未経験からエンジニアへ転身☆ レポート:02／リクナビＮＥＸＴ[転職サイト]

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未経験ながらエンジニアへの転職を成功させた3人の体験談を紹介。エンジニア経験ゼロのハンデがありながら、どのように人事にアピールし、採用を勝ち取ったのかを紐解く。会社の選び方や入社後のスキルアップ制度など、未経験転職を目指す人は必見！

		「手に職」にあこがれ、プログラマに転身した鈴木孝史さん（32歳）

		興味を活かし、住宅営業からソフト開発者へ転身した桑原崇司さん（25歳）

高給与の仕事を辞め、未経験転職を決意。ITの専門家になるために研修が充実している会社を選びました

　仕事はお金だけではないし、今がよければそれでいいというものでもない。ある程度の将来設計に基づいて転職すべきと思えるときには、時機を逸する前に実行に移すべきだ。

　今回紹介する坂田さんはその好例といっていい。将来を展望し、警備員からネットワーク技術者へと、28歳の誕生日を目前にしたこの7月、転職を決行したのだ。

　坂田さんは、私立大学の経済学部夜間部に入学した半年後、大手の警備会社にアルバイト社員として入社した。2年余計にかかったが、2003年3月に卒業。その間、ずっと警備員をしていた。給与は高かった。

　「警備員の仕事は、過酷な条件でつらかったり、長時間勤務で大変だったりするんですが、その一方で面白い点もたくさんあります。撃退術や警護術、災害対応法などを覚えたりもできますし、普通は入れない場所に入れたりもします。いろいろな人に接する楽しさもあります。重要人物の身辺警護では、タウン・ミーティングのときの小泉首相の警護を担当したこともあったんです」

　坂田さんは、施設警備や工事・道路警備、輸送警備、それに身辺警護と、すべての警備種別を経験したという。だから、大学卒業時には正社員への転換を打診された。しかし、それは断ったのだという。

　「その会社では、正社員になると内勤なんです。私は警備の現場が面白くて続けられたんですから、内勤になる気は全然なかった。別の仕事での就職も考えていました。しかし、現場のままでいいから、ぜひとも残ってくれと。ある巨大オフィスビルの対テロ警備が始まり、現場リーダーが必要になっていたんです」

　坂田さんは、その仕事は1～2カ月で終わると読んでいた。業務完了後、大手を振って転職するつもりだったが、この仕事が何と3年に及んでしまったのだ。転職活動に移れたのは今年4月だった。

　「収入はとてもいいし、現場の仕事には相変わらず面白さを感じていました。でも、将来を考えると、続けるわけにはいきません。まだ独身ですが、結婚して子どもができたら、子どもと向き合う時間が欲しい。家族に誇れる父親になりたい。警備員のままではそうできる気がしなかった。勤務時間が長いし、泊まり込みもあります。同僚には離婚する人が多いことも分かっていました。また、別の世界で自身を高めたいという欲求も強かったんです」

　目指すのはIT業界と決めていた。産業としてますます広がりを見せるIT業界の中で、何かの専門技術者になろうという考えだった。

　4月から5月にかけて2社の面接を受けた。だが、未経験者歓迎と記載されていたにもかかわらず、結果は不採用だった。

　「本当は経験者を求めていたようでした。『不採用』というのは、理由はどうあれ、人格を否定されたようで落ち込むものです。27歳で技術者を目指すのは、実際問題として無理なのかなと弱気になりました。やはり大学を卒業するとき、強引にでもIT業界に就職すればよかったのかなと悔やみもしました」

　それでも、気を取り直すと、応募先を再び探し始めた。未経験者を入社後に技術者へと育成する研修制度が充実している会社を吟味した。

　そうして見つけたのがITワークスだった。同社はネットワーク技術とサーバー運用管理を得意とし、未経験者を集中育成して客先へ送り出す。具体的には、入社と同時に、ネットワークエンジニアの資格であるCCNAを取得させ、そのあとはサーバーやUNIX系OSの知識を吸収させる。基本を習得してからは客先常駐でOJTとなり、一人前になっていく。

　坂田さんは、今度は意外にあっさりと内定を勝ち取れた。

　だが、採用内定はしたものの、坂田さんはごく一般的なパソコンユーザーでしかない。いきなりCCNAの研修に入って、付いていけるのかどうか。不安は大きい。

　そんな内定者のために、ITワークスは事前研修を用意している。出席は自由。内容は、パソコンとネットワークの基礎技術だ。

　「この入社前研修はとても役立ちました。CCNAの研修に入ったとき、戸惑うようなことが全くありませんでしたから」

　その結果はCCNAの試験合格日までの短さに表れた。坂田さんは実質2週間の勉強で取得できたのだ。同時に入社したほかの3人もほぼ同時期に合格したという。

　9月1日から常駐する客先も決まった。大手の通信会社だ。職務はサーバーの運用管理。今は、その業務で必要とされるサーバーの構築技術とセキュリティー技術の勉強に打ち込んでいる。

　「本当にネットワーク技術者になれるんです。この会社に転職してよかった。将来が一気に開けた気がします。結婚も前向きに考えたいです」

　現状に安住せず未来を切り開いた坂田さん。頑張りが真骨頂の人だけに、必ずや「家族に誇れる父親」となるに違いない。




	大規模オフィスビルの対テロ警備業務が完了し、転職活動を始める。応募先はIT業界に決めていた。勤務先には「決まったら即、辞めます」と伝えた。4月下旬から5月上旬に2社の面接を受けた。




	「リクナビＮＥＸＴ」で今の会社の求人を知る。会社説明会に出席。応募を決め、試験範囲をウェブで学習する。




	筆記試験と面接を受け、即日内定。同日、勤務先で退職手続きを取った。長年勤めたが、アルバイト社員だったから手続きは容易だった。




	自由参加の基礎技術研修を約2週間受ける。7月3日付で入社し、CCNA取得のための研修を受け始めた。


	ITワークスの技術研修は充実している。入社前に自由参加の基礎研修が用意され、入社と同時にCCNA取得のための研修に入る。


	ルーターやスイッチといったネットワーク機器の学習セットを前にする坂田さん。入社2週間の勉強でCCNA試験に合格した。




	ごく普通のPCユーザーでしかありませんでしたから、とにかく、やる気のみなぎっているところを見せました。チャンスがあればどんな技術でも覚えたいと。向上心の強さは人に負けないとも話しました。




	今の仕事で頑張った経験を尋ねられたので、ひたすら語りました。朝5時起床で現場へ通い続けたり、雪の高速道路に8時間立ち続けたり、小泉首相や元首相などのVIPの警護で神経を擦り減らしたりしたことなどです。あとから、しゃべりすぎたかと思ったほどでした。


	Ｑ：		今回の転職で応募した社数、内定した社数は？

	Ａ：		3社応募し、2社は面接で採用見送りでした。


	Ｑ：		面接日時の調整に苦労しませんでしたか？

	Ａ：		警備という仕事柄、夜勤や突然の残業があって、調整には苦労しました。


	Ｑ：		今の会社の面接回数は？

	Ａ：		1回です。筆記試験と面接を合わせて2時間程度。面接当日に内定の旨を知らされました。


	Ｑ：		給料は上がりましたか？

	Ａ：		前職が高給でしたから、月給は半分くらいになりました。しかし、そう遠くないうちに、努力次第ではるかに上回るはずです。


	Ｑ：		転職を考えている人にアドバイスをするとしたら？

	Ａ：		とにかく行動することです。そして、1～2度の不採用にめげず、入社後の成長を見越して採用してくれる会社を探してください。

取締役
IT人材開発部
部長

坂田さんはIT業界で専門家を目指したいという目標が明確でした。ほかの転職先は考えていないという。この点にまず好感を持ちました。次に、話を聞くうちに、コミュニケーション能力がとても高いと分かった。こちらを気持ちよくさせる話術も持っている。これは得がたいものと判断しました。また、過去の仕事での頑張りはすさまじく、何事も投げ出さないタイプらしいと思いました。また、警備現場で人の取りまとめもしているらしく、その経験はIT業界でも活かせると受け取りました。

		2000年

		1000万円

		7億円（2006年3月期）

		155名

		東京都品川区

		情報通信システム・ネットワークの構築・運用・支援、サーバーシステムの運用管理・保守、ITエンジニア研修・教育アウトソーシングサービス、ITスクール運営コンサルティングなど

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全くの未経験からエンジニアに採用される人には3パターンあります。

		エンジニアの知識も経験も全くない人

		エンジニア経験はないが、学校や独学である程度知識を持っている人

		「プログラマからシステムエンジニアへ」など、隣のフィールドへの転職を考えている人

ですから、求人広告に「未経験者歓迎」とあっても、どの程度の“未経験”を指しているのかを確かめることが大切です。例えば企業側の募集条件に、「ワード・エクセルが使える人」、「工業系・理工系の勉強をしてきた人」とあれば、同じ未経験者でも、ある程度のハードルが課せられます。エンジニアの知識や経験が全くゼロの人でも、採用されやすいのが「コミュニケーション能力」のある人です。技術職とはいえ、仕事自体はチームやプロジェクト単位で働き、顧客のニーズにかなった製品やソフト、システム構築が求められるためです。また、研修制度や先輩社員からの技術指導により、知識や技術を高めていくので、「教えてもらう姿勢や意欲」や「仕事を進めていく上での協調性」は欠かせません。特に面接では、前職では周囲とどうコミュニケーションを図って仕事をしてきたのかをアピールするとよいでしょう。