年収のピークは50代?!実績と経験がものをいう中小企業診断士の実態

年収のピークは50代?!実績と経験がものをいう中小企業診断士の実態

 中小企業診断士の主な仕事は、企業が抱える問題や課題を見つけ出し的確なアドバイスをすること。中小企業診断士はその知識を有することを証明する国家資格です。資格を取るには、会計学や経営学、コンピューターに関する知識など幅広い分野について知っていなければなりません。その合格率はわずか5%。このような難関試験に合格した中小企業診断士の年収は、いったいどのくらいなのでしょうか?2010年12月~2015年11月までのリクナビNEXTの会員登録者のデータからまとめてみました。

中小企業診断士の平均年収は663.2万円

 企業の課題などに対してアドバイスをするという中小企業診断士の資格。企業に勤めながら必要に応じて取得する場合や、会社経営のため、キャリアアップのためなど資格取得の動機はさまざまです。

 中小企業診断士の守備範囲は広く、企業経営の専門家として経営診断や事業提案などを行う経営コンサルティング業務や、民間企業への公的支援を決める際の診断なども行います。

 リクナビNEXTの会員登録者のデータによると、中小企業診断士の資格を持っている人の平均年収は663.2万円。この数字は、まだ中小企業診断士になったばかりの20代から60代以上までの平均で、正規雇用と非正規雇用両方を含めたものです。中小企業診断士の中にはCEOなど経営幹部なども含まれており、企業で社員として働く場合や、独立してコンサルタントとして活動する場合など、働く形はさまざまです。

 中小企業診断士の職種で多いのが、企業での企画営業職や金融法人営業、経営企画など。経理や財務関係、事業企画及び事業統括、銀行系の事務・管理の仕事についている人の割合が高いのも特徴です。専門分野でのコンサルタント職につく人も多く、経営コンサルタントなどビジネスコンサルタントやシンクタンク、システムコンサルタント、システムアナリストなど多岐にわたります。

 中小企業診断士のうち、ビジネスコンサルタントなどコンサルタント業で働く人の平均年収は687.5万円。中小企業診断士全体の平均年収より少し高いのが特徴です。企業の企画営業職は632.9万円、金融関連では674.9万円、経営企画職や事業統括職では735.0万円、管理職で881.8万円と、職種によって平均年収は異なります。

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中小企業診断士は、企業で経験を積むことで、年収が上がる?!

 中小企業診断士の多くは企業に勤務しており、資格取得により経営や会計の知識などを生かした営業や社内でのキャリアアップも可能になります。そのため、経験と実績を積むことで年収アップも夢ではありません。このような企業に勤めている中小企業診断士を企業内診断士と呼びますが、幅広い知識を持つ中小企業診断士は企業にとっても魅力的な人材。経営企画職や営業職、IT職、会社全体を見渡すことが必要な経営企画職や管理職など、さまざまな職種で必要とされています。

 一方、コンサルタント会社に勤務する場合や独立してコンサルタント業を行う中小企業診断士の人も多く、顧客の企業の経営アドバイスなどのコンサルタント業のほか、顧客企業の職員の教育訓練や企業の診断業務、講演などさまざまな分野で活躍しています。コンサルタント料も経験や実績を積むことで上がり、年収アップにつながります。
中小企業診断士は、経験を積み実績を重ねることで年収アップが期待できる資格です。それは中小企業診断士のコンサルタント力やコミュニケーション能力、マネジメント能力が、企業経営に必要とされているからです。そのため、多くの企業内診断士は年齢が上がるとともに管理職についています。

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大卒以上と大卒未満の平均年収の差は、約190万円

 中小企業診断士の資格を持つ人のうち、最終学歴が大卒未満の人の平均年収は484.6万円。一方、大卒以上の人の平均年収は675.1万円。中小企業診断士の資格を持つのは圧倒的に大学卒や大学院卒の人が多いのですが、平均年収の差は約190万円。大卒未満の人の職種は経営企画や代理店営業、店長、一般事務など多岐にわたり、派遣社員やアルバイトなども含まれます。平均年収の差はもともとの職種や勤務している企業、役職などの違いも大きいと考えられます。

中小企業診断士の平均年収のピークは50代の898.1万円。20代の約2倍!

 中小企業診断士の年収を年代別に見てみると、20代では406.9万円、30代が587.0万円、40代で722.7万円、50代になると898.1万円にもなります。60代以上では800.2万円となり、50代に比べると若干下がりますが、それでも中小企業診断士は高収入が望める職業と言えるでしょう。

 20代と50代の平均年収の差は2倍以上。まだ経験の少ない20代では年収が少ない印象がありますが、中小企業診断士は経験を積み実績を重ねることで収入も上がる、やりがいのある職業。若いうちは下積みの時期と考えて、地道に経験と実績を積んでいくことが将来の高収入への鍵となりそうです。

中小企業診断士のうち約10%の年収が1000万を超えている

 中小企業診断士のうち、今回のデータでは約10%を超える人が年収1000万円を超えていました。年収1000万円以上の人の内訳は、CEOや管理職が多く含まれるほか、経営コンサルタント、企画営業、経営企画、人事・労務や財務関係などの職種が多いのが特徴です。業種はソフトウェアや医薬品メーカー、自動車メーカー、商社、銀行、政府系金融機関など多岐にわたります。

 難関を突破して中小企業診断士の資格を取るのであれば、年収アップを狙いたいもの。独立する、コンサルタント会社に勤めるという働き方以外に、企業内で必要とされる人材として働き続ける道もあるということを知っておくと、キャリアの可能性が広がるのではないでしょうか。

画像:photoAC

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