ケース別の始末書の書き方と注意点とは(得意先へお詫び・金銭の紛失・無断欠勤)

 ビジネスの世界では、ふとした不注意や行き違いでトラブルが生じることがあります。自分の不始末に関して、誠意ある始末書を提出することで、会社や取引先との信頼関係の再構築につながり、自身の公正性の確保も可能です。そこで、始末書の正しい書き方や、書くにあたっての注意点を押さえておきましょう。

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得意先へのお詫びの基本構成と注意点

 得意先への始末書は、今後の取引に大きく影響するため一層気を遣って書く必要があります。始末書につながるトラブルとしては、得意先社員への無礼な応対、納入や経費にかかわるミス、得意先の備品・機材の破損などが挙げられます。

 いずれのパターンにも共通する書き方として、まず提出日、得意先の会社名と役職者名(ここは社長名や部長名、あるいは部署名など場合によって異なるため、自身の上司との確認が必要です)、そして自社名と役職者の名前を本文の上に記載します。得意先の名前部分を、自社より大きなフォントにするとより敬意が伝わるでしょう。

 本文は、まずトラブルの内容と謝罪の意を簡潔に記載します。例えば得意先社員に無礼な対応をはたらいた場合は「某月某日、小社従業員○○は、貴社△△所において非礼を働き、貴社ならびに○○様に不快な思いをおかけしました。不行届きにつきまして、深くお詫び申し上げます」などです。続いて再発防止のための改善点を述べます。例えば「今回の不始末は小社の従業員教育の不徹底がもたらした結果であることを痛感し、本人共々深く反省をしております。今後このようなことを起こさないよう、社会人としての社員教育を一層徹底して参る所存です」というような内容です。そして直接謝罪に赴く場合は、その旨を書き、追って日程調整をしましょう。

 注意点としては、謝罪の言葉は必要ですが、しつこくならないよう簡潔に内容をまとめることです。そして社員個人の責任であると同時に、自社の責任も重いことを明記し、今後の対策をしっかりと表明するようにしましょう。

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金銭の紛失したときの始末書の基本構成と注意点

 金銭の紛失は、会社の経理やコンプライアンス関係において多大な迷惑をかけることになります。したがって深い謝罪の意を表し、実行可能な対策を提示することが何より重要です。冒頭には始末書提出日と提出先である役職者名、そして自身の部署名と氏名を記載します。得意先への始末書と同様に、自身の名前部分を一回り小さなフォントにすると良いでしょう。本文では、トラブルの内容について、できる限り詳細に渡り書くようにします。例えば「某月某日某時に某所で、取引金○○円が入ったバッグを盗難されてしまいました。当日は某所で現金を受け取った後、バッグに納め△△通りを歩いていたところ、後ろからやってきた原付バイクにバッグを強奪されてしまいました。すぐに追いかけましたが、バイクに追いつけず見失ってしまう結果となりました。」などと当日の行動を詳細に書き、その後謝罪の意を記しましょう。続いて再発防止のために、「会社の金品を所持している場合は十分に注意を払い、身体に固定するなど容易に奪われることのないよう対策致します。二度と会社に迷惑をかけないよう、気をひきしめて参ります。」などと対策を記載します。

 注意点としては、着服などを疑われないようにするため、紛失時の状況を正確かつ詳細に書くことです。本来始末書は簡潔な内容が望ましいですが、金銭関係のトラブルでは、自身の公正性を保つために誰が読んでも疑いようのない内容にしましょう。

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無断欠席した時の始末書の基本構成と注意点

 無断欠勤は周囲の人間に多大な迷惑をかける、社会人としてマナー違反の行為です。しかし急病など不可抗力の場合もあるため、無断欠勤の理由を明記し、今後の対策を示しましょう。

 冒頭は金銭紛失の場合と同じく、提出日・提出先の名前・自身の名前です。本文では無断欠勤の理由を簡潔に書き、謝罪しましょう。例えば「某月某日、連絡なしに欠勤致しましたことを、社会人として恥ずべき行為として猛省しております。併せて当日の○○会議を無断欠席致しましたことも、深くお詫び致します。当日は突然の親族の訃報に動揺し、取るものも取りあえず実家に向かってしまいました。しかしそのために関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけする結果となってしまいました」などです。続いて対策を「今後は自身の感情に流されず、周囲への配慮を怠ることなく行動して参ります」などと明記しましょう。

 無断欠勤に関する注意点としては、あまり言い訳がましくならないよう、スマートな内容を心がけることです。だらだら言い訳を書くと、かえって相手に悪印象を与えてしまいかねません。相手は今後の対応策を重視しているため、その部分を具体的に記述することで、信頼回復へつながるといえます。

 反省と謝罪、今後の対策を先方に伝えるという点では、どの始末書も共通しています。しかしトラブルの内容によって求められる記載内容が異なるため、事前に整理してから書くようにしましょう。

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