失礼にならずに相手の「本音」を聞き出す“7つ”のコツとは?

ビジネスで大切な質問力。あなたは自信がありますか?

「お客様のニーズをヒヤリングする」「わからないことを上司に確認する」など、都度、質問シーンはやってきます。でもタイミングがわからなかったり、失礼になったらどうしようとまごついた結果、的を射た回答を得られない人が、意外と多いようです。そこで今回は広告代理店勤務時代に3,000人以上のVIPと交流し、彼らの効果的な質問の仕方を研究している気配りのプロフェッショナル・後田良輔さんに「本音を引き出す人の質問の工夫」について話を伺いました。

「本音を引きだす質問のコツ」とは?

同じようなことを聞かれ、Aさんには普通に答えたのに、Bさんには秘密にしていたことまで話してしまったという経験はありませんか? 決してBさんが特に好きとか親しいというわけではありません。AさんとBさんともに同じくらいの好意度にも関わらず、なんとなくBさんの方に本音を語ってしまったという感じ。この「なんとなく」がくせ者なのです。人は誰でも他人に質問し、「聞く」ということを毎日繰り返しています。でもこの「聞く」と「本音を聞き出す」はまったくの別物です。より分解すると「聞く」は受動的で「本音を聞き出す」は能動的となります。つまり同じ質問でも、ビジネスにおいては能動的に結果を引き出さなければ意味がないのです。この能動の姿勢が、競合会社や社内のライバルたちとの差を広げてくれます。

私が出会ってきた3000人のVIPたちもちょっとした能動的な質問を混ぜて、よい結果を引き寄せていました。しかもこの能動的な質問は、「言葉・行動・タイミング」の工夫で簡単に実現できます。ちょっと意識すれば誰でも真似できるので、やらない手はありません。ちょっとした質問の工夫で人生は180度変わることもあります。では次から簡単に真似できる7つの質問の工夫を見ていきましょう。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

×「夕方に質問する」 〇「朝いちばんや昼いちばんに質問する」

同じ内容の質問でもタイミング次第で相手の反応は変わります。例えばあなたが帰りがけにも関わらず、後輩から何かを質問されたらちょっとムカッとくることもあると思います。質問は疲れが溜まった夕方よりも、相手がリフレッシュした朝いちばんやランチあとの昼いちばんの方が良いものです。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

×「自分一人で」 〇「先輩や上司と一緒に」

すべての問題を自分ひとりで解決するのがよい手段とは限りません。例えば自分より役職が上の人へ質問する場合。あなたが一人で質問に行くよりも、先輩や上司に同行してもらって質問する方が、相手のメンツを立てることができる場合もあります。状況や質問内容によっては、チームで質問した方がベターな場合があると覚えておきましょう。

×「たくさん質問する」 〇「3つに絞って質問する」

質問の数にも工夫が必要です。相手も人間なので、1度にたくさん質問されると疲れたり、そもそもの話の論点がぼやけたりします。思いつくままたくさん質問するのではなく、相手に会う前に、事前に「3つまで」質問を絞りこんでおきましょう。これにより自分の中で疑問点が整理でき、相手にも理解しやすい質問ができます。

×「手ぶらで質問する」 〇「資料を見せて質問する」

あなたが考えていることと、相手が考えていることが同じとは限りません。込み入った質問をする際は、資料の内容を思い出しながら質問するのではなく、資料そのものを相手に見せて、ここの部分を質問させてくださいと切り出してください。手ぶらでは議論が拡散しますが、相手に資料を見せれば、効果的かつ濃密な質問ができます。

×「メールで」 〇「メール後、電話で」

ちょっとしたことを質問する際にメールで質問する人が多いと思います。でも本音を引き出すという点で考えると、ミスマッチが多く発生し、もったいないことになりがちです。本音を引きだす人は、質問をメールで送り、その後電話でフォローしています。メールの返信文章はウソをつきますが、肉声はうそをつきにくいものです。正しいヒヤリングは肉声に宿ると覚えてください。

×「できますか?」 〇「できるとしたらどうすればよいと思いますか」

何かをお願いしたいとき、あるいは難しい課題の解決策を質問するときなどに「〇〇はできますか?」と質問する場合があります。そんなときは「できるとしたらどうすればよいと思いますか?」と言い換えてください。できる・できないで聞くと、難しい場合は「できない」とあっさり言われますが、このように聞けば、相手の頭は「ゴールからの逆算」で回転し始め、できる解決策を答えてくれます。同じようなことでも、言い方を変えるだけで、結果は変わることが多々あるので覚えておいて損はありません。

×「以上でよろしいですか」 〇「他に何か心配な点や気になることはありますか」

打ち合わせの締めに本音が潜んでいます。通常、「以上でよろしいですか」というように打ち合わせを打ち切りますが、本音を引き出す人は「他に何か心配な点や気になることはありますか」と再確認しています。打ち合わせやミーティングが終わったからといって相手の疑問点がすべて解消されているわけではありません。きちんと相手に確認し、要望の伝え漏れがないかを確認するのが本音を逃さないコツです。

まとめ

質問の上手い下手は、ビジネスの結果に直結します。一見簡単にできそうな質問だからこそ、おろそかにせず、本音を引き出すためにはどうすべきかと考えてみてください。

「言葉・行動・タイミング」など、ちょっとした工夫で劇的に結果が変わります。コミュニケーションが大切な時代だからこそ、相手に「この人はちょっと違う」と思われる工夫を仕掛けてみてください。あなたの人生は質問の仕方で変わることもあるのです。

 

後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト

後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト

1972年生まれ。大手3大広告代理店に勤務し、「誰でも使える気配り術」を駆使する気配りのプロフェッショナル。これまで応対したVIPは、東証一部上場社長、世界企業のCEO、政治家、医者、弁護士、大学教授、大物俳優・女優、ミリオンセラー作家、世界No.1クリエイターなど総勢3000名を超える。この特別丁寧に接しなければならない顧客との交流で磨かれたスキルと「東京・名古屋・大阪」の現場勤務で身につけたリアルな経験を組み合わせた、独自の「誰でも使える気配り術」に定評がある。
著書に、『気配りの正解』(ダイヤモンド社)『<落ちこぼれでも3秒で社内エースに変わる!>ぶっちぎり理論38』(ダイヤモンド社)、『逆境を活かす! 就活面接「エモロジカル理論」2015年度版』(実務教育出版)『1秒内定面接術」』(インプレス)など。これらの実績を買われ全国の大学や企業から講演・研修依頼が殺到。新聞・雑誌などメディア露出は50回以上。「世界からキャリアの悩みをなくすこと」をミッションとする。

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