【Excel(エクセル)術】自動で計算されない?よくある原因と対処法

エクセルを使用していて便利な機能といえば再計算機能がそのひとつです。エクセルの再計算には自動計算と手動計算があり、基本的には自動計算が設定されています。しかし、時には自動計算されないことがあります。特に会社などで他の人が使用したあとに使おうとすると、この現象が起こりやすいです。そこで今回は、自動計算されないときに考えられる要因と対処法を紹介します。

※本文に記載した設定方法はすべてOffice2016の操作です。

自動で計算されない?よく見られる原因と対処法を解説

自動計算されない時の要因と対処方法

エクセルで自動計算されないときに考えられる要因としては、エクセルの設定が違う、もしくは数式や関数が違うことが挙げられます。

考えられる原因1.計算方式が「手動」になっている

エクセルの設定で「手動計算」が適用されてしまっている場合、自分で「再計算実行」をクリックするか、「F9」キーを押さなければ再計算はされません。自動計算がされないときには、まず以下の手順で設定が手動計算になっていないかを確認してみましょう。

  1.  [数式]タブの「計算方法の設定」をクリックします。
  2. 「自動」、「データテーブル以外自動」、「手動」の3つから計算方法が選べるようになっています。この時「手動」チェックが付いている場合は、手動計算が適用されているため、「自動」をクリックします。
  3.  これで自動計算が適用されます。

考えられる原因2.セルの書式設定が「文字列」になっている

また、設定が自動計算になっているにも関わらず自動計算されないときには、セルの書式設定が「文字列」になっているかもしれません。通常、セルの表示形式は「標準」になっており、数値かそれ以外の文字かを自動的に判断して適切な処理を行うことができます。しかし、セルの表示形式が「文字列」になっていると、数値を入力してもひらがなやカタカナと同じ扱いになります。その結果、文字は計算することができないので自動計算も適応されないという現象が起こります。

セルの表示形式の変更を行う方法は次の通りです。

  1. 「ホーム」タブの「数値」グループにある白いボックス(表示形式)の三角印(プルダウンメニュー)をクリックします。
  2.  いくつかの項目の中から「標準」もしくは「数値」を選ぶことで設定は完了です。

それ以外に考えられる原因

上記以外に考えられる原因をご紹介します。

まず、数式や関数が違っているときには自動計算がされません。特に関数を使用するときには「関数の挿入(fxと表示されているボタン)」を使わず、手動で入力するときによく生じる現象です。バージョンによって「関数の挿入」に含まれている関数と、そうでない関数がありますが、日常的によく使用する関数のほとんどはこのボタンから選択できるので、関数の入力間違いを防ぐためには「関数の挿入」から操作すると良いでしょう。

次に、計算対象の範囲がズレている可能性です。当然ながらこちらも自動計算が適用されません。エクセルにはオートフィル機能という、ひとつのセルに入力された数式をそのままコピーできる機能があります。そのオートフィルを使用した際にこの問題はよく見られます。たとえば、商品の仕入れ伝票で考えてみましょう。

商品の単価がセルB1に入力されており、仕入れた日付ごとにその個数と金額を求め、最後に合計金額を算出するという表です。自動計算されるのはsum関数を使用して算出する合計金額のセルC7です。

まずセルC4には単価と個数を掛けた数値が入力される式「=B1*B4」を入力します。ここでオートフィルを使い、残りの金額も求めることになりますが、このままオートフィルでコピーをするとエラーが出てしまいます。オートフィルに限らず、セル番地はコピーするとズレるという特徴があります。単価が入力されているセル番地に固定して計算しなければ正しい数値は算出されません。

そこで使うのが「絶対参照」です。セルB1に、絶対参照を表す「$」を付けることで、コピーしてもセル番地を固定することができます。同時に合計金額も正しい金額が反映されます。個数や単価を変更したとしても、合計金額が自動計算されます。特にエクセル初心者は陥りやすい現象なので、注意しましょう。

 

いかがでしたか?

エクセルで自動計算がされないときには、設定や数式・関数が異なっているという単純な問題であることが多いため、自動計算がされなくなっても焦らず原因を追究して対処するようにしましょう。

たくさがわつねあき氏プロフィール画像監修者:たくさがわつねあき(著者・インストラクター)

パソコン教室を運営する傍ら、初心者への直接の指導経験を元に執筆活動を行う。2008年「これからはじめるパソコン超入門の本」で著書デビュー。代表作に「これからはじめるエクセル超入門の本」の他、「たくさがわ先生が教える」シリーズ(技術評論社)、「大きな字だからスグ分かる」シリーズ(マイナビ)がある。指導経験と自筆の漫画を活かした執筆が得意で、「たくさがわ先生が教えるパソコン超入門の本 Windows10 & Excel & Word対応版」など、初心者向け入門書やビジネス向け文庫本、計20冊を刊行。内容はiPad、Excel、ショートカット、困ったを解決、デジカメ、安全対策など多岐にわたる。いずれもメディアで紹介され、好調に売上を伸ばしている。寄稿に、「孫育てのツボ – デジタル機器を使う」(毎日新聞)、「どうしてる?パスワード&暗証番号」(女性セブン)などもある。

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文:リクナビネクストジャーナル編集部
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