給与決定のウラ側
転職後の給与がいくらになるのかは、誰もが気になるところ。実際、企業はどのようにして転職者の給与を決定しているのだろうか?今回は、転職経験者と企業人事にそれぞれアンケートを実施。その結果、転職者は給与をどのように位置づけているのか、採用側はどのように給与を決めているのかが見えてきた。
転職経験者に聞く「転職時の給料、どうやって決まった?」
転職に際し、給料アップの優先度はどの程度でしたか?
「やりがいがあれば、給与は下がってもよかった」という人が3割超
グラフ1
給与アップを最優先に転職をした人は全体の2割程度。実は仕事のやりがいやよりよい職場環境を求めて転職するケースが多いようだ。
転職後、給与額は前職に比べてどうなりましたか?
「転職で給与アップした」は3人に1人
グラフ2 グラフ2
実際に給与アップした人は全体の3割強。ちなみに給与アップした理由として多かったのが、「転職先の給与水準が高かったから」だった。同じ能力・キャリアでも、選ぶ会社で給与に差が出るようだ。
いつ転職先の給与額が決定しましたか?
給与交渉は初回面接がカギ!?6割の人がここで給与確定
グラフ3
最初の面接で給与が確定するケースが多いので、面接前に給与交渉の対策を立てておきたい。応募要項に記載されている給与条件が、自分のケースだといくらになるのかを改めて確認しよう。
人事に聞く「転職者の給与、どうやって決めていますか?」
企業における転職者の給与形態は大きく分けて3つ。
前職の給与額を参考にする「前給保証・考慮」タイプ
自社の年齢別の給与テーブルを適用する「年齢・年功ベース」タイプ
実績によって給与額が決まる「成果・業績ベース」タイプ
それぞれの給与体系を持つ企業の人事に、転職者の給与の決まり方と給与アップのためのアドバイスを聞いてみた。
「前給保証・考慮」タイプの場合
前給をベースにしつつも、アップorダウンの物差しはその人のスキルやキャリア
前給をベースにした上でも、そこから給与アップかダウンかの物差しになるのは、やはりスキルや経験。前職で積んできたキャリアを、新しい職場でどのように役立てられるか、自分なりに考え、上手にアピールしていくことが給与アップのコツ。

同レベルの既存社員がモデルケースなので、書類応募の時点で交渉を
前給を考慮しながらも、自社での経験が長い既存社員との能力差が大きく出ないよう自社の給与テーブルを適用しています。当社の場合、給与の交渉は、応募書類に明記してもらうのが望ましいです。一次面接の段階で同給与レベルの自社既存社員と比較しながら検討できますから。SPIの適性検査なども考慮に入るのでそれによって、前職の給与よりもダウンしたケースもあります。(ホテル・旅行)

遅すぎる給与交渉や給与に執着しすぎるのはちょっと…
給与アップを目指して応募してきたのに、同額では不満に思う人もいるので前給保証に加え、スキルレベルや実績、経験年数を加味して給与査定します。中には、前職の給与ベースがあまりに低かったため、当社規定の最低賃金でも給与アップとなったケースもあります。給与の交渉は一次面接の際に申し出てほしいですね。ただし、あまりお金に執着しすぎる方は困ります。(医療・福祉関連)

2本立ての給与テーブルを用意し、能力を最大限評価する
前給保証と、職務給・職能給をかけ合わせて給与を決定しています。採用試験の結果をもとに給与テーブルでの職位を決定する独自のシステムを採用しているので、面接や試験で上手に能力をアピールしてもらえると給与アップにつながります。また、当社の営業スタイルと合わず、給与が下がってしまったケースもありますが、どこを改善すれば、給与がいくら上がるかも最終面接時に明確にしました。(職業紹介・人材派遣)
「年齢・年功ベース」タイプの場合
年齢別給与テーブルによって決定。でも、キャリアなどをかけ合わせて考慮する場合も
年齢別給与テーブルを採用する企業の場合、前職の給与ベースが、その会社とかけ離れていた場合に、給与アップやダウンのケースあり。しかし、年齢別とはいえ、そこにキャリアなどをかけ合わせて考慮する企業もあるので、スキルや経験のアピールも大切。

スキルレベルや基礎能力が評価でき、実績があれば評価対象に
過去の実績は自己申告で信用できない部分もあるため、年齢別の給与テーブルを適用。ただし、人柄やコミュニケーション力などの基礎能力、または実績が評価できるものと判断すれば金額調整も可能なので、面接時のアピールは大切ですね。基本が年齢給なので、ダウンしてしまう場合もありますが、入社後の実績いかんでアップも可能。実際に、すぐに給与アップした方もいます。(クレジット・信販)

リーダーとしての活躍を期待し、実際よりも高い年齢ベースの給与を提示
半自動的に決まるシステムなので応募者に納得してもらいやすい。ただし、当社では経歴によってはプラスアルファの考慮が加わるので公平なシステムだと思っています。とある40歳男性のケースでは、不動産自営業をやっていた経験と、優れたコミュニケーション力を高く評価し、かなり上のポジションでもやっていけると、高い給与を提示しました。(不動産)

実力差があっても、給与に反映されないのは応募者のデメリット!?
弊社では年齢別の給与テーブルを適用。同じ年齢層のバランスを配慮しながら給与が決定するので、能力に差がある場合は実力が反映されないというデメリットがあります。また、キャリアや能力が認められても、前職の給与ベースが当社と比べて高すぎるケースもありますし、入社後の実績を見てから判断したいので、入社当初は給与ダウンしてしまうケースもあります。(電気・電子・機械系メーカー)
「成果・業績ベース」タイプの場合
成果主義では、入社後の頑張り次第で給与が天と地ほど開くことに…
業績ベースの場合、前職でのキャリアや面接時の対応などで能力を見極め、最初の給与決定をしているケースが多いが、あくまでも能力給であるため、その後の働き次第で給与アップにもダウンにもなる。初年度はよくても、次年度以降どのようになるのか、事前によく確認を。

スキルレベルや実績がアピールできれば、給与交渉もスムーズに
スキルレベルや実績、経験年数のほか、年齢や人柄・コミュニケーション力などを加味して給与が決まります。業績ベースなので、若年層でも努力しだいで昇給のチャンスがあるのが良い点ですね。面接時にも、過去の実績やキャリアに自信があればアピールしてください。逆に、実績がわからないと様子見となり、ダウンしてしまう場合があります。(ソフトウェア・情報処理)

成果主義で給与が決まるので、自信をぶつけるくらいの意欲を評価したい
結果に対してどれくらいの報酬が得られるのかが明確なのが利点。何事も自分で勝ちとるくらいの気持ちが必要となるので、給与交渉においても、主張するくらいの意欲が欲しいです。2次面接までで、その人のスキルレベルがわかるので、当社ではその段階で大まかな給与条件を決定しています。なので、給与交渉は一次面接以降に。(専門コンサルティング)

未経験者でも、入社後の頑張り次第で給与アップも。ただ、最初はマイナス!?
最初は前給よりも低くなることが多く、経験者を雇いにくいのがネックです。しかし、これまでのキャリアを当社で活かせる人材だと思えば、給与が多少高くなっても採用しますし、全くの未経験者でも、入社後の結果次第で、給与が上がります。実際に、当社規定より希望額が高かったのですが、マネジメント力。コミュニケーション力を高く評価できた人を採用したケースがあります。(IT・通信系)
丸山貴宏氏 キャリアアドバイザーに聞く給与アップのコツ
あとで泣かないために応募先の給与体系を知っておこう!
キャリアアドバイザー 丸山貴宏氏
大手就職情報会社の人事採用担当を経て1993年に人材紹介・コンサルティング会社クライス&カンパニーを設立。面談者数は1万名を超える。
http://www.kandc.com/
<給与で知っておきたい予備知識>
● 前給保証・考慮の場合: 入社当初は、企業が持っている給与体系と新しく入社してきた人との給与をすりあわせる「チューニング期間」。なので、入社当初は前給と同等でも、その後あなたの活躍によって増減することも。一般的には、入社後1年を目処に見直されます。また、ベンチャー企業などでは3カ月後にすぐ見直される場合もあります。
● 年齢・年功ベースの場合: 企業ごとに年齢による給与額の設定は異なります。特に30歳を超えた人の転職の場合、企業側の設定に応じて金額の開きが大きくなるので注意しましょう。また、「営業能力が高い」「マネジメント力がある」など、パフォーマンスの高い人にとっては、年齢・年功ベースは不利になってしまう場合もあります。
● 成果・業績ベースの場合: 応募時点では実績がないため、見込みの成績でしか判断できません。ですから、はじめの給与の保証が低いことは覚悟する必要があります。ただし、成果次第で給与が上がる点はメリットと言えるでしょう。
<面接時に必ず確認したい給与の盲点>
募集要項には、給与額のモデルケースは記述されていても、給与体系については触れられていないケースが多いです。面接時には、自分のケースの給与額だけではなく、給与体系も聞いておくとよいでしょう。面接官に対しては直接的な表現は避け、「貴社での年収などの評価制度は、どのようになっていますか?」などと聞くのがよいでしょう。各給与体系で確認しておきたいポイントは次の通りです。
● 前給保証・考慮の場合: 給与の見直しがいつあるのかを確認しておきましょう。
● 年齢・年功ベースの場合: 応募先の同年代社員の給与額はどれくらいなのかに加え、「●歳では給与額はいくらなのか?」など、将来の目安となる給与額のモデルケースを聞いておくといいでしょう。
● 成果・業績ベースの場合: 今までの最高額や最低額など、過去の実績を確認しておきましょう。また、営業職以外の人は、実績が数字で表れにくいので「何を頑張れば報酬が上がるのか」を聞いておく必要があります。
<給与で知っておきたい予備知識>
ずばり面接で頑張ることです。面接官はあなたの過去の実績を見て、「入社後に前社と同じくらい成果を挙げられるか」を測ります。ですから、「過去の経験を御社ではこのように活かします」と、具体的にアピールしましょう。何らかの事情で「絶対に譲れない給与ライン」がある場合は、早い段階で伝えておいたほうがよいですね。「仕事へのモチベーションになるから、最低でもいくらは欲しい」という言い方もOKでしょう。交渉ごとが苦手な人はエージェントを通すことも有効です。給与交渉のNGは、「交渉しすぎること」や「面接時に徐々に金額を吊り上げること」。お金に執着しすぎると悪印象を与えてしまいマイナス評価となります。

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