48のダンスを踊らせると負荷が大きくなって、踊れなくなっていたんです。今度はモーターが新しいので動きはよくなると思います。

　こうしたロボットのキットでは、モーションのプログラムを簡単に組めるようになっていますから、入力して登録して、リモコンで動かします。2号機はもうほとんどできているので、みなさん、完成発表を待ってて下さい！

――　SKE48の中でも「ロボ女」は珍しいでしょ。

なな子

　ロボットなんて言っている人はいません（笑）。アニメのロボットを見ている子はいるんですけど、実際にロボットを扱っているのは、SKE48というより、AKBグループの中にもほかにいないと思います。

　私、ロボットとひと口に言っても、いろんな種類があると思うんです。人間より優れた能力を発揮するためのロボットもあると思うんですけど、私がつくっている二足歩行ロボットは、どれだけ人間の動きに近づけるかを楽しむのがキモだと思います。

　ロボットですから、動きに限界はあります。そこをうまく工夫して、人間と同じような動きを表現するために、限界に挑戦するのが楽しいです。今はいろいろなタイプのロボットがあるので、他のロボットにもとても興味があります。

――　ロボットキットだけでなく、なな子さんは「部品萌え」とか。

なな子

　そうなんです！　小学校低学年から地元の発明クラブ（少年少女発明クラブ）に入っていたので、はんだこてを教えてもらって、部品を基板につけたりしていました。ソーラーカーなんかもつくってましたね。あと、お父さんもはんだこてを教えてくれました。

――　え、はんだこてを使えるんですか？

なな子

　当然です。そのころはおもちゃ感覚だったので、はんだこてをカワイイって思いました。あ、もちろん今でもそう思ってますよ。女の子ではんだこてを使える人って少ないんですよね。なので、中学校の技術の授業では、はんだこてでヒーロー（←ヒロイン）になりました。

　教室の中を回って、周りの友達に「こうするんだよ」って教えてあげましたし、授業でラジオを組み立てたときは、精密かつ早く終わらせたので、とてもいい成績をもらいました。

――　はんだこては今でも使える？

なな子

　余裕で使えます。

――　ロボットはこれからもつくっていく？

なな子

　最初につくった小学生時代からずっと離れていたんですけど、今回2号機に挑戦してみて、改めてロボットをつくる面白さが実感できました。これからもずっと続けたいです。

――　Tech総研の読者はエンジニアで、ロボットを開発する技術者も含まれます。エンジニアにはどんなイメージがありますか？

なな子

　エンジニアさんって、新しいものを切り拓いていく人たちですよね。とっても難しいことだと思うんです。でも、それによって、世の中に可能性が広がって、私たちに力を与えてくれるのだと思います。

　例えばですけど、新しいロボットが完成して、こんな新しいことができるようになりました、というニュースを聞くだけで、ドキドキしてうれしくなります。未来が楽しみになります。私はもちろん、エンジニアさんたちを応援しています！

――　なな子さんは理系？

なな子

　そう見えますか？

――　前にラジオ番組（東海ラジオ：SKE48 1+1は2じゃないよ!）を聴いていて、そうかなと。SKE48の仲間と「晴VS雨」の話になって、なぜかなな子さんが「雨」になったんですね。で、なな子さんが「晴も雨も別に差はないよね」と言ったんです。

なな子

　はい。覚えてます。

――　それに対して仲間が「晴れると洗濯物が乾くし」と言うと、なな子さんが「乾燥機に入れればいいじゃん」。再び相手が「おひさまの香りがするし」と言うと、「柔軟材でできます！」と答えたんです。
　結果が同じなら過程が自然でも技術でも構わないというのが、理系的な思考なのかなと。

なな子

　おお！　そうですか。ごめんなさい、実は文系なんです。ただ、お父さんがバリバリ理系のエンジニアなので、理系が移ったのかもしれません。うちの家族はご飯のときにすごくしゃべるんですね、兄とも弟とも。話題は大したことではないんですけど、そこで理系が移った無意識理系という可能性はありますね。

――　では、あまり数学とかは得意ではない？

なな子

　数学は、やればできるんです。勉強すればできるようになるんです。高校受験のために勉強したときは数学が得意になりましたし。でも、今は国語のほうが得意です。

――　エンジニアのお父さんはロボットの世界大会で優勝したとか。

なな子

　はい！　それがロボットを始めた一番のきっかけです。ロボットのキットが家にあって、つくりたいと言ったらくれたんです。初号機の組み立てでネジ山が潰れたときにはペンチで抜いてもらったり、お父さんには助けてもらいました。

　お父さんもそうなんですけど、兄と弟がいて、私は家族に影響されやすいみたいです。発明クラブも兄が入っていたので入りましたし、サッカーや剣道を始めたのも兄弟の影響です。

――　剣道はずっと続けて2段の腕前とか。すごいです。

なな子

　兄が剣道部で、家で練習しているのを見てたらやりたくなっちゃって、小学生から始めました。コツコツと級を取っていって、中学2年で2段になりました。今は、稽古をするのは体力的に無理だなと思って、家に置いてある竹刀でたまに素振りするくらいです。

　男兄弟に囲まれたので、小さいころから近所のやんちゃな男の子たちと一緒に、カードゲームや水鉄砲で遊んでました。私のルーツはあんまりアイドルっぽくないんですよね（笑）。

――　どうしてSKE48に応募したんですか？ロボットが関係してる？

なな子

　ロボットは関係ないです（笑）。実は私、小学校1年生からダンスを習っていて、ステージの上でダンスをしたかったんです。今では公演でステージに立てるのが楽しみですし、SKE48は変わった子がいっぱいなので、とても気に入っています。ひとつ何かに秀でているというか、ひと癖ある子が多いので、一緒にいて楽しいですね。

　でも、SKE48の中で、私には誇れるものがなかったんです。ちょっと寂しく思っていたときに、テレビ番組などで「ロボットを操作する女の子」として紹介していただきました。「私にはロボットがある！」って思えるようになって、ロボットが自分の個性につながり、それが自信になりました。

――　もともとはアイドルになりたかったわけでない？

なな子

　AKB48さんのファンだったので、それがSKE48に入りたいと思う動機にはなりました。でも、自分がアイドルになるとは夢にも思っていなかったです。ただ、パフォーマーになりたいと思っていて、SKE48に入ってアイドルもパフォーマーだってことに気付いたんです。

　なので、今とても充実しています。入るときはダンスのほうが好きだったんですけど、活動していく中で歌もどんどん好きになりました。でも、「どちらが好きか？」って聞かれたら、やっぱりダンスのほうが好きかな（笑）。

　これからは、本格的なダンスを見せられるように頑張りたいです。フリは多くても、ダンスというダンスをやっていないので、初心に返って、もっともっと踊りたいです。ファンの方にきちんと見せられるように頑張りたいです。

――　SKE48は名古屋が拠点ですよね。先週、取材で言ってきました。いいところですね。

なな子

　え、そうなんですか！　何食べました？

――　ひつまぶしと味噌カツ、どちらも美味しかった。

なな子

　東京にはひつまぶしのお店はいっぱいありますか？　小学校の給食とか、昔から普通にひつまぶしを食べていたので、ひつまぶしは日本人が普通に食べているものだと思ってたんです。名古屋のものだと知ったのは最近で、驚きでした。

――　小学校と言えば、中学校かな、生徒会長だったんですよね？

なな子

　はい。なんだろ、小学校のときからずっと生徒会に入ってて、学級委員もずっとやっていました。理系か文系かはわかりませんけど、企画することが好きなんです。生徒たちで何か学校のことを企画できるのは生徒会ですからね。

――　なるほど、リーダーシップもマネジメントスキルもあると。SKE48も人数が多いから、なな子さんがまとめ役になっているとか。

なな子

　リーダーシップなんてないです！　キャプテンやリーダー、それに大人メンバーや先輩メンバーがまとめてくれますから。同期生の中では、同じ年代の子が多いので、引かないで出るようにはしています。私、負けず嫌いですから。

――　もし、来年もAKBグループの選抜総選挙が開催されれば、なな子さんは立候補しますか？

なな子

　はい。そのつもりです。エンジニアのみなさん、SKE48と菅なな子を応援してください！

　「今までのSKE48とは違った楽曲なので、SKE48に興味がなかった方にも聴いていただきたいです。『Wild＆Sexy』がテーマで、MVの撮影では沖縄の砂浜で踊り明かしました。
　砂浜にサンゴが隠れていたので、踊っていて足が痛いって言ってるメンバーもいましたけど、私は平気でした。剣道やっていたので足の裏が強いんです（笑）」――菅なな子
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