リカバリーしてむしろ評価UP!? 先輩が遭遇した仕事の“修羅場”とは?

 研修を終え、現場デビューする新社会人も多い頃ですね。現場に出れば日々新しいことを任され、成長の実感もあることでしょう。と同時に、自身に起因することだけに限らない、“修羅場”に出くわすことも。
そこで20代前半のビジネスパーソン1,258人を対象に、『職場の修羅場に関するアンケート』(※)を行いました。ピンチな事態は、ある意味で成長の糧。自分がミスした場合はもちろん、チームでのトラブル回避など、先輩たちはどのような修羅場に遭い、その時どう対処したのでしょうか。
(※調査方法/インターネットリサーチ 期間/2015年3月26日)

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遅刻や社内の大ゲンカ…入社2年目までの“修羅場”経験者は、約3割!

 始めは電話受けや必要データの作成など、上司や先輩からの頼まれごとに近かった仕事が、いつの間にか1人で打ち合わせ資料を作成…。なんて、できることや役割はキャリアと共に増えていきますが、先輩たちは一体いつごろ“修羅場”を経験したのでしょうか?
 Q1の結果をご覧ください。まず20代前半にも関わらず、すでに460人もの人が“修羅場”を経験していることがわかります! これは全体の36.6%にあたり、うち全体の28.0%を占める353人が、「入社2年目」までに“修羅場”を経験していました。
“修羅場”の捉え方は人それぞれですが、そのような事態に遭わなかった方は、上司や先輩による新人指導が行き届き、一緒に仕事をする仲間にも大きなミスがなかったと言えます。とても恵まれた職場環境だとも捉えられるのではないでしょうか。その辺りは、「どんな時に仕事で“修羅場”だと感じたのか」の回答からも分かります。20代前半の方々が出遭った“修羅場”をフリーコメントからご紹介します。

【原因が自分のミス】
・後輩の作業を手伝った時に、自分がやった所が間違っていた
・プライバシー問題に触れるSNS投稿をしてしまい、入社早々始末書を書いた
・自分のミスで製品を流出させてしまい、損害を出した
・補助金の提出書類や段取りでミスをしてしまい、補助金がおりなかった
・理不尽なクレームを受けた時に、相手を逆上させる態度を取ってしまった

【原因が自分以外】
・停電(停電に伴ない、業務が停止)
・休みがとれない、連続勤務、毎日の残業
・先輩が全員辞め、組織のフォローなく、1人で全仕事をしなければなくなった
・何度も確認して段取りをした仕事が、先輩社員が連絡ミスをしてぶち壊し
・担当者が不在で、入社3カ月めでとばっちりで顧客のクレーム処理を任された

【原因が人間関係】
・顧客の前で社員同士の大喧嘩をした
・社内で、違う部署同士の壮絶な言い争いになったとき
・上司、同僚との恋愛関係。先輩の好きな人と付き合うことになったなど

他にも、自分のミスなら遅刻、顧客からの資料を紛失、相手の名前を失念などがありました。ミスではありますが、まだ仕事次第で信用は取り戻せそう。一方の人間関係では、少なからず恋愛事情が関係している様子。会社の雰囲気にもよりますが、やはり社内恋愛は周囲へ配慮をする必要がありそうです。

大切なのは「修羅場での対処」。 逆手にとって信頼をリカバリーせよ!

 さまざまな理由から“修羅場”が起こってしまう訳ですが、もしそうなってしまったら、考えても仕方ありません。頭を切り替えて行動しましょう。重要なのは、いかに問題の原因を解決し、目の前で起こっているトラブルを迅速に収束させられるか。原因が自分のミスであった場合は、なおさらです。1人で何とかしようと思って対応が遅れてしまうと、事態を悪化させることにもなり兼ねません。すばやく周囲に相談して助言をもらったり、何かの作業を手伝ってもらったりすることなども、迅速なリカバリーには重要です。トラブルが起きた場合、その内容にもよりますが、段取りや作業の割り振り、連絡や調整、スケジュールなど、意外と多くのことを迅速に判断、決定しなければなりません。が、そのすべてをあなたが知っているとは限りません。反省も必要ですが、まずは損失や被害を最小限に食い止めることを意識し、全力で対処して、ミスをリカバリーするよう努めましょう。

 そこでQ3では、“修羅場”での対応の良し悪しでリカバリーができるのか、上司、部下、同僚に加え、取引先について、評価の有無を聞いてみました。結果はグラフをご覧ください。「上司」に評価された方は42.9%、「部下」に評価された方は37.2%、「同僚」に評価された方は44.7%、「取引先」に評価された方は34.7%という結果に。
 つまり、上司と同僚は、“修羅場”での対応次第で約4割が評価してくれるということ。部下や取引先であっても、約3割5分が評価をしてくれています。部下や取引先は、上司や同僚と比べれば、厳しくあなたを見ているのは当たり前。部下は自分より経験があると考えていますし、取引先はビジネスでのお付き合い。ですが、そんな中でも最悪の事態を回避する対処を評価してくれると考えられます。また、上司と同僚は、修羅場となった原因や経緯を認識しており、そこであなたが行った対処を評価できる視野や知見が、少なくともあなたと同じかそれ以上あるため、対処の仕方次第では信頼のリカバリーができるかもしれません。

“修羅場”を経験したからこそのアドバイス! 後輩へのメッセージ

 できれば避けたい“修羅場”。ですが、それを経験したからこそ学べた貴重なことがあるはず。そこで、これから職場で修羅場を体験するかもしれない後輩へ送るメッセージから、一部をご紹介します。

【“修羅場”を経験して学べたこと】
・どんなことでも注意、確認を怠らない
・臨機応変の対応をする
・困った時こそ自分で対策を考え、どんどん人に相談する
・自分以外の人の知識を借りる
・お客様であっても、できないことはできないと明示する
・しっかりと流れを確認する。全員がルールを把握する
・言葉選びには気をつける。口は災いの元
・物事は、自分の目線で考えてはいけない
・どんなに頑張っても頼るところを間違えるとどうにもならない
・自分の仕事はやりきる。社会人として当たり前のことをできる人間になる
・何事も、何とかなるし、何とかするしかない。肝が据わった
・大変な仕事でもいつかは終わる

【後輩へのメッセージ】
・上司といえども人なので、ミスをする。あまり信用しすぎないこと
・社内恋愛は止めとけ
・修羅場は、仕事をしていれば何回か起きる。
 偉そうな上司も、何回も修羅場を体験して今のポジションにいる。
 辛いが逃げないで。修羅場をくぐり抜けると、何となく仕事が上達している
・耐えきれず自分が壊れてしまいそうな時は、すぐに逃げるべき。
・事前準備8割
・人と比べられても、「自分は自分」と自信を持って頑張って
・なんとかなる
・意見は出せ
・我慢も大切
・そこが踏ん張りどき
・失敗は成長の種

 辛さを経験している彼らからは、心が折れないよう、気持ちの持ちようについてのメッセージも多くありました。経験者だからこその実感がこもっています。彼らが言うように、現場で“修羅場”を乗り越えた場合、あなたの経験値は間違いなく上がるはず。また、どうしてそうなったのか考えることで、二度とその原因は作らないよう心掛けることができ、事前にどうしておけばよりよく仕事を進捗させられるかが分かるようになることでしょう。
 そして、自分のミスではなく、担当部署や仲間のミス等で“修羅場”に巻き込まれてしまった場合は、その不運を恨みつつも、ぜひ「転んでもタダでは起きない」の精神で挑んでほしいと思います。何を掴むかはあなた次第ですが、少なくとも「自分の限界を超えるくらい全力で何とかした」という実体験に裏打ちされた「(少なくとも)自分はここまでできる」という自信につながるはずです!

WRITING 田中美穂

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