人事だって大変なんです・・・ 採用プロセスの裏側
募集広告に込められた思いや、書類選考、面接、内定における人事の本音をこっそりと聞いてみた。人事の視点から転職活動の全容を知ることで、書類選考で落とされない書類の作成術や面接のアピール方法など、採用への近道が見えてくる。
人事の裏側を教えてくれた人たち
岡本秀晴 氏 未経験者歓迎企業の採用担当者
長田電機工業株式会社
人財業務センター
岡本秀晴 氏
医療機器を開発・製造・販売するメーカー。従業員数は420名。デンタルユニットの国内シェアは全国トップクラス。「医療機器専門メーカーとして何ができるのか?」をポリシーに、チャレンジ精神を重んじた採用を進める。
馬場誠 氏 即戦力を求める企業の採用担当者
株式会社プロパスト
総務グループ グループリーダー
馬場誠 氏
デザインマンションの用地仕入・企画・設計・販売を行う。従業員数は36名。不動産業界の経験者を中心に、ゼネラリストとして活躍できる即戦力を求めている。
STEP1 まずはどうやって募集しよう・・・
未経験者歓迎の長田電機工業(株)の場合 医療業界だからといって難しいイメージは持ってほしくないなぁ…
採用者の本音
チャレンジ精神が豊富で、ゼロからスキルを習得する意欲がある人がどんどん応募してきてほしいなあ。さまざまな経歴を持った人に集まってもらうためにも、公募という形にしよう。「入社後の研修制度が整っている」ことや「仕事に対する熱意を重んじている」ということをうたって、未経験者歓迎のスタイルで求人広告を出すか。さらにうちで働いている人の具体的な例を出して「未経験でも安心」というイメージを伝えよう。
即戦力を求める(株)プロパストの場合 高いスキルの人材も欲しいけどハードルを上げすぎて応募ゼロはもっときつい
採用者の本音
中途採用を行うのは欠員補充や増員が必要だから。やっぱり即戦力が欲しいね。「宅地建物取引士の資格が必須」「同業種で3年以上のキャリアを求む」など、具体的な条件を表記することで経験者を絞り込もう。でも、あまりハードルが高すぎて「応募者が来ない」という最悪のケースだけは避けたいな。最低限の条件を書くようにして間口は広くしなければ。
STEP2 応募書類が届いた。さあどう選ぼうか・・・
未経験者歓迎の長田電機工業(株)の場合 すべての書類に目を通すけど会ってみないとわからない
採用者の本音
書類選考でチェックするのは転職回数やブランクの長さ。納得のいく理由があれば問題はないけど、やっぱり気になるなぁ。基本的には「会うこと」が前提なので、9割以上の人が書類選考を通過しているんだけどね(笑)。もし、たくさん応募書類が集まった場合は、面接の時期を延ばしてでもすべての書類に目を通そう。
即戦力を求める(株)プロパストの場合 すぐに使える戦力が欲しいから書類で厳しくチェックしよう
採用者の本音
即戦力かどうかを書類選考でかなり厳しく見よう。今までも半分近くの人が面接に進めていないんだよね。単に仕事を探しているだけの人や、前の会社に不満があって転職を考えている人はここで弾きたいところ。ひとつのこと(業務)を深くやって来た人で、少なくとも3年以上のキャリアが欲しい。何をしてきたかが数字や結果だけではなく、その結果に至った理由まで細かく書いてある書類がGOODなんだよな。
STEP3 ようやく面接!どこで合否を分けようか・・・
未経験者歓迎の長田電機工業(株)の場合 あいさつやマナーがダメな人はどれだけ熱意があっても厳しい…
採用者の本音
入社後のビジョンを語れる人は高く評価しよう。でも、あいさつがしっかりできてマナーを守れることが合否の分かれるポイントだな。特に営業職の面接では、「お客様のところに行ったときにどんな振る舞いをするのか?」がイメージできるし。また、業界に携わっていたことを必要以上にアピールする人は要注意だね。「業界経験者だから、自分は何でも知っている」と高をくくってしまい、入社後の吸収力や周囲との協調性に欠けるケースが多いんだよ。
即戦力を求める(株)プロパストの場合 マイナスな転職理由にはがっかり…やりたいことを熱く語れる人に会いたい
採用者の本音
書類選考で必要なスキルを絞り込んでいるので、人物像を当社の社風と照らし合わせた上で、そのスキルが当社で発揮できるかが分かれ目。人物像は転職理由から見えることが多く、「環境が合わない」「給与が安い」「やりたかった仕事ではなかった」などの理由では魅力を感じられないね。少なくとも5年先の目標を持っていることが理想で、その目標に近づくための転職理由がほしい。面接は企業側も審査される場だと思っているので、企業が求めていることと、自分の目標に違いがあったら自分から辞退するくらいの気持ちで臨んでほしい。
給与の金額は初回面接時に決まる!
給与決定の仕組みには大きく分けて3つのパターンがあります。前職の給与を保証する「前給ベース」、「年齢別給与テーブル」を採用するケース、そして、前職でのキャリアや面接時の対応などで能力を見極め、最初の給与決定をする「業績ベース」です。求人広告や会社のホームページなどからどの給与体系を採用しているのかをチェックしましょう。一般的に最初の面接でおおよその給与額が決まるケースが多いので、給与交渉のカギは初回面接時です。
給与決定のウラ側
STEP4 内定者決定!その裏では・・・
未経験者歓迎の長田電機工業(株)の場合 内定は出したものの辞退や給与交渉は勘弁してほしい…
採用者の本音
他社に取られたくない!内定の通知は迅速に出そう。一番困るのは、「実は他社にも応募していて迷っています」や「もう少し給与を見直してほしい」という人なんだよな。配属先を見越して内定通知を出しているので、このタイミングで切り出されるのは正直辛いね…。また、採用枠以上に欲しい人材が現れた場合は、上司や部署にかけあい、採用枠を超えて内定を出すことも。ひとりでも多くの魅力ある人材を集めることが会社の発展に繋がるからね。
即戦力を求める(株)プロパストの場合 採用人数と求めるスキルに妥協はできないけど、不採用を通知するのは辛い業務なんだよ…
採用者の本音
即戦力として募集している以上、採用人数と求めるスキルは事前に決まっている。いくら応募者の中で秀でたスキルを持っていても、それを具体的かつ的確にアピールできない場合は採用を見送ることもある。書類選考や面接という短い時間の中で、応募者をさまざまな角度から分析・判断しなければいけない、非常に辛い業務だよな。人事担当者は「採用すること」が業務なので、不採用を前提として面接を行っていないんだけどね。
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