年代によってどのくらい違う?看護師の平均年収を大調査

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 看護師の資格を得るためには、文部科学大臣や都道府県知事が養成機関として指定した、3年制の専門学校や短期大学、4年制の大学を卒業し、国家試験に合格することが必要です。

 医療現場に従事するプロフェッショナル職である看護師という仕事。看護師の年収はどのくらいなのでしょうか。リクナビNEXTのデータ(2010年12月~2015年11月)を元に、看護師の年収についてまとめてみました。

看護師の平均年収は394.2万円

 リクナビNEXTに2010年12月~2015年11月までの期間に新規に登録した人のうち、看護師の資格を持つ人の平均年収は394.2万円。看護師の有資格者の多くは、クリニックや病院などの医療機関で働いています。看護師は医療法によって、一般病棟や療養病棟など病床の区分ごとに配置基準が定められ、高齢化社会が進行していることからも、安定したニーズがある資格です。

 看護師の資格を持つ人の中でも、実際に看護師として働いている人の平均年収は387.7万円。病棟で働く看護師は交代制の勤務となり、夜勤手当などが発生します。看護師の資格を持ちながら、現在は介護士、ケアマネージャーなどの福祉系の職業に就いている人の平均年収は369.0万円。中でもケアマネージャーは介護プランの作成を行う仕事で、看護師は実務経験が5年あれば、「介護支援専門員実務研修受講試験」を受験できる法定資格となっています。また、新薬の開発に関わる治験業務でも、看護師の資格を持つ人が活躍しています。医療機関側の立場で治験の準備や支援を行う「治験コーディネーター(CRC)」は、460.0万円と看護師として働くよりも比較的高くなっています。一方、製薬企業側の立場で治験業務の調整を担う「臨床開発モニター(CRA)」では、577.8万円とさらに年収は高くなる傾向が見られました。

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看護師と準看護師の年収の違いは?

 看護師のほかに、患者の看護を行う仕事には、准看護師という資格も設けられています。准看護師は中学校や高校を卒業した後、2年制の准看護師学校か、3年制の高等学校の衛生看護科で学んだ後、都道府県知事の実施する試験に合格すると取得できます。看護師は国家資格ですが、准看護師は国家資格ではありません。准看護師には、2年制の看護専門学校等で修学し、国家試験を受けて看護師の資格取得を目指す道も開かれています。准看護師は医師や歯科医師、看護師の指示のもとに、看護を行います。准看護師に対して、看護師を「正看護師」と呼ぶこともありますが、正式名称ではありません。

 医療が高度化する中、大学病院などの先進的な医療を扱う施設よりも、クリニックや訪問看護の分野で准看護師のニーズがあります。

 厚生労働省が公表している、「平成26年厚生労働省賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年齢は38.9歳で平均年収は472.9万円、准看護師は平均年齢47.2歳で平均年収は408.7万円です。年収の差を比較すると64万円ほどですが、平均年齢が准看護師の方が高いことを考慮すると、実際には看護師と準看護師の年収の違いはもっと大きいことが推測されます。

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看護師の場合、学歴が平均年収に影響することは少ない

 看護師の養成機関は、かつては3年制の専門学校が主流でしたが、医療の高度化に伴って、4年制大学へシフトしている傾向にあります。学歴の差は、看護師の資格を持つ人の年収に影響しているのでしょうか?

 リクナビNEXTのデータをもとにした、大学あるいは大学院を卒業した大卒以上の学歴の人の平均年収は、400.3万円です。専門学校か短期大学などの卒業者である大卒未満の人の平均年収は389.1万円ですので、年収の差は11万円とほとんど変わりません。

20、30代と40代以降では、平均年収に約62万円の開きが

 看護師の資格を持つ人の年収の年代による違いを、リクナビNEXTのデータをもとにみていきましょう。平均年収は、20代は349.2万円ですが、30代では402.2万円と400万円台となります。40代は424.5万円、50代は455.9万円、60代以上では477.3万円です。20代~30代では374.9万円、40代以降では437.0万円と約62万円の開きとなります。

 人事院による「平成26年職種別民間給与実態調査」の「職種別従業員数、平均年齢及び平均支給額」による平均年齢は、看護師が36.9歳、看護師長は47.5歳、総看護師長では54.9歳です。こちらのデータによる月額の通勤代を除いた給与は、看護師は33.8万円、看護師長41.4万円、総看護師長では50.6万円となっています。

 看護師は一般的に看護師長になるのは40代以降が多いことから、40代以降の年収には基本給だけではなく、役職手当も含まれていることがあり、各種手当が年収の差に影響しているようです。

参考データ:平成26年賃金構造基本統計調査(表5)、画像:photoAC

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