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Webビジネス、BtoCサービスに携わりたいエンジニアに大チャンス!
SNS先駆者グリー田中社長がエンジニア採用強化宣言
会員数1500万人を越えた「GREE」。テレビCMなどの大規模プロモーション活動を展開し、ネット業界でも異例の急成長を遂げたグリーの次の目標は、会員3000万人突破と、PC版の大規模刷新だ。業界にはこだわらず、幅広い経験を積んだのエンジニアが欲しい、と語る田中社長の真意を聞いた。
(取材・文/井元康一郎 総研スタッフ/宮みゆき)作成日:09.10.21
[Part1]「GREE」を急成長させたモバイル戦略
モバイルシフトで急成長した「GREE」
グリー 田中良和氏
グリー株式会社 代表取締役社長
田中良和氏
ソニーコミュニケーションネットワーク、楽天を経て、2004年に個人でソーシャル・ネットワーキングサービス(以下、SNS)「GREE」を立ち上げた。株式会社化を経て06年にケータイ向けSNSの本格展開後、業績が急成長。Webサービス業界の寵児。

 SNSで成長したグリーは、2004年末に発足したベンチャー企業。従業員111人、平均年齢29歳(2009年10月現在)という若い会社である。発足後しばらくはPC向けSNSを主体としていたが、06年にモバイル版「GREE」の展開を本格化。それを境に、業績を急速に拡大させた。08年には東証マザーズに上場。10年6月期決算では売上高271億円、営業利益は140億円に達する計画だ。

 急成長の原動力となったのが、グリーの自社開発によるモバイル向けソーシャルゲームのサービスだった。不思議なペットを育てながらユーザ同士で交流を楽しむ『踊り子 クリノッペ』、SNSと連動した釣りゲーム『釣り★スタ』などのメガヒットを連発し、総会員数は1500万人に達した。

「今年5月には、月間の会員純増数が100万人を越えました。ユーザ層は全国に分散しており、男女比はほぼ半々。また、モバイルサイトといえば若年層というイメージが強いですが、30代以上のユーザが約4割を占めるなど、バランスは非常にいいですね」 社長の田中氏は語る。会員数1500万人というのは、きわめて大規模な数字だ。そして今なお増加を続けている。

図1:「GREE」の会員構成図1:「GREE」の会員構成
田中良和氏 図2:グリー登録会員数の推移
常にユーザのニーズを把握することで、次のアイデアを生み出す

 「GREE」はテレビCM、新聞広告、渋谷駅前をジャックする大型街頭広告など、ネット企業としては異例の大規模なプロモーション活動を行ってきた。しかし、急成長の要因はそれだけではない。

 「GREE」がユーザ純増数ナンバーワンを取るなど、競争を優位に進めることができているのは、「常にユーザニーズを把握し、コンテンツを進化させているから」(田中氏)だという。
「広告で認知度を上げるのは大切なことですが、それだけではユーザは居着いてくれない。そこで365日、「GREE」のコミュニティをウォッチして、ユーザの皆様がうちのサービスを面白いと感じてくれているかどうかを察知しています。より良いサービス作りに終わりはないし、今までになかった素晴らしいものを提供できれば、さらに多くのユーザが「GREE」を訪れてくれます」(田中氏)

 ソーシャルゲームをキラーコンテンツとするSNSのビジネスモデルは、何も「GREE」だけのものではない。最近では海外の最大手SNS「Facebook」のプラットフォーム上で様々なソーシャルゲームが提供されてブームとなっている。「Zynga」や「Playfish」といったソーシャルゲーム専門のデベロッパーの台頭も追い風となり、エンターテインメントコンテンツの“ソーシャル化”は全世界的な潮流となりつつある。「GREE」は、ユーザとの絶え間ない対話を重ねることで、国内ソーシャルゲーム市場の代表的なプレイヤーへと成長してきたのだ。

図3:プロモーション展開例
[Part2]目標は会員3000万人。次のグリーには異質な価値観が必要
大規模SNSはもはやリアル世界であるのと同じ

 会員数1500万人を越えた「GREE」。これだけの人数が集まると、単なるSNSサイトにはとどまらなくなってくると田中氏は言う。
「1000万人を越えると、バーチャル、リアルの境界線を引くこと自体が無意味になってくるんですね。もはや「GREE」をバーチャルなんだという意識を持たず、ごく普通に多くの人とリアルなコミュニケーションを求めてアクセスするという使い方が一般的になってきています」(田中氏)

 もちろんリアルと言っても、インターネットを介したコミュニケーションであることに変わりはないが、人が大勢集まればそこに通信販売や情報配信などのビジネスが生まれ、またユーザ側も新しいサービスの誕生を期待するようになる。
 田中氏は、新しいサービスの境地を求めるため、次の獲得ユーザ数の目標を、3000万人に置いている。3000万人といえば、日本の人口の4分の1に迫る数である。
「現在、「GREE」の会員数は1,500万人。SNSで単に日記や掲示板を楽しむだけでなく、釣りやペットなどのゲームで遊びながら、さらなるコミュニケーションの広がりを楽しめることが特徴です。コミュニケーションを軸とした娯楽性を備えるSNSはまだ少ないため、やがては会員数3,000万人規模にまで広がるだろうと考えています。そうなれば、日本人の4人に1人が「GREE」のユーザということになり、テレビや新聞などのマスメディアに匹敵する規模になります。さらに幅広い年代へ展開していけば、やがては日本全体に影響を及ぼす大きなメディアになる可能性も秘めています」(田中氏)

グリー 田中良和氏
異質な価値観のぶつかり合いから、革新的な発想を生み出す
グリー 田中良和氏

 今の延長線上ではなく、非連続的なジャンプをする発想が巨大SNSには必要だという。
「これまでは、少数の人間がアイデアを出し、それでサービスを作ってきました。が、いくら能力のある人材がいても、それが少人数では発想の幅も多様性も足りない。会員数3000万人へ挑戦するには、異質な価値観のぶつかり合いからしか生まれないような革新的な発想でのサービス作りが必要だと思っています」(田中氏)

 次なる目標の達成に向けて動き出した「GREE」は今、様々な人材を募集している。次世代サービスはまだ開発中だが、「ポータルサイト化はあえて目指さない」と、田中氏は言う。だが「GREE」だけでなく、ソーシャルアプリ市場は今後さらに拡大することが見込まれており、「GREE」はこの分野でさらなる成長を追求するという。そうなれば、サービスの多様化もますます進むことは確実で、それに伴って開発系、企画系など多くの分野でエンジニアへのニーズを高めている。

「インターネットを通じて、世界をより良くする、毎日を楽しく幸せに、社会を自由に、効率的にしていくというのが私の当面の夢です」(田中氏)
 SNSは今、単なる娯楽から社会におけるコミュニケーション革命のツールへと進化しようとしている。エンジニアにとって、今はその担い手となる絶好のチャンスと言えよう。

[Part3]未知の領域への挑戦。だから多様なバックグランドが欲しい
「GREE」の開発に生かせるスキルは多様

「SNSの利用者は今も急速に増加し続けています。今後、「GREE」の会員数が2000万人、3000万人と増えていくことを考えると、これからはまったく経験のない領域へのチャレンジになります」(田中氏)
 田中氏は、次世代のソーシャルゲームは現行の『釣り★スタ』、『踊り子 クリノッペ』などのヒット作ともまた異なるものになるかもしれないと考えている。

「まずはアイデアを出す人、それらをどう実装してサービス化するか考える人、高品質のプログラムを組めるスキルのある人など…他にもSNSのサービスをより素晴らしいものにするために役立つスキルがあるかもしれません。いいサービスを作るためにも、様々な才能をもった仲間が欲しい」(田中氏)
 モバイルのソーシャルゲームは一見シンプルなようだが、実際には多くのテクノロジーの集合体だ。ソフト、ハードを問わずモバイルに詳しいエンジニア。ネットワーク、Java、オープンソース、DBなどの要素技術に詳しいエンジニア。さらにはFlash職人やゲームデザイナーも必要となる。ソーシャルゲームの開発に活かせるバックグラウンドは実に様々だ。

グリー 田中良和氏
アイデアをどう実現するかという発想力が大事

 端末上で見える部分の開発ばかりではない。数千万人ものユーザのサービスともなると、操作リクエストがサーバに与える負担も想像を絶する大きさ。それらを効果的に処理したりセーブデータを確実に残したりする必要がある。
 これまでは、例えば『踊り子 クリノッペ』ではゲームデータをDBに丸ごと保存しておくのではなく、アプリが終了するときの状態をいわばスクリーンショットのように記憶させることで、サーバの負荷を減らすといった工夫をしてきた。

グリー 田中良和氏

「負荷が大きくなると、バックエンドでもっとうまくデータ処理の分散を図って、処理能力をできるだけ効率的につかってやる必要があります。このように、サービスの品質向上にはいろいろなところに高度な知識が求められるのです。例えば、アルゴリズムを工夫するには、数理処理に詳しい人材が不可欠です。なので、我々に必要なのは、何か一つでもいいので、際立ったスキルや才能を持ったエンジニアなのです。常に自分のアイデアの実現に積極的になれて、かつ失敗を恐れずチャレンジできる方と一緒に働きたいですね」(田中氏)
 これまで見てきたように、「GREE」はもはや単なる遊びではなく、リアルワールドのコミュニケーションと密接に関わる重要なメディアとなる可能性が出てきている。創造的なエンジニアにとっては、大いに活躍できる場であるようだ。

「GREE」の開発思想「GREE」の開発思想
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2004年2月に、ソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS) 「GREE」を公開、日本だけでなく米国・欧州などグローバル展開を進め、世界で億単位のユーザー数を目指すソーシャルメディア事業をはじめ、ソーシャルアプリケーション事業、プラットフォーム事業、広告・アドネットワーク事業等を展開しています。続きを見る

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