上座・下座はビジネスを制す?!新入社員が覚えるべき席次のマナー

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「上座はどこ?」「どのような順番で座ればいいの?」。会議室や応接室、食事の席やタクシーの乗車時などに、なにかと迷いがちなのが席次です。席次のルールは、社会人ならば一般常識として知っておくべきマナーのひとつ。ビジネスシーンにおいては特に重要視されており、知らずに間違えると、配慮に欠けるということでマイナス印象を与えてしまいます。場合によっては、上手くいくはずの取引が台無しになることもあるかもしれません。席次のマナーで失敗しないように、新入社員のうちに正しい知識をしっかりと身につけましょう。

◆上座(上席)・下座(末席)とは

席次のルールを学ぶには、まず「上座(かみざ)」と「下座(しもざ)」を把握することから始まります。上座とは、出入口から最も遠い席のことを指します。上座には、主賓、役職の高い方、目上の方、お客様などが座ります。「上席(じょうせき)」のほか、「奥の席」と呼ぶ場合もあります。一方、下座とは、出入口に最も近い席のことで、「末席(まっせき)」とも呼ばれます。役職の低い人、目下の者、幹事などが座ります。末席は雑用などをこなす際に動きやすい場所でもあります。

上座・下座の考え方は日本特有のもので、お客様や目上の方を敬い、もてなす気持ちを表すしきたりのようなものです。シチュエーションごとに丸暗記してしまえば簡単ですが、覚えにくかったり、忘れたりすることもあるかもしれません。基本的に上座の位置は、より快適で安心して座れる席になります。相手の立場に立って「最も居心地の良い席はどこか」と考えながら覚えておくと、思い出すのに役立つでしょう。

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それでは、各シチュエーション別に席次のルールを紹介します。

◆会議室の席次

長方形や楕円形のテーブルに対面で座る場合は、出入口から最も遠い奥の席が上座になります。その隣に2番目、3番目と続き、出入口から遠い側の席が一杯になったら、出入口に近い側の奥の席から役職や年次の高い順に座ります。

社外からお客様を迎える場合は、出入口から遠い側に並んで座っていただきます。出入口に近い側には、自社の社員が並んで座ります。この時の上座は両側共に中央の席で、他の社員は職位の高い方を挟むように座ります。来客側も自社側も、新人などの若手社員や年次の低い社員がより出入口に近い席に座ることになります。

◆会議室の席次(議長や進行役がいる場合)

議長や進行役がおり、長方形や楕円形のテーブルに座る場合は、議長席に近く出入口から遠い席が上座になります。最上席の向かい側で議長に近い席が2番目の上席、その斜め向かいの席(最上席の隣席)が3番目…と、出入口に最も近い下座に向かって交互に席次が決まります。

コの字型の席の場合は、議長の右隣りが最上席です。また、議長と同じ列の席が上座とされています。職位の高い順に議長と同じ列の右側、左側と交互に席次が決まり、議長から遠い左手側の席が最下位の席になります。

社内ミーティングなどで会議室を使用する際には、この順番を覚えておきましょう。

◆応接室での席次

応接室でも、出入口から最も遠い席が上座、出入口に最も近い席が下座です。3人掛けなどの長椅子が置かれている場合も、出入口から最も遠い位置が上座なので、奥から職位の高い順に座ることになります。会議室とは異なり、来客時もこの順番は変わりません。

また、椅子(ソファー)の種類にも気をつける必要があります。ゆったり寛げそうな長椅子が上座で、一人掛けの席が下座です。多くの場合はテーブルを挟んで出入口から遠い側に長椅子が置かれていますが、窓からの景観が良い部屋などでは出入口に近い方に長椅子を置くこともあります。この場合は長椅子のある方が上座になりますので注意しましょう。

ちなみに、椅子にも格があります。長椅子(ソファー)が最も良い席で、肘掛けと背もたれのある一人用の椅子、背もたれだけの椅子、肘掛けも背もたれもない椅子(スツールなど)の順に格が決まります。こちらも覚えておきましょう。

◆エレベーター

エレベーターでは、操作ボタンの前が下座で、その真後ろが上座になります。この上座の位置から下座の位置まで円を描くように立ち位置の順が決まります。入り口より奥の壁側が上座で、入り口に近い手前側が下座になるので、複数で乗る場合は乗る順番や立ち位置に注意しましょう。

◆タクシー、乗用車などの席次

タクシーに乗車する場合は、後部座席が上座になります。最も安全とされる運転席の後ろの席が最上席で、次に助手席の後ろ、真ん中の席と続きます。助手席は下座にあたるので新人などが座り、会計も済ませます。ただし、これは日本独自の慣例です。国際ルールに従う場合は、助手席の後ろが上座とされており、次いで運転席の後ろ、真ん中、助手席の順に順位が下がります。

いずれの場合も後部座席の真ん中の席は座りにくいので、「そちらの席でよろしいですか」などと一言声をかけると丁寧です。

同行者が運転をする場合は、助手席が上座になることがあります。上司や取引先の方が運転する場合がそれにあたり、会話のしやすい助手席に役職の高い方が乗車します。この場合、後部座席の真ん中の席が下座になります。

◆電車、飛行機などの席次

電車のボックス席の場合、進行方向へ向かう窓側の席が最上席です。2番目は進行方向へ向かう通路側の席、3番目は進行方向と逆向きの窓側の席です。末席は、進行方向と逆向きの通路側の席になります。

飛行機や新幹線の場合は、窓側の席が上座です。通路側の席がその次で、真ん中の席が下座になります。ただし、通路側の席を好む方もいるので、座る前にどの席が良いか確認をしましょう。

◆食事の場での席次

和室で、床の間と直角にテーブルが置かれている場合、床の間の近くの出入口から最も遠い席が最上席になります。最上席の向かいの席が2番目、最上席の隣が3番目と交互に順位が決まり、出入口に最も近い席が下座になります。床の間と平行してテーブルが置かれている場合は、床の間側が上座、出入口側が下座になります。床の間側の中央の席が最上席となり、2番目が最上席の隣で出入口より遠い席、3番目が最上席の隣で出入口に近い席、と左右交互に席次が決まります。対面する側も同じで、出入口に近い席が末席になるように真ん中から順番に左右交互に座りましょう。

洋室の場合も同様に、入り口から最も遠い席が上座になります。ただし、窓から素晴らしい景色を望める場合や、高価な装飾品や絵画などが壁に飾られている場合は、出入口に近くても窓や装飾品が見える席が上座になります。

中華などで円卓を囲む場合は、最も出入口から遠い奥の席が最上席になります。この席を起点にして、職位順に左隣、右隣と交互に座りましょう。円卓の場合も入り口に最も近い席が末席になります。

席次のルールは、新入社員が覚えるべき大切なビジネスマナーです。上座と下座をしっかり把握して、お客様や上司に対して失礼のないように心がけましょう。

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