配属はいつ決まる? 自分の希望を伝える機会がなかった人も46.4%存在
Q1の結果を見ると、最も多いのは「入社前」に配属が決まった方で43.3%。「入社当日」の22.5%と合わせると、65.8%。約6割以上の方が、入社した日もしくは入社前に、自分の配属先を知ったことがわかります。
そもそも皆さんは、配属はいつ決定するものだと思いますか?実は、この結果からもわかるように企業によってまちまち。新卒採用時に、すでに部門や職種別、またはエリアや拠点別などで募る企業もありますよね。そういった場合、採用後にその条件から外れることはまずありません。が、逆にいればそれ以外のことは、すぐに知らされるとは限らないのです。例えば、関東エリア限定、総合職などで入社した場合、関東圏での勤務は保障されますが、具体的な赴任先拠点や仕事内容などは、しばらくしてから決定することもあり得るというわけです。
続いて「入社式以降の4月」が17.6%、以降の各月は1ケタとなりますが、これらをすべて合わせると34.2%。3割以上の方々が、入社してすぐには配属先がわからない状態だったことがわかります。この期間は、入社してすぐに始まる新入社員研修。その後、適正や面談などを経て、配属を決定する企業もあります。新入社員研修が数カ月と長く、少数ですが7月や8月に配属が決まる方もいますので、それぐらい時間がかかることもあり得ると考えておいた方がよいでしょう。
Q2では、事前に人事や会社の人に配属の希望を伝える機会があったかどうかを伺いました。「あった」のは53.6%の人。「なかった」という方も、なんと46.4%いることがわかりました。希望を伝える機会がないのは驚きですが、そういった企業の中には入社後の研修や面談などで、適正を判断したり、面談で改めて希望を聞く場合もあると考えられます。企業も組織なので、必ずしも希望通りの配属になるとは限りません。が、入社前、入社後のいづれにしても、希望を聞かれること自体が貴重かもしれませんので、ぜひその機会を大切にしてください。
入社時の配属が希望通りだった人 65.0%、希望通りでなかった人 35.0%!
実際に配属先が決定してみて、どうだったのでしょうか?
Q3より、「希望通りだった」65.0%、「希望通りではなかった」35%でした。
では、どのような配属希望が通ったのか、Q4を見てみましょう。上位から「担当する分野・商材に興味があった」が47.4%、「担当する職種が希望と近かった」が41.8%、続いて「希望していたエリアだった」が36.7%となっています。上位2つは担う仕事と直接関係しており、配属によって本人のやる気、働く上でのモチベーションがスタートから大きく左右されそうですね。
逆にQ5では、通らなかった配属希望について伺いました。すると、「担当する職種が希望と異なった」が43.0%、次いで「希望していたエリアではなかった」が33.3%、「担当する分野・商材に興味がなかった」が28.1%という結果に。
配属エリアは、私生活への影響が大きいため、希望が通らなかった方の落胆も大きいはず。残念かもしれませんが、そうなってしまった場合も、新しいエリアでの新生活や出会いを楽しもうと早めに気持ちを切り替えてほしいと思います。
働いて起こった意識の変化。希望通りでも違和感、希望と違っても納得感!
ひきこもごもの入社時の配属ですが、振り返ってみてどうなのでしょう?
Q6で、入社時の配属が、結果としてよかったと感じるかを聞きました。結果は、「感じる」が71.8%、「感じない」28.1%と、多くの方がよかったと感じているようです。Q3の結果と比べると「希望通りだった」65.0%→「(よかったと)感じる」が71.8%と、働いてみてよく感じた人が6.8%増加している点も見逃せません。配属時には納得がいかなくても、いざ働いてみると、結果として「よかった」と感じる人もいるようです。
その一方で、希望通りだった人の中には、実際に働いてみて、今の部署に納得していない人も…。一体どのような気持ちの変化があったのか、とても興味深いですよね。それぞれ意識が変化した理由を、フリーコメントからご紹介します。
■希望通りの配属でなかったが、現在よかったと感じた方
・やってみれば興味を持つことができたから
・仕事を好きになったから
・その仕事に慣れたから
・結果的にその部署で成果を残し、やりがいを感じられるようになったから
・業務の幅の広さを実感したから
・可能性が広がったから
・よい上司と会えたから
・職場の人間関係が良かったから
・通勤重視だったが、成長できる場所かがより大切だと思ったから
■希望通りの配属だったが、現在よかったと感じていない方
・仕事内容が向いていなかったから
・もっとやりたい仕事があったから
・考えていた業務内容と違っていたから
・最初は仕事を覚えるのに必死だったが、成長できないと感じ始めたから
・責任と重みがあるから
・上司と合わないから
・職場の人数が少ないから
・残業代が出ないから
実際に働いてみると、わかることは増えていきます。慣れも含まれるでしょう。それによって働きやすくなることもあれば、自分の志向や価値観に合わないことが明らかになる場合もあります。結局、実際にそこに身を置いて働いてみないことには、配属が希望通りでも、それが本当にハッピーなのかはわかりません。
初めの希望と違っても、日々働くことによって気づきが生まれ、仕事への意識も変わります。だから、配属への期待のしすぎは禁物。自分が体験し、実践することによって、何にも代えがたいあなただけの経験が日々積まれていくのです。
また、あなたの希望と違っても、会社側が「向いている」と判断した配属もありえます。その場合、自分では適性に気づいていないことも考えられます。働いてみたら、新たな能力が開発されたり、可能性が広がることも起きるでしょう。
まずは仕事を覚えて、自分で「よい」か「よくない」のか、納得のいく判断ができるまで、与えられた場所でおもいきり頑張ってみてはいかがでしょうか。
WRITING 田中美穂