顛末書や始末書は手書きでもいいの?

 遅刻や現場でのミスなど、何らかのトラブルを起こした場合に提出することになる顛末書や始末書は、その性質上、気を遣って書かなければなりません。書く内容はもちろんですが、最初の問題として、手書きが良いのか、それともパソコンで作成しても良いのかで悩む場合があります。書き方や書式など、書く時に注意するべきポイントをまとめました。

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手書きとパソコンのメリットとデメリットについて

 手書きで顛末書や始末書を書く場合のメリットは、肉筆によって人間味を相手に感じさせることができることです。顛末書や始末書は業務上でトラブルが発生した時に、その内容の報告や、ミスに対する謝罪や反省の気持ちを書きます。しかし同時に簡潔に記すことも求められるため、感情的な書き方はできません。手書きでは、心を込めて丁寧に書くことによって、誠意や反省といった気持ちを文字の書き方から伝えることができるのです。

 その分、清書に時間が掛かってしまうのがデメリットといえます。字がうまくないといったコンプレックスを持っている人には、それでなくても気が重い書類ですから、ますますプレッシャーが掛かってしまうかもしれません。修正すると悪印象になることから、間違えれば書き直ししなければならず、その分だけ負担も掛かります。

 パソコンで作成する場合には、字のうまさといった問題からは解放されます。書くのも直すのも簡単で、できあがった書類の見た目もきれいに仕上がります。しかし、その作成の便利さが、年配の上司などからはネガティブな印象を持たれる可能性もあります。反省や誠意といったものを、行動で示していないと取られるかもしれないのです。 顛末書 手書き、パソコンでも可など、どちらで書くべきかは、社内規定で決まっている会社もありますが、定められていないこともあります。会社のタイプや上司の性格を考え、どうしてもどちらかに決められない場合には、上司に思い切って尋ねてみるのもひとつの方法です。始末書を提出するために教えてもらいたいという流れでの話なら、上司にも悪い印象は持たれないでしょう。

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横書きと縦書きのどちらで書くの?その他の注意点とは

 顛末書と始末書は、どちらも起こした事実とその内容の詳細、対処の方法や反省の弁などが必須の項目となります。顛末書は報告の意味合いが強いですが、始末書は謝罪文でもあるため、会社に許しを請うかたちで締めくくります。

 顛末書や始末書は、社内規定で定まっていなければ、縦書きや横書きといった部分に書式の決まりはありません。しかし日本語での正式な表記は、国語の教科書のように縦書きとされているので、手書きで書類を書く場合には縦書きのほうが良いでしょう。パソコンだったら横書きでもかまいません。

 顛末書では、トラブルの内容や対処の仕方の方法については、客観的に書かなければならないこともあって「だ・である調」という文体を使用しても問題は無いでしょう。それに対して謝罪する始末書では、ですます調で書くのが一般的です。顛末書でも、始まりと今後ミスを繰り返さないように決意を述べる終わりでは、ですます調で書くのが自然です。

 顛末書や始末書に使う用紙は、社用箋ではなく無地か罫線の入ったA4かB5版が適切で、黒か紺のインクで作成します。謝罪文でもある始末書はその後に、所属や氏名を書いた白の封筒に入れて提出しますが、報告書寄りの文書である顛末書は、そのまま提出する場合が多いです。

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始末書に印鑑を押す時の注意点

 顛末書や始末書を書いた時には、自分の名前とともに押印をします。顛末書は、現場の責任者として書類を書いているため、自分の印鑑ではなく社判を使用するよう指示される場合があります。

 しかし、始末書は自分が行ったミスのせいで会社に損害を与えたことについてお詫びする文書です。そのため自身の実印を使います。ビジネス文書で印鑑を押すということは、書いた内容に押印した人間が責任を持つことです。そして始末書は、自分の進退を会社の意思に委ねる重要な書類です。会社とトラブルが起きた時に、証拠品となることもあるのです。そのため、シャチハタ印を使用するのは論外ですが、押印して、ゆがみやにじみがひどい場合には、書類自体の書き直しをしたほうが良いかもしれません。印鑑の押し方が雑だと見なされれば、社会人としての信用が損なわれて、始末書の印象が一気に悪くなるからです。署名はパソコンで文書を作成した時にも手書きしますが、押印は署名と重ならないように、1文字分開けて押すのが適しています。押印する前に、他の紙で試し押しをすると間違いがなくなります。

提出期限を忘れずに

 報告書を兼ねる顛末書は、会社の業務命令によって提出するものです。それに対して始末書は、反省文という性質から、業務命令はできないことになっています。だからといって提出しなければ会社の心証は非常に悪くなり、顛末書として出すよう強制されることもあり得ます。提出期限は上司から口頭で伝えられたり、書類で知らせられたりすることが多いですが、特に定めがない場合もあります。期限がなくても顛末書と始末書は、指示されたら両方とも速やかに提出するのが基本となります。

 顛末書と始末書は、ミスの内容によっては書くのに納得がいかない場合もあるかもしれません。しかし、一人前の社会人としては、しっかりした理由がない限り拒否すべきものではなく、感情的に書いてもいけません。どちらも反省や報告をしながらもビジネス文書であることに変わりなく、冷静な目と誠実さを持って簡潔に作成する必要があるのです。指示された場合には素直に対処し、状況を振り返って改善する手助けとしましょう。

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