会社を辞めないで仕事をチェンジ! 退職よりも安全でお得な「社内転職」のススメ

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Change direction by Phil Whitehouse, on Flickr

こんにちは。ココロ社です。

いまの仕事にどうも納得がいかなくて、「転職したいかも……」と考えている方も多いと思います。

ただ、ご存知のように転職にはリスクが伴いますし、求められるレベルも高くなります。

そこで考えたいのが、異動や業務領域の拡張によって、転職したかのような効果を得る方法です。とくに「職場の雰囲気や待遇はよいのだけど、仕事が退屈」と思っている方には、この「社内転職」を強くおすすめします。

◆安易な転職はリスキーである

転職したいと思っていても、自分の気持ちに沿う転職先を見つけるのは至難の業です。

まず、転職先での待遇。入社前に可視化されていないものも多くあります。

たとえば、「残業がない」という話だったのに、事実上は「単に残業代が出ない」だったりすることもあります。これはまだよく調べればわかることもありますが、配属先の上司の人柄のよしあしなどは、まず知りようがありません。転職する理由の筆頭に上がるのが人間関係であるのに、です……。

クリエイティブな仕事など、多くの人が就きたいと思っている職業は、待遇がよくなくとも、なり手が豊富にいます。あこがれのクリエイティブ職に転職したものの、待遇が辛すぎて辞めてしまうという話は聞いたことがあると思います。

とくに、今までと異なる仕事をしたいと思っているときには要注意です。

募集広告に「未経験でもOK」と書いてあり、胸を躍らせることがあるかもしれませんが、未経験者を歓迎している場合には年齢が若いうちから育成することを前提にしていることも少なくないですし、離職者が続いた事情があったりするかもしれず、一筋縄ではいかないのです。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

◆ひとまず異動や業務拡張を考えてみよう

そこでおすすめしたいのが、今いる会社で、仕事を変える方法です。

会社を変わらず仕事を変える方法には、ひとまず2つあって、1つは異動、1つは業務拡張です。

1. 社内なら「未経験の人も歓迎」が本当に成り立つ!

中途社員の採用面接でよく聞かれるのは、「あなたは今の仕事でどのような成果を残したか、具体的な数字にもとづいて説明してください」という質問。成果が数値化して現れる部門ならよいですが、数値化しづらい部門から別の仕事に就こうとしてしていたり、転職先の会社にない部門ならば、自分が残してきた実績を面接担当にもわかるように説明するのは難しいでしょう。

その一方で、同じ社内で別の仕事に就く場合、いままでの実績は勤務評定で付けられているので、一から説明する必要はありません。未経験の仕事に就く場合も、それまでの実績を重視してもらえます。

たとえば、クリエイティブ職に就きたい営業マンなら、社外への転職は非常に難しく、面接で「今までのキャリアと違いますよね」と言われ、モゴモゴしてしまうかもしれません。特別な事情がない限り、経験者の方が有利です。

しかし、社内の異動だと、「営業マンとして実績があるし、意欲があるのだから、きっとクリエイティブ職でもうまくやっていけるはずだ」と好意的に解釈してもらえる可能性がかなりあります。営業マンとして優秀なら、コミュニケーション能力が高いので、顧客に伝わるクリエイティブを作ることもできるし、デザイナーさんとのやりとりもスムーズに進めるだろうと考えてくれるのです。

社内で「仕事の基本ができる人間」とみなされていれば、他の仕事を任せても大きくハズレを引くことはないと考えるのです。万が一、クリエイティブ職として成果が上がらなければ、元の仕事に戻せばいいだけの話ですし、会社にとっても中途採用をするよりリスクが低くてよいと判断することもあるのです。

2.「担当者が決まっていない」仕事にチャンスあり!

運がよければ、異動という手段をとらずに新しい仕事に就ける可能性もあります。プロジェクトの中でときどき発生する「担当者が決まっていない仕事」に手を挙げるというやり方です。

たとえば、ビラ1枚を制作する仕事が浮いていたとき、もしクリエイティブな仕事を本格的にしてみたいと思っているのなら、自分の仕事が忙しくても「ビラのデザイン、わたしがやりたいのですが」と受けてみるべきです。

やらされ仕事には厳しい評価を下す上司も、自分から手を挙げる人には優しくしてくれるもので、時間がかかったり、本職のクオリティに満たなかったとしても、大目に見てくれるはず。

ビラ1枚で小さな実績ができれば、「クリエイティブな人材を他から探してきたり交渉したりするのは面倒」と思っている上司は、次もまたあなたに「ポスターの仕事をやってくれるか?」と聞いてくるかもしれません。このように、組織の矛盾の中で浮いているやりたい仕事を拾っていけば、リスクを取らずに経験を積んでいけるのです。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

◆新規事業への参加は、常日頃からのアピールが重要

さらに、新規事業への参加もまた社内転職のチャンスの1つです。新規事業に参加するには、常日頃からのアピールが大切です。

なぜなら、新規事業は通常の人事異動とは異なるタイミングで起こされる場合も多いからです。そのようなとき、「次の面談のタイミングでクリエイティブ職に就きたいとアピールしよう」と思っていても、面談が始まるころには新規事業のメンバーが決まってしまっていることもあるからです。

上司に、自分の志向について常に把握してもらえるようにしておけば、新規事業のメンバーを探しているという話を耳にした上司が「彼はどうかな」と推薦してくれるかもしれません。

実際のアピールの方法ですが、上司との雑談の中にねじ込むくらいの勢いでいくとよいです。ただし、いまの仕事に対して不満があることをアピールしてはいけません。

上司が「コンシューマー営業部の売り上げが前年比50%アップらしいよ」などと言ったら「いまの法人営業の仕事がもっとうまく回せるようになったら、コンシューマー営業の仕事もできたらいいなーと思っています」などと言っておけばよいのです。

重要なのは頻度です。繰り返しアピールして上司に記憶してもらい、「この仕事なら彼」と条件反射的に思い出してもらえる状態にすることです。

◆「いまの会社では絶対にできない」という状態になったら転職を!

それでもなお転職を考えるときには、「自分のやりたいことは、社内では絶対にできない」と見極めてから動くことをおすすめします。どうせ面接でも「その仕事は今の職場でもできたのでは?」という質問はされますし、それに対して明確な答えが出せることは、転職の必須条件でもあるのです。

著者:ココロ社 (id:kokorosha)

ココロ社 (id:kokorosha)

大阪生まれ。東大文学部卒業後、テレビゲーム製作を経て平凡な窓際サラリーマンとなる。傍らで珍妙なブログ「ココロ社」を運営。書籍の執筆もしており、著書に『マイナス思考法講座』(阪急コミュニケーションズ)『モテる小説』(阪急コミュニケーションズ)『忍耐力養成ドリル』(技術評論社)など。好きな犬はヨークシャテリア。

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