Webマーケターにとって、施策を行っていく上で、どの広告代理店と付き合っていくかを選定する事はとても重要なポイントです。しかし、取引をしてみてから選べればよいのですが、実際には提案という短い時間の中で見極めるしかありません。
そこで良いパートナーとなり得る広告代理店を選ぶためには、どのポイントをチェックしたらよいのかについてまとめてみました。
目次
自社リソースでどこまでやっているか
「代理店」という立場上、広告を掲載するメディア媒体と広告主を結ぶ役割ですから、たいていの場合、商品自体は自社のものではありません。しかし、運用や研究、分析といったことをどこまで自社リソースで行っているかは会社によって変わります。
特に影響が出るのはSEOやアプリ広告(ブースト広告)、Facebookのようなアルゴリズムの分析が必要となるメニュー。社内に分析する担当がいて、その上で自社にノウハウが蓄積されているか、それともパートナーに任せているかについては、チェックしておきましょう。
パートナーを使っている場合、ケースによってはその提携が途中で解消されてしまったり、パートナー側の優先順位に影響されてしまったりすることもあるので、できれば自社リソースを多く保有している代理店がオススメです。
GoogleやYahoo!といった主要広告媒体/プラットフォームとの取引規模はどれくらいか
GoogleやYahoo!といった大きな広告媒体 / プラットフォームとの取引額がどれくらいかも、聞いておくとよいでしょう。広告媒体から見たら、取引額が大きい代理店は得意先という事になり、新商品や情報などが優先的に流れてくることがあります。
Webマーケティングにおいて情報の保有量は重要な要素のひとつ。どこよりも先に有益な情報を手にするためにも、できれば取引額の大きな代理店を選ぶとよいでしょう。
その代理店の顧客層の平均単価はいくらくらいか
一方で、取引額が大きいという事は多くの顧客、もしくは大きな顧客をその代理店は抱えていることになります。代理店側にも、当然経営判断が働くため、上位の顧客により多くの、質の高いリソースを割り当てることでしょう。
媒体側との取引額が大きく、情報を多く保有しているからといって、実際に自社にどれくらいリソースを割いてくれるかは別問題。自社が保有している広告予算が、その代理店の他の顧客と比べてどれくらい違うのかということは、それとなく探ってみるとよいかと思います。その上で、できれば自社が上位に来るような規模の代理店と取引をすると、優先的にリソースを割り当ててもらいやすくなり、運用もうまくいくケースが多いです。
運用担当者が提案時にプレゼンしているか
代理店の規模以上に重要なのが、実際に運用してくれる人の知識や経験です。提案時にプレゼンをした人が素晴らしかったとしても、実際に運用が始まったら別の人が担当になった、というのはよくあるケース。やはり実際に運用してくれる方と直接話をしたいものです。
そのため、提案時には誰がプレゼンをしているかはチェックをしておきましょう。営業ばかりがずっと話していて、プレゼン担当者は横に座っているだけ、のようなケースは注意が必要です。
もちろんプレゼンスキルと運用スキルは別のものですので、単にプレゼンが苦手だから話さないだけなのかもしれません。ただ実際に運用が始まった場合、コミュニケーションを取る相手がその運用担当者なのであれば、スムーズにコミュニケーションが取れるかどうかは重要なポイントです。もしプレゼンで話さないようであれば、質問を投げかけるなどして、経験やスキルを測りながら、コミュニケーションスキルについてもチェックをしておきましょう。
営業担当者にも知識があるか
代理店によっては、管理画面等をいじって実際に運用する担当者と、レポーティングや打ち合わせなど、実際に顧客とコミュニケーションを担当する人間が別な場合もあります。その場合、コミュニケーションの相手になる営業担当者にどれくらいの知識があるかはチェックをしておきましょう。そうしないと、メールや電話で質問した際に、毎回「確認します」と返されてしまい、なかなか物事が前に進まない、なんていうことも。
これまでの経験で、実際にあったケースなどを引合いに出し、運用に関する具体的な質問を投げかけてみると、その営業担当者が運用に関する知識をどれくらい持っているか推し量ることができると思います。
提案内容が自社用にカスタマイズされて考えられているか
最後に提案内容が自社にカスタマイズされているかどうかも重要なチェックポイントです。媒体側が提供している資料をそのまま使用しているような代理店はそういないとは思いますが、きちんと自社やその業界についての知識を保有、あるいは事前に調査し、自社にあった提案をしてきてくれたかどうかは、今後の戦略を描く能力などに直結します。
代理店には得手・不得手があり、先進的な施策を考えたり、中長期的な展望を描いた上で直近の戦略・施策に落とし込めたりする代理店もいれば、そういった内容は苦手だけれど、運用に関しては実直に、高精度に行うことを得意とする代理店もいます。
特に指定したわけではないのに、提案がいきなり施策の内容から入るような代理店は、後者のケースが多いです。一方長期的な戦略は素晴らしいのに、具体策がはっきりしないような提案の場合は、前者且つ運用が苦手な代理店かもしれません。
もし、ゆくゆくは中長期の展望・戦略を描くことまで含めたパートナー選定をしたいのであれば、提案内容がちゃんと自社の状況を踏まえたものになっているかどうかは、チェックをしておくべきでしょう。
代理店を選ぶポイントは、大きく言えば「会社」と「人」です。施策によってはどうしても属人化が避けられないため、「人」を選ぶことはとても重要ですが、その人がずっとその会社にいるとも限らないため、会社としての体制やリソースもチェックしておく必要があります。
最終的には「一緒に目標を達成していけそう」と信じることができる代理店を選ぶことになるかとは思いますが、その際の検討基準として上記のものを抑えておくと、失敗する確率を下げることができるかもしれません。
監修:リクナビネクストジャーナル